
2018.04.27
片付けられない症候群の特徴と改善策とは?部屋を片付けられない原因は病気や障害かも?
部屋がいつもゴミで散らかっている。
綺麗に整理整頓したはずなのに、気が付くと部屋がまた汚れてしまっている。
このような片付けに関する悩みを抱えたことはありませんか?
思い悩むがゆえに、「自身のなまけやだらしなさが原因かも?」と考える方もいるでしょう。
しかし、片付けられない原因の中には病気や障害による症状等も含まれており、決して「なまけ」が発端ではない場合もあるのです。そこで、今回の記事では部屋を片づけられない4つの原因をご紹介いたします。
また、片付けられない症候群の特徴と改善策についても、分かりやすく簡単にまとめてみました。
片付いていない状態とは
そもそも「片付いていない状態」とは、どのような状態を指すのでしょうか?
テレビのニュース等では、「ゴミ屋敷」というフレーズと共に何年もゴミを貯め続けているような部屋が紹介されるときがあります。
こちらの場合は自分の生活に支障をきたしている他、近隣住民に対しても迷惑をかけてしまっている状態です。
一方、今回取り上げる「片付いていない状態」は、ゴミ屋敷ほどの散らかり具合とは異なり、ごく一般的にいわゆる「汚部屋」と呼ばれるレベルの部屋を表す言葉と定義づけ、話しを進めていきます。
今回の記事における「汚部屋」=「片付いていない状態」の具体例をあげると
- 物が決まった場所にないため、探し物を頻繁に行う必要がある状態
- 部屋全体ではないものの、床の一部が物によって見えない状態
- 衣類がクローゼットやタンス等に収納されず、むき出しの状態
などが出てきます。
あなたの片付けられない原因は?
誰しもが「部屋は片付けなくてはいけない。」という気持ちを持っています。
ではなぜ、それを実行に移せない人がいるのでしょうか?
その原因を大きく分けると、以下の4つがあげられます。
- 片付けることが苦手な性格的なもの
- 多忙による時間的なもの
- ストレスによる精神的なもの
- 発達障害など脳の障害によるもの
4つの中で「精神的なもの」と「発達障害によるもの」が原因の場合、あなたは「片づけられない症候群」かもしれません。
では、それぞれの原因について詳しく解説いたします。
1.片付けることが苦手な性格的なもの

片づけが苦手な性格の方は、普段から「物事を後回しにしがち」「物を捨てられない」「片付けを一度にすべて終わらせようとする」といった特徴があります。
生まれ持った性格の問題だけではなく、育った環境や幼い頃からの生活習慣が影響している面も少なからずあるでしょう。
整頓された部屋にするためには、「物の定位置を決めておく」「使った物は元の場所に戻す」「毎日コツコツと少しずつ物を収納する」ことが大切です。
また、「今ある収納の範囲内で片付けられないものは、潔く捨てる」という判断が重要になります。
「部屋が全く片付かない…。」と嘆いている方は、一度に部屋を片付けようとせず、毎日「物をしまう」ことを意識して、掃除を始めてみると良いでしょう。
2.多忙による時間的なもの

夫が外へ仕事に出て、妻が家事を行うという生活スタイルから、共働きが一般的となった現代の暮らし。妻一人で自宅を片付けるには、仕事や家事、育児等で忙しく、疲労がたまって片付けを行う時間がないというご家庭が増えています。
この場合も「片付けが苦手な性格」と同様、「多くの時間をかけて一気に片付ける」より、物が散らからないように「出したら必ずしまう」「物を決まった場所に置く」など、日常的に心掛けるのが大切です。
「物を散らかさない=片付ける時間をわざわざ作らなくても良いようにすること」が非常に重要となります。
また「 家事代行サービスなどを利用する」「お掃除ロボットを活用する」「食洗器を導入する」洗濯物は畳まずにハンガーにかけたまま収納する」など、片付けに関連した習慣のハードルを下げる工夫を行うのがおすすめです。
3.ストレスによる精神的なもの

「部屋の状態=心の状態」とも言われるように、「部屋を片付けられないのは、それだけ精神的にも疲れている状態である」といえます。
現在「心屋式心理カウンセラー」として活動しているおむらもちさんは、ご自身も片付け嫌いだったという過去を持ち、「片付けができない人は、片付けを阻む大きな原因がある。」と解説しています。
ここでは、2つの例をご紹介いたします。
1つ目は、「片付けをする時間が取れない原因は、仕事や人間関係によるストレスによる活動性の低下による」といったケース。
2つ目は、「家族が片付けに対して協力的でなく、なんで協力してくれないのかというストレスを溜め込むとともに、片付けに対するやる気も失ってしまう」といったケース。
上記のような状況は、「本人は部屋を片付けたいと思っているのに、それを精神的ストレスが阻害している」といえるのです。
このように、人間は精神的疲労が溜まると全ての行動においてやる気がなくなり、「うつ病」や「摂食障害」等、さまざまな精神的疾患を引き起こす恐れがあります。
また、本メディアでも紹介した「セルフネグレクト」も、「こういった精神的疾患によって片付けられない状態になっている」といえるでしょう。
【関連記事】セルフネグレクトとは?原因や心理、対策事例で孤独死を防ぐ
何かに対してストレスを感じることが原因で片付けができない場合は、まずストレスの根源を見つめなおし、どうすればそのストレスを軽減できるのか対策を考える必要があります。
4.発達障害など脳の障害によるもの

