断捨離の意味と効果とは?実践体験談から分かるメリット・デメリット
着なくなった洋服や使わなくなったバッグなど、人が生きてきた時間の分だけ、段々とモノが増えていきます。
そして、このようなモノの数々はいずれ部屋を覆いつくし、徐々に生活スペースを占領するようになるのです。
現代では「思い切ってモノを捨てて、必要なものだけに囲まれて生活をする」というライフスタイルを過ごす人が増えています。
どうしてもモノが捨てられなくて困っている方は、断捨離の意味と効果をおさらいして、捨てるメリットを理解してみましょう。
今回の記事では、断捨離について実践体験談をもとに解説していきますので、ぜひ片づけを行う時の参考にしてみてください。
断捨離(だんしゃり)とは
数年前からよく耳にする「断捨離(だんしゃり)」という言葉ですが、元々はクラターコンサルタントのやましたひでこさんが2009年に発表した著書のタイトルです。
『新・片づけ術』とサブタイトルが付けられていることからも分かるとおり、ただの片付け術という訳ではなく、モノへの執着を捨てることがコンセプトになっています。
やましたさんの著書によると、断捨離という言葉はヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」をもとに生まれた言葉です。
単に整理整頓の方法を説明するのではなく、「モノを捨てることで自分の生活がどう変わるか」を提唱しています。
「汚部屋」「片付けられない症候群」などと思っていても、なかなか家の中を片付けられない人は多いのが現状です。
やましたさんの著書は、口コミを通じて断捨離という言葉が広がり、300万部の大ヒットとなりました。
やましたひでこさんの公式サイトでは、以下のように書かれています。
断捨離とは、モノへの執着を捨てることが最大のコンセプトです。
モノへの執着を捨てて、身の周りをキレイにするだけでなく、心もストレスから解放されてスッキリする。
これが断捨離の目的です。
断捨離の意味
単なる「掃除」や「整理整頓」ではなく、片付けることの意味と目標など行動することの意味を考えながら行うのが「断捨離」です。それぞれの言葉のニュアンスは下記の通りです。
断=断行
いらないモノが入ってくることを絶つ。
不要品が増える理由として多いのが、「タダでもらう」「その場のノリで買う」の2つが挙げられます。
必要ないのにもらってしまったノベルティグッズや、クレーンゲームでゲットしたものの、置き場に困っている大きなぬいぐるみはありませんか?
それらのいらないものが入ってくるのを断つことが「断行」です。
捨=捨行
いらないモノを捨てる。
たとえば、クローゼットやタンスの中を見てください。その服はすべて必要でしょうか。
サイズが変わった物、流行遅れの物、買ってみたけれど気に入らずほとんど着ていない物など、不要な服は意外に多いものです。
そのような服はクローゼットやタンスなどの収納スペースを占領するだけ。
それらを捨てることが「捨行」です。捨行は、ただ捨てることだけを言うのではありません。
リサイクルショップなどに売る、人に譲るなどの方法もあります。
離=離行
モノへの執着心を離す。
人はモノに執着する生き物です。
ブランド品やコレクション、別れた人からのプレゼントなど、執着する理由は様々ですが、人には捨てられないものがたくさんあります。
その執着心から離れることを意識し、こだわりを手放していくことが「離行」です。
「断捨利」との違いは?
時々「断捨利」と表記されているのを見かけます。
「断捨離」という言葉は、やましたひでこさんの登録商標のため、営利目的では使うことができません。
他者が「断捨利」と表現する場合がありますが、意味はほとんど同じです。
「モノ」以外にも通じる考え方
著書にはこう書かれています。
「断捨離」したら…
- 仕事の効率が上がる
- 早起きが楽しくなる
- 素敵な偶然が増える
- 自分を好きになる
そう、新しい世界がはじまるのです。
行動する時には優先順位を決めるのがおすすめです。
そのためには「今やるべき仕事」と「後回しにしてよい仕事」を見分けなくてはなりません。
そうすることで“効率”が上がります。
実際に仕事が順調にいけば、一日の始まりが楽しくなります。
毎日の残業が減った分、趣味に打ち込むことができるでしょうし、そこで素敵な出会いがあるかも知れません。
本当は参加したくない飲み会を断る勇気があれば、金銭も時間もすべて自分のために使うことができます。
一日中家事や労働で疲れ切ってしまっている人も、「自分がやるべきこと」と「家族がやるべきこと」が整理できれば負担を大幅に減らすことが可能です。
これまでの「優柔不断な自分」を卒業して「自立した自分」と思えるなら、自分を好きになることができるはず。
これまでとは違う新しい世界がはじめられるでしょう。
断捨離で得られる効果とは?
