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2025.08.08

人生会議(ACP)とは~終活との違いや内容を解説

人生会議(ACP)は厚生労働省 や日本医師会 などが推進している取り組みであり、もしものときの選択を前もって共有しておくプロセスをいいます。「急な病気や事故が起きたとき、自分の思いをきちんと伝えられるだろうか」──このような不安を軽減し、納得のいく選択をするために、今のうちから備えておくことが大切です。

この記事では「人生会議(ACP)」をテーマに、必要とされる理由や終活との違い、基本的な進め方についてわかりやすく解説します。

人生会議(ACP)とは

人生会議(ACP)とは、将来の医療や介護について本人が前もって考え、家族や医療・介護の専門職と話し合っておく取り組みです。急な病気や事故などで自分の意思を伝えられなくなったときに備えて、「どんな治療を望むか」「どこで過ごしたいか」といった希望を信頼できる人たちと共有しておくことが目的です。

ACP(アドバンス・ケア・プランニング)とは

ACPとは「Advance Care Planning:アドバンス・ケア・プランニング」の頭文字をとったもので、前もって自分自身の医療やケアの方針を計画するという意味があります。

厚生労働省はACPをより身近に感じてもらうことを目的に「愛称」の募集を行い、1,000件以上の応募の中から「人生会議」という愛称が選ばれました。このような経緯から日本では「ACP=人生会議」として厚生労働省が推進し、各自治体において積極的な普及啓発活動が行われています。

人生会議が必要とされる理由

命に関わる大きな病気や事故が、いつ自分に起こるかは誰にも予測できません。実際、命の危機に直面したとき、約7割の人が自身で治療や介護の方針を決めたり、その希望を周囲に伝えたりすることができなくなるといわれています。

そのような状況では、家族や医療関係者が判断を迫られることになり、本人の望む選択が叶えられない可能性もあります。だからこそ、人生の最終段階でどのような医療を受けたいか、どのようなケアを希望するかについて前もって考え、自らの意思を伝えられるうちに家族や医療・ケアチームなどと共有しておくことが大切です。

 

人生会議と終活の違い

人生会議と終活は、どちらも人生の最終段階に備えるための取り組みです。
具体的にどのような違いがあるのか、それぞれの特徴を比べながら見ていきましょう。

終活とは

終活とは、人生の終わりについて考え、自分らしい最期を迎えるための準備を通じて、今をより良く生きるための活動のことです 。 元気なうちに身の回りを整理し、最終段階の医療や介護の希望、自分が亡くなった後の葬儀やお墓、財産に関する意向をエンディングノートに記しておくことで、残された家族が判断に迷うことなく故人の意思を尊重できます。これにより家族の精神的な負担を軽減するとともに、自分自身も残りの人生を安心して前向きに過ごせるようになります。

人生会議と終活は何が違うのか

人生会議は「もしものときの医療や介護の選択」について、家族や医療者など自分が信頼できる人たちと話し合うプロセスです。一方、終活は「自身の老後や亡くなった後の備え」として、身の回りの整理や手続きなどを前もって済ませておくことを指します。多くのエンディングノートには、人生会議のテーマでもあるもしものときの医療や介護についての希望を記入する欄があり、終活の一環として、意思の共有や話し合いが推奨されています。つまり、人生会議は終活の一部であり、終活を具体的に進める過程で行われる重要な取り組みといえます。 どちらも自分らしく生きるための大切な取り組みであり、本人の安心だけでなく、周囲の人たちへの思いやりにもつながる活動です。

人生会議の進め方〜基本のステップとポイント

人生会議はどのように進めるのか、基本的なステップと取り組む際のポイントを紹介します。

人生会議の基本ステップ

人生会議の基本的なステップは次のとおりです。

1. 自分の思いを整理する
人生の最期にどのような医療やケアを望むのか、自分の価値観や希望を振り返ってみましょう。
2. 信頼できる人は誰かを考える
自分の意思を理解し、支えてくれる人が誰かを考えてみましょう。
3. 信頼できる人たちと話し合う
家族や医療・介護の関係者など、信頼できる人たちに自分の思いを伝えましょう。
4. 話し合った内容を大切な人たちと共有する
話し合いの結果を大切な人たちに伝え、共有しましょう。

人の価値観や状況は時間とともに変化するものです。
繰り返し考え、話し合うことで、より自分らしい選択が実現できるようになります。

人生会議を行うときのポイント

人生会議は一度きりで終わるものではなく、自分の体調や生活環境、気持ちの変化に応じて、何度でも繰り返し行うことが大切です。自分や家族だけでは判断が難しいと感じたときは、主治医やケアマネージャーなどの専門職に相談することも有効です。定期的に自分の考えを見直し、信頼できる人たちとの話し合いを続けることで、自分の思いに合ったより良い選択がしやすくなります。

まとめ

人生会議(ACP)とは、将来の医療や介護に関する意思を本人が事前に考え、信頼できる家族や医療・介護の専門職と共有しておく取り組みです。人生の最終段階にどのような医療や介護を受けたいか、前もって話し合いと共有をしておくことで、もしものときに自分の希望に沿った選択ができるようになります。自分らしいエンディングを迎えるため に、終活を進めながら「人生会議」にも目を向けてみるのが良いかもしれません。

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この記事を書いた人
One's Ending編集部
関東の遺品整理専門会社(株)ワンズライフのメディア編集部です。 遺品整理、生前整理、空家整理に関することから、終活、相続税に関することまで。人生のエンディングにまつわる、役に立つ情報やメッセージをお届けしていきます。
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