発達障害や精神疾患の場合は、他の3つの原因と状態が異なり、「片づけたいと本人が思っていても、片付けを実行に移すことができない状態にある」という大きな違いがあります。
特に発達障害は、「脳の機能が正常に働かないことで起こる、生まれながらの疾患」であり、子どもの頃のしつけや環境など、生まれた後の対応によって引き起こされるものではありません。
発達障害にも幅広い種類がありますが、特にADHD(注意欠損・多動性障害)は、「注意力が散漫な上にじっとしていることが苦手」と言われています。
さらに「何でもやりっぱなしなことが多く、部屋が散らかりやすい」という特徴があり、結果として片付けられないケースが非常に多くなっているのです。
一方、同じ発達障害であるアスペルガー症候群は、「片付けが苦手というよりも物を捨てることを極度に嫌がる傾向」があります。
傍からはただ散らかっているように見えていても、本人はきちんと規則性をもって配置していることが多く、発達障害の種類によって片付けられない理由も様々なのです。
【関連記事】汚部屋になりやすい人の特徴7つ。汚部屋を脱出する方法はある?
片付けられない症候群チェック
では、発達障害によって起こりやすい「片づけられない症候群」なのかをチェックしてみましょう。
- ケアレスミスが多い
- 注意を持続できない
- 人と対面して話すのが苦手
- 話が飛んでしまう傾向がある
- ソワソワしてしまう
- 指示に従えない
- じっと人を待つことができない
- 早合点が多い
- 考えが飛躍する
- 掃除中に昔のアルバムが出てくるとついつい見入ってしまう
- 忘れ物が多い。財布を忘れて出掛けることもしばしば
- 自分が今、何をやっていたか分からなくなる
- 挙動不審だね、と友達に言われることがある
- しゃべり過ぎることがある
- やりたいことは今すぐやる
※引用 チェックリストであなたの“片付けられない症候群”度を判定
今回挙げたチェックリストの中で、6項目以上当てはまった場合には、「片づけられない症候群」の可能性があるといえます。
このチェックリストを利用する際に注意したいのは「片づけられない症候群だった=発達障害だ」と確定したわけではないという点です。
たしかに発達障害の方であれば、より当てはまる項目が多くなってはいます。
しかし、実際にこのチェックリストを作った福西医師によると、「片付けられない症候群だった方にはうつ病の方が多く、その中の一部にADHDの方がいるという状態だった。」とのことでした。
そのため、このチェックリストにて6個以上当てはまった方は、まず「片づけられないことについて、自分を責め過ぎないようにする」必要があります。
それから「自分がどうすれば片付けができるようになるのか、その対策や心掛けを考えるようにする」と良いでしょう。
日々できる対策と心がけること

物を片付けられない人の特徴として、「片付けをする前に、収納するケースや家具を新たに検討する」傾向があります。
しかし、この収納用品が増えすぎてしまうと、返ってそれ自体が「片づけられない」ものとなり、部屋のスペースを圧迫してしまう恐れが出てくるのです。
そのため、片付けを行う場合は「新たな物を買わず」に、「今あるもので収納を行って、収納できない物は全て処分する」ことが大切になります。
では、どうすれば今あるものだけで収納することができるのでしょうか?
それは、「捨てる勇気を持つ」ことです。
たとえば賞味期限が切れているのに、いつまでもそのままにしている食品はありませんか?
また、「いつか使えるだろう。」と、1年以上放置しているものはありませんか?
片付ける時は、まず種類ごとにモノの定位置を決め、その定位置から溢れてしまうものは使わないものから順に処分しましょう。
前もって位置を決めることで、「どれを捨てるべき」で「どれを取っておくべきか」の判断が、少しずつ付きやすくなります。
また、このように大掛かりな片付けをする場合には多くの時間を必要とします。
すべてを一人で片付けをしようとせず、掃除が苦手ならば家族や友人、あるいは業者などに依頼し、部屋を綺麗にしたい時に、まとめて一気に終わらせられるような環境を整えることも大切です。
また、ショッピングに行く場合、目に入った物をすぐに買うのではなく、本当に必要か一度立ち止まって悩む癖をつけ、無駄な買い物を減らすようにしていきましょう。
最低限のお金だけを財布に入れて持ち歩くのもおすすめです。
【関連記事】遺品整理士が伝授する「片付けの極意」3つのポイント
まとめ
散らかった部屋で生活することはストレスを貯める行為であり、何のメリットもありません。
一方、これまで解説した通り、片付けられない原因には精神的なストレスや発達障害が関連する場合があります。
それゆえ、片付けるための心がけや対策を行いたいと思っても、自ら実行することが難しいケースもあるのです。
そのような状況下にお勧めしたいのが、まず一度片付け業者等へ片付けを依頼し、まとめて不要なものを処分するという方法です。
一度理想の状態にすれば、あとはその状態維持して過ごすだけなので、ハードルが低くなりますし、気持ち的にもかなりすっきりすることでしょう。
この機会に衣類や家具の断捨離を行い、ミニマリストのようなシンプルで物が少ない部屋を目指すのもおすすめです。
プロの片付け業者は大きな物も運搬してくれるので、部屋の片付けがスムーズに進みますし、自分では思いつかないような新たな収納方法を提案してもらえます。
さらに、片付けの知識やコツも教えてもらえるので「部屋を清潔に保ちやすくなる」というメリットもあり、大変助かることでしょう。
「片づけられない」というストレスを自分で溜め込む前に、ぜひ一度、プロの片付けも検討してみてくださいね。
【関連記事】ゴミ屋敷からの引っ越し 片付け方と業者依頼のポイントをご紹介
おすすめ記事