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2021.02.16

おひとりさまの終活とは ポイントを解説

日本は、少子高齢化や未婚率の上昇、核家族化が進んだことによって、ひとりで生活する「おひとりさま」が急増しています。
終活は、死後の準備だけでなく、これまでの人生を振り返ることを通して、今後の人生をより良く、自分らしく生きていくための活動でもあります。
おひとりさまが終活を行うことは、お葬式の形式や埋葬、お墓の希望を決めておくことができるほか、医療や介護でサポートが必要になった時に備えられたり、孤独死のリスクを軽減できたりと、一人暮らしならではの不安点を解消することにもつながります。
では、おひとりさまが終活に取り組むときは、どのような点に気を付ければ良いのでしょうか?

そこで今回は、おひとりさまに終活が必要な理由を解説したうえで、具体的にしておきたい準備内容やポイントを詳しくご紹介します。

おひとりさまの終活が急増中!そもそも「おひとりさま」「終活」とは?

近年“おひとりさまの終活”という言葉がメディアに登場し、関連書籍も販売されるなど、人々から注目を集めています。
そもそも「おひとりさま」「終活」とは何を意味する言葉なのでしょうか?
はじめに、それぞれの言葉の意味や定義についてご紹介します。

 

「おひとりさま」とは

「おひとりさま」とは、配偶者や子どもがいない独身世帯を意味する言葉です。
親や親族から独立してひとりで生活している人だけでなく、両親や配偶者と死別した人や、離婚して単身で生活している人もおひとりさまに含まれます。

 

日本は少子高齢化と未婚率の上昇が続いており、2人以上で生活している一般世帯数が5187万世帯に対して、世帯人員が1人の世帯数は1684世帯と、おひとりさまが全世帯数の3割以上を占めている状況です。(平成27年の国勢調査より)
少子高齢化と未婚率は今後さらに進むことが予想されていることから、おひとりさまはこれからも増え続けるでしょう。

 

さらに、核家族化が進んだことにより、最近では、親や祖父母との同居世帯がずいぶんと減りました。
結婚していて子どもがいても、就職や結婚を機に親と離れて暮らすスタイルがスタンダードになりつつあることも、おひとりさまが増加している大きな要因といえます。

 

「終活」とは

一般社団法人終活カウンセラー協会によると、終活とは「人生の終焉を考えることを通じて、今をより良く自分らしく生きるための活動」と定義されています。

 

終活が広まった当初は「人生の終わりのための活動」という意味合いが強く、活動内容も、葬儀や墓などの“死後の準備”が中心でした。
しかし、平均寿命が延びたこと、孤独死が社会問題となったこと、延命治療が可能となったなどの理由により、自分の人生の老後や終末期について考える人が増え、かつてのような「死は縁起が悪い」という風潮は薄れつつあります。

 

同時に人々の終活への意識も変化し、“死後のための活動”から“今後の人生を自分らしく生きるための前向きな活動”と定義されるようになりました。

 

なぜおひとりさまにも終活が必要?

前述の通り、終活はこれからの人生をより良く生きるための活動です。
そうなると「単身かどうかは関係ないのでは?」と思う人もいるかもしれません。
なぜ今「おひとりさまの終活」が注目されているのでしょうか?ここでは、おひとりさまに終活が必要な理由をご紹介します。

 

孤独死のリスクがあるから

孤独死とは、誰にも看取られることがなく死亡し、一定期間発見されなかった状態を指します。
誰かと住んでいれば異変があった際にすぐに気づいてもらえますが、一人暮らしだと、発見されるまでに時間がかかってしまうかもしれません。

 

そうなると、部屋の片付けから遺品整理、財産相続まで、すべての手続きをほかの人が行う必要があります。
あなたに財産があったり捨てたくない物があったりしても、同居していない人がそれをすべて把握し、探し出すことは困難です。
そのため、終活をしていないと、自分の希望通りの相続や遺品整理が行われない可能性もあります。

 

孤独死という寂しい最期を迎えないためにも、死後に自分の財産や重要な物をきちんと整理してもらうためにも、おひとりさまこそ終活をしておくのがおすすめです。

 

【関連記事】孤独死とは-原因と対策 防止するためにできること-

 

医療や介護関連で老後に頼れる人がいないから

人生100年時代とはいっても、歳を重ねると、身体能力の低下や認知症を患ってしまうなど、心身ともに衰えが見られるようになります。
おひとりさまだと、いざ医療や介護で第三者の手が必要になっても、すぐに頼れる人がいないという心配もあります。
身体の自由が効かなくなってから、自分で医療や介護サービスの情報を調べて手配をするのは困難なため、元気なうちから終活をしておいた方が安心です。

 

おひとりさまの終活はいつから始めるべき?