「断捨離はただの片づけ術ではありません」とやましたさんは言います。
ここでは断捨離で得られる効果について、独自でとったアンケートから考えていきたいと思います。
部屋が散らかりにくくなり、少しお小遣いも
これは今後使うかもしれない、捨ててしまうのはもったいないかもしれないと思っているけれど、実際はまったく使っていなかったものを思い切って処分してみました。
ブランドものの小物や服などは売りに出したので、少額ではありますが、お小遣いが入ってきたし、物が減った分部屋が散らかりづらくなったのでやってよかったなと思っています。(あやさん 愛知県 30代女性)
これはもっともわかりやすい効果でしょう。
モノが少なくなれば、部屋を片付けやすくなり、さらにお小遣いも入ってくれば、一石二鳥ですね。
すっきりした部屋を維持するために余分なモノを買わないようにすれば、節約にも繋がります。
気持ちがすっきりし、前向きになる
部屋が散らかっており、いつも気分が悪く家で過ごしていました。
このままではいけないと思い、思い切って不要なものをどんどん捨てる決意をしました。
要らないものを仕分けし、売却・贈与・廃棄などの作業をしました。
部屋に残ったのは、必要最低限の生活可能な物資のみになりましたが、スッキリとした部屋が気持ちを高揚させました。
断捨離をして部屋がスッキリすると、どんよりとした気持ちは吹き飛び、さぁやってやるぞという積極的な気持ちにさせてくれます。(東京都 男性)
山積みになった本(雑誌や漫画等)、クローゼットからはみ出した服、それほど欲しくもないのにクレーンゲームで取ったぬいぐるみ等の数々。
部屋の中は自分の心を映す鏡ともいわれており、散らかった部屋にいると心が荒みます。
誰だってキレイで快適な部屋は気持ちがいいもの。
気分も晴れ晴れとします。
はっきりと決められる性格になる
なかなか物が捨てられない、性格がうじうじとしている、そんな自分を昔から変えたいと思っていて、最近、断捨離という言葉が気になり、見よう見まねで真似すれば私の性格自体も変わるのではないかと思い、家にあった家具や洋服など一斉に処分しました。
その結果、今まで自分の性格もそうですがはっきりしていなかった部分がすべてはっきりし、家も片付いたことで心がとても軽くなり、友達にも「何かとっても明るくなったね。」と言われるようになりました。
断捨離を行ったことにより、私自身の性格も断捨離できたと思います。(東京都 30代 女性)
ウジウジしてモノを捨てられない性格も、思い切って断捨離をすることで自信が生まれ、心がすっきりして軽くなるケースもあります。
先に「断捨離」という行動を起こすことにより、はっきりと決められる性格に変わった体験談でした。
自分に本当に必要なモノに気づく
私は高校生の頃から集めていたコスメを断捨離してから、毎日のメイクへの意識が変わりました。
断捨離をしようとしたきっかけは、美容学生の友人に、「化粧品には使用期限があるよ」と言われたことでした。
それを初めて聞いた私は、今使っているコスメの中には、可愛くて捨てられないものや、思い出から捨てづらいものも含めて、4年間以上使っているものがあることに気づかせられました。
それから、自分の肌のことを考え、ここ一年以内に買ったコスメ以外は、全て捨てることにしました。
すると、今まで使ってきたコスメの成分にも気を使うようになることができました。(東京都 20代女性)
なんとなくモノを集めていて、執着から捨てられなくなっていませんか?
