
東京都町田市の特殊清掃・遺品整理作業での防臭処理に光触媒材料を用いました。
光触媒という言葉は聞きなれない方も多いと思いますが、悪臭発生の原因となる雑菌の繁殖を抗菌剤を使って抑える方法です。
一度発生してしまった悪臭や別の場所から来た悪臭は消すことが出来ませ んが、酸化チタン等を用いてOHラジカルを発生させ悪臭や雑菌と反応させる方法です。
今回の現場は2階建てのアパートの2階の部屋で、和室から玄関にかけての場所(和室から玄関までは3尺くらいしかない)で故人さまが倒れていました。
亡くなられてから発見まで1か月ほどの期間がありましたので、体液量も臭いもかなり出ていました。
今年になってから東京都町田市でこのような案件のお仕事を多く対応させてもらっています。
処理をする部分は畳と玄関の間にある引き違い戸の敷居、玄関までの板床と玄関土間です。
汚染畳を処理後撤去したところ、敷居と畳の隙間からも下地板汚染部分をまで体液が垂れていたので、下地板の除菌洗浄しました。
この時点で大事なのは、1階の天井まで体液が漏れていないかを確認することです。
体液は完全に除去するかコーティングにより封印してしまわないといくら消臭しても臭いが消えることがないからです。
今回は幸い下の階にまではいかずに済んでいましたが、下の階の天井にまで垂れていた場合は下の階の方に協力を仰いで、部屋に入らせてもらっての工事になります。
ひどい場合はしばらくの間別の場所で寝泊まりしてもらうようなことになったこともありました。
次に引き違い戸の敷居を洗浄して、板間と土間洗浄をします。表面の体液洗浄をしたら、有機溶剤で土間コンクリートの隙間・ひび割れ部分の体液の分解洗浄をします。
その後、有機溶剤が乾いたら、土間コンクリートの光触媒酸化チタンコーティングを施します。土間コンクリートと玄関框との間の隙間をコーキングで埋めてコンクリートに浸み込んだ体液を封じ込めるためです。
光触媒酸化チタンの表面に光が当たると、活性酸素が発生して菌や有機物を分解しますので、臭いの分子も分解してしまいます。
分解した後は空気になりますので、害はありません。酸化チタンは世界中にある天然のチタン鉱石からとれる材料で、昔から絵具や紙、化粧品や歯磨き粉、ホワイトチョコレートなどごく身近に使われてきた人に安全な材料なので安心です。
本日は少し専門的なことを書きましたが、日々勉強し専門性を高め後輩を育てていくのも私の大事な仕事であると思っております。