結論から言うと、終活はいつから始めても構いません。
そのため「何歳から」と年齢にこだわらず、自分が「終活をしてみよう」と思い立った時に始めるが良いでしょう。

 

一般的には、定年退職で時間ができたタイミングや、年齢的に身近な人の病気や死に遭遇する機会が増えてくる60~70代で終活を始める方が多いようです。
最近では、セカンドライフの備えることを目的として、40代や50代で「老前整理」を始める方も増えています。
このように、終活を始める時期は人それぞれです。

 

ただし、終活は自分の身に何かが起こる前に始めておく必要があります。
ご自身が60代を超えているのであれば、ご両親も80代もしくは90代以上の方がほとんどでしょう。
兄弟姉妹がいない方は、両親が亡くなると身寄りもいなくなってしまいます。
おひとりさまは医療、介護面で頼れる人もおらず、孤独死のリスクも高まってしまうため、できるだけ早めに終活をスタートするのがおすすめです。

 

【関連記事】終活の意味とは?いつから始める?おすすめのやり方とメリット

 

おひとりさまの終活では何をやるべき?詳しい内容を紹介

では、おひとりさまの終活とは具体的にどんなことをするのでしょうか?
以下に、具体的な内容を箇条書きでまとめました。

 

〈おひとりさま終活でやっておきたいこと〉
① エンディングノートを作成する
② 財産整理をする
③ 身の回りの物を整理しておく
④ お墓や葬儀の生前予約をしておく
⑤ 孤独死対策を行う

 

次に、それぞれの項目について詳しく解説していきます。

 

①エンディングノートを作成する

エンディングノートとは、自分の要望や伝えたいことを書き記しておくノートです。
個人情報や財産の内容、医療や介護についての要望、家族や友人へのメッセージなどを自由に書き留めておけます。

 

また、エンディングノートに自分史のページを作成すれば、これまでの人生の振り返りやこれからの人生の目標も決めやすいでしょう。
自分にもしものことがあった時に家族や周囲の人に意思を伝えられるというメリットもあるので、おひとりさまが終活を始めるのであれば、まずはエンディングノートの作成から取り掛かるのがおすすめです。

 

〈エンディングノートに書く項目一覧(一例)〉
・個人情報(生年月日や血液型、親族図など)
・友人・知人の連絡先(なにかあった時に連絡してほしい人など)
・財産の情報(預貯金の残高や銀行名、所有している財産の内容など)
・家族や友人へのメッセージ
・ペットの情報(かかりつけの病院、好物、世話を任せたい人など)
・加入している保険の情報(医療保険や生命保険の証券番号、家財保険の加入の有無など)
・医療や介護についての希望(延命措置の希望、入居したい介護施設の種類、介護を任せたい人など)
・葬儀やお墓についての情報(宗教・宗派、葬儀形式の希望、お墓の有無など)

 

【関連記事】エンディングノートとは何?メリットやオススメの選び方と書き方を解説

 

②財産整理をしておく

終活という言葉の普及とともに「生前整理」を行う人も増えました。
生前整理とは終活の一環で、家族や親族間の相続トラブルを回避することを目的として、生きているうちに財産関係を整理する作業を指します。
通常は、故人の財産は家族や親族が相続しますが、身寄りのないおひとりさまの場合、遺言が遺っていないと財産は国庫に入る決まりです。
寄付を希望していたり、お世話になった人に財産を譲りたいなどの意思があったりすれば、遺言書を作成しておきましょう。

 

遺言書の作成にあたっては、まず自分の財産の内容を把握しておく必要があります。
まずは「財産目録」というリストを作成し、どんな財産がいくらぐらいあるのかを確認しましょう。
そのうえで、誰にいくら相続したいか、どのように活用したいかといった具体的な遺言の内容を決め、遺言書を作成するのがおすすめです。
遺言書は、自筆で作成するだけだと法的な効力が弱く、改ざんの可能性もあります。
そのため、遺言書で書きたい内容が決まったら、公証役場で手続きをしておくのがおすすめです。

 

ワンズエンディングのこちらの記事でも、生前整理の定義や必要性、具体的な進め方について解説しています。

 

【関連記事】生前整理とは?必要性はある?進め方を徹底解説

 

老後をおひとりさまで過ごすとなると、莫大なお金がかかります。
今後の介護、医療費、住居費、生活費の管理を行ううえでも財産整理は重要です。
財産の内容や金額は年月が経つと変わる可能性が高いため、一度だけでなく、定期的に見直すことをおすすめします。

 

任意後見制度の手続きを行う

任意後見制度とは、判断能力が低下した時に備えて、自分の財産の管理や身の回りの支援をお願いしたい後見人を元気なうちに決めておく契約です。
任意後見の候補者は自由に決めることが可能となっており、自分の子どもや孫だけでなく、義理の子どもや親しい友人、法人など、血縁関係がなくても問題ありません。

 

将来的に判断能力が衰えたときに備えておくことができるため、財産の管理や医療・介護面で不安があるおひとりさまの方は、制度の利用を検討されてみてはいかがでしょうか。

 

③身の回りの物の整理をしておく

おひとりさまの終活で財産の整理と並行して行っておきたいのが、身の回りの不用品の整理です。
加齢で体力が衰えてくると、身の回りの物を整理したり処分したりするのが大変になるため、元気なうちから少しずつ取り掛かっておくことをおすすめします。

 

