2021.10.02
みのもんたさん 執着をズバッと捨てた生前整理
みのもんたさんは奥様の死後、周囲に相談することなく思い出の品をすべて燃やしてしまったそうです。残された家族に迷惑をかけないことを第一に考えた生前整理だったようですが、何でもかんでも捨ててしまうことを本当に家族は望んでいるのでしょうか。物を処分する前に今一度考えたい問題です。
今回は、みのもんたさんがおこなった極端な生前整理を例に挙げ、自分自身はもちろん家族にも後悔が残らない生前整理の考え方や進め方についてご紹介していきます。
そもそも生前整理とは
生前整理とは、人生のエンディングに向けて元気なうちに持ち物や財産、情報を整理しておくことをいいます。
人が亡くなったあとに残された家族が身の回り品を整理する「遺品整理」とは異なり、生前整理は本人が生きているうちに、そして心や体力、時間に余裕があるうちにおこなうものです。
生前整理の種類は人によってさまざまですが、「生前整理」と聞いてまず思い浮かぶのは身の回りにある持ち物の片付けではないでしょうか。
家に物があふれたまま亡くなってしまうと家族が片付けをしなければならないため、残された家族に迷惑をかけないためにあれもこれもと何でも捨ててしまうケースが多々あります。
しかし、物を「ただ捨てるだけ」の行動は生前整理の本質ではありません。
生前整理とは単に物を捨てる行為に限らず、物と向き合って心も一緒に整理することが含まれているからです。
また、生前整理にはさまざまな選択肢があるため、家族と話し合ってお互いの認識をすり合わせておくことも大切です。
生前整理をするうえではひとりで判断してひとりで一方的に進めるのではなく、家族との意思統一を目指すことが重要になります。
みのもんたさんの生前整理
生前整理について理解を深めたところで、みのもんたさんのおこなった極端な生前整理について見ていきましょう。
司会者・タレントとして数々のテレビ番組で活躍したみのもんたさんは、2012年に奥様をがんで亡くされています。
奥様は生前に「誰に何を残すか」すべてまとめていたそうで、みのもんたさんもそれを真似て生前整理を始めたといいます。
しかし、みのもんたさんさんがおこなった生前整理は少々極端なものでした。
ご本人が出演された番組の録画や週刊誌の記事、手紙をはじめ、家族の写真さえもデータ化せずにすべて燃やしてしまわれたそうです。
さらには、生前親交があったという女性にご自身の会社の財産であるマンションを贈与。
この件に関しても家族への相談は何もなかったといいます。
みのもんたさんの生前整理は、周囲への相談もなく、思い出の品や財産を片っ端から片付けていくというものでした。
亡くなられた奥様がしっかりと生前整理を済まされていたこと、またみのもんたさんご本人が残される家族や周囲の人に迷惑をかけたくないという気持ちが強かったことが、極端ともいえる生前整理をおこなった要因なのかもしれません。
生前整理は家族と相談しながら進めよう
「自分の死後に自分のことで迷惑をかけたくない」
みのもんたさんのようにあれもこれもと処分する生前整理のやり方は、このような思いを強く持っているからだと考えられます。
確かに、ご本人が元気なうちに身の回り品を整理しておいてもらえれば、家族としても助かるという気持ちはあるでしょう。
しかし、自分では不要だと思っていても、残された家族もそう思うとは限りません。
特に写真のような思い出の品の場合、故人との思い出を振り返ったり、自分の心を整理したりするために必要だと考える方も多いのではないでしょうか。
家族に負担をかけたくないからといって、誰にも相談せずすぐに処分してしまうことは、本当に後悔の残らない終活だといえるのでしょうか。
人はそれぞれ異なる価値観を持っています。
生前整理として思い出の品や不動産などを処分したいと思ったら、まずは家族に相談してみることをおすすめします。
自分の考えや希望を伝えるとともに、家族がどう思っているかについても把握しておくべきです。
あたたかなエンディングを迎えるためには、自分と家族の意思をしっかりと統一しておくことが大切です。
家族とじっくり話し合える場を設け、自分にとっても家族にとっても後悔がなく、「これでよかった」と思えるような終活を進めていきましょう。
まとめ
みのもんたさんが生前整理を始めたきっかけは、亡くなった奥様が生前に誰に何を残すかすべて明確にしてから旅立たれていたことでした。
しかし、みのもんたさんは周囲へ相談することなく、自分の判断で大切な思い出の品まで処分してしまわれたといいます。
生前整理とは単なる身の回り品を処分する手段ではありません。
ご本人はもちろん、家族や周囲にとっても幸せなエンディングを迎えるための準備をすることです。
そのためには自分が元気なうちに家族と話し合い、お互いの考えや希望を伝え合うこと、それが本人にとっても家族にとっても後悔のない終活につながっていくのです。
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