この体験談では、「モノは使ってこそ価値がある」と考えさせられます。
また断捨離をしたことにより、自分の肌にとって本当に必要なものを考えられるようになりました。
あくまでもモノが主体ではなく、物事を自分主体で考えられるようになった体験談でした。
断捨離のデメリットはあるの?
断捨離の目的は、「不要なモノを捨て、モノへの執着を断ち切ること」ことです。
捨てることだけにのめりこんでしまったり、捨てること自体が目的になってしまったりすることは本末転倒です。
モノへの執着を断ち切れないままやみくもに捨ててしまったり、モノときちんと向き合わずに捨ててしまったりすると後悔する場合もあります。
今の自分にとって必要なものまで捨ててしまわないように、モノとしっかり向き合った上で手放していくことをおすすめします。
アンケート:断捨離をして失敗・後悔したことは?
以前、断捨離をした際に、優柔不断に迷っていては非常に時間がかかってしまうと思ったので、捨てる・捨てないをハッキリとした直感で断捨離をしました。
しかし、ゴミに出した後から冷静に考えると、昔お金を少し入れていたポーチをうっかりわすれて捨ててしまいました。
時間はかかってしまうけど、きちんと中身も確認しながら断捨離を行うべきだったとその時深く感じました。(大阪府 女性)
身の回りを整理しようと思いきってしばらく使っていない品々を処分したのは良いものの、後になって処分した物の中に必要なものがあったのが判明しました。
どうしても必要なものだったので、再び買い直す羽目になって余分な出費となってしまいました。
これからは無理な断捨離を行うことなく、なるべく物を増やさないという思考にシフトチェンジしようと思います。(埼玉県 40代 男性)
私が断捨離して後悔したなと思うことは、要らない物と思って捨てた後から、やはり必要な物だったということを気づいた時です。
普段は身の周りの物が散らかっていて、「いつか整理しなければ…」と思って長引いた後、思い切って捨てた物が大切なもので彼女や友人から怒られた記憶があります。
また、色々なものを捨てる=思い出を捨てると言うことにも繋がるので、人間関係もいくつか破綻してしまいました。
が、大事なものとそうでないものを別の場所に分けて取って置くという方法で、自分の場合は解決することができました。(福岡県 20代 男性)
10代や20代の頃は、「部屋には物」を「頭には思い出」を置いておくスペースがあったのですが、30代に入ってからは何かを捨てないと新しい物を取り込めないという自分が出てくるようになりました。
良いことも悪いことも関係なく、過去の思い出の品と共に残る思い出が自分の中でいっぱいになってしまって疲れてしまっていた頃、私は引越しをきっかけに、思い出を思い出の品と共に断捨離をしようと決意をして、日常に関連しない必要のないものは全て捨てました。
私は断捨離をしたことがなかったので、捨てる捨てないのバランスが分からず全てを捨ててしまいましたが、ふと自分に余裕ができた時に思うことは、思い出も自分の人生の一部だし、振り返りたいと感じる時があるので今は複雑な心境です。(東京都 30代 男性)
私は部屋をきれいにしたくて断捨離をしてみました。
実際にしてみると部屋は確かにきれいにはなり、シンプルで無駄のない部屋にはなりましたが、無駄なものがなさ過ぎて家にいること自体に意味を感じなくなり面白さが欠けた家になりました。
特に同僚が来た時には、あまりにも味気なさすぎてつまらないという印象を与えてしまったと思います。
断捨離にもメリットとデメリットの双方があるということを知らされる経験になりました。(鳥取県 男性)
今の自分にとって価値のあるものだけに囲まれる
「モノを持たない」「モノを捨てる」という行為には、思い切りが必要です。
決断できずに溜まっていくモノの数は意外なほど多く、価値のない荷物としてだんだんと残っていきます。
これは部屋の話だけではありません。
人の心も同じです。
部屋も心もスッキリとすれば、そこには必要なモノしか残りません。
不要なモノを取り除いたスペースには、新しいモノを置く余裕ができます。以前までとは違う自分となり、新しい世界を開くことができるかもしれません。
おすすめ記事