実家の家財整理も忘れずに

日本では、核家族化や都市への移住が進んだことで、年々空き家が増加しています。
「親や親族から不動産を相続したものの、誰も住んでおらず手入れや管理が行き届いていない」という人や「配偶者と死別して一人暮らし用のマンションに引っ越した」などの事情で空き家を所有している人は、できるだけ早く整理をしておきましょう。
空き家は、放置すると倒壊や放火、不法投棄のリスクがあります。
放置したまま亡くなると、売却手続きや名義変更の際に親族間でトラブルが起こるかもしれません。

 

そうはいっても、遠方に住んでいて現地まで出向くことができない、手続きが難しいといった理由から、空家整理がなかなか進まない人も多いでしょう。
おひとりさまの場合、荷物が多すぎて自分だけでは手が回らないというケースも少なくありません。
このようなときは、空家整理サービスを提供する専門の会社の作業を依頼するのもひとつの方法です。

 

当社ワンズワイフでは、空家整理のご依頼も受け付けております。
遺品整理業のノウハウと豊富な経験を活かし、室内に残された家財の仕分け、貴重品の捜索、清掃など、空家整理に関するさまざまな作業の代行が可能です。
また、オーナー様の持ち出しなしで不動産を売却するスキームもご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

 

④お墓や葬儀の生前予約をしておく

自分の葬儀を頼める人がいないおひとりさまは、葬儀の生前予約をしておくのがおすすめです。
あらかじめ葬儀の方針を決めて契約しておけば、自分の希望に沿ったお葬式があげられます。

 

また、おひとりさまが終活を行うなら、お墓についても考えておきましょう。
先祖のお墓に入れない場合や、管理してくれる人がいないという人は、永代供養墓を契約するという手もあります。
樹木葬や散骨葬など葬送の形もさまざまですので、希望がある方は生前予約しておくといいでしょう。

 

【関連記事】自然葬とは?散骨葬や樹木葬などの新しい葬送の形

 

死後事務委任契約を利用する

死後事務委任契約とは、本人が亡くなったあとに必要な葬儀、納骨、埋葬、相続などの諸手続きを、第三者に委任しておく契約のことです。
先ほどご紹介した任意後見制度は、本人の存命中に財産や身の回りの支援を行う制度のため、本人が亡くなってしまうと契約が消滅します。

 

一方、死後事務委任契約は、本人が亡くなったあとの財産管理や事務手続きが可能です。
そのため、任意後見制度と死後事務委任絵契約を同じタイミングで結んでおくと、生前から死後の手続きがスムーズに進むというメリットがあります。

 

⑤孤独死対策を行う

おひとりさまの人は、突然体調が悪くなったり倒れたりしても助けを呼びにくいため、孤独死につながってしまう危険性があります。
訪問型の介護や看護サービス、安否確認サービスなどを積極的に利用し、万が一の事態に備えることが大切です。

 

自宅に直接訪問してもらう形以外にも、電気ポットの使用状況で安否を確認するセンサー式の見守りサービスも登場しています。家族や親族と離れて暮らしているおひとりさまは、こういったタイプの見守りサービスを活用するのも良いでしょう。

 

自治体のサポートについての情報もチェックしておく

最近では、企業だけでなく、自治体でもおひとりさまの孤独死を防ぐ取り組みに力を入れています。
たとえば、地域での集いや交流の場が設けられたり、民生委員やNPO団体と連携しておひとりさま世帯に定期的な声かけや電話連絡を行ったりしています。

 

自治体が主体となっている取り組みは、民間企業のサービスよりも安い費用や無料で利用できることも多いため、金銭面に不安があるおひとりさまにもおすすめです。
気になる方は、各自治体のホームページや広報紙でどんな支援活動が行われているか確認してみましょう。

 

まとめ

おひとりさまは年々増えつつあります。
今は家族と暮らしている方でも、何かのきっかけでおひとりさまになるかもしれません。
この機会に、なぜおひとりさまにも終活が必要なのか、具体的にどんな準備をすべきなのかを知っておきましょう。
終活は「何歳から始めるべき」と決まっているわけではありませんが、孤独死やケガ・病気のリスクを考えると、おひとりさまは早めに終活を始めておくのがおすすめです。

 

ワンズワイフでは、遺品整理のほか、施設への入居や長期の入院により財産を整理される方の生前整理、空家整理のご依頼も受け付けております。
今回の記事でもご紹介した通り、周囲に頼る人がいないおひとりさまが安心して老後を過ごすためには、お墓や葬儀の生前予約、訪問型介護、見守りサービスなど、上手く“人の手”を借りることが大切です。
終活を始めるにあたり、健康上の問題で生前整理のサポートが必要な方、空家整理をご自身で行うのが困難だと感じた方は、一度整理専門会社のサービスのご利用を検討されてみてはいかがでしょうか。

 

この記事を書いた人
One's Ending編集部
関東の遺品整理専門会社(株)ワンズライフのメディア編集部です。 遺品整理、生前整理、空家整理に関することから、終活、相続税に関することまで。人生のエンディングにまつわる、役に立つ情報やメッセージをお届けしていきます。
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