2021.06.23
映画『お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方』に見る終活
2021年5月21日「終活」を題材にした映画『お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方』が公開されました。
この映画では終活に向き合い始める夫婦の騒動がコミカルに描かれており、人生百年時代をどう生きていきたいのか、これからの自分の人生を見つめ直すきっかけを与えてくれる作品です。
今回は、映画『お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方』に見る終活について、世代を問わずに知っておきたい終活の考え方や大切なポイントをご紹介します。
ある夫婦の終活の行く末を描いたヒューマンコメディ映画が公開
『お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方』は、熟年離婚寸前のある夫婦が些細なきっかけから「終活」と向き合い、周囲を巻き込みながら今後の人生について考えていくハートフルヒューマンコメディ映画です。
ベテラン俳優の橋爪功さんと高畑淳子さんが終活と向き合う大原夫婦を演じ、夫婦が終活を意識するきっかけとなった終活フェアを案内する葬儀社の青年・菅野は、エンターテイメント集団「BOYS AND MEN」の水野勝さんが演じました。
脚本・監督を務めた香月秀之さんはこの映画について、「これからの人生をどう生きるかの再出発の原点」をテーマにしているといいます。
「終活」と聞くとシリアスなイメージを抱く方も多いかもしれませんが、この映画で描かれているのは「楽しく過ごせる人生」を目標とした終活です。主演の水野さんは映画の完成披露報告会にて「世代を選ばない映画ができた」と話しており、親子二代、三代でも楽しめるハートフルな作品に仕上がっています。
終活は人生百年時代を生きる我々が知っておきたい”教養”
一般的に「終活」といえば、葬儀やお墓、遺言状など人生の終わりに向けた事前準備を想像する方が多いでしょう。
しかし、終活は単なる「人生の終焉に向けての準備」だけにとどまらず、あらためて自分自身を見つめ直し、これからの人生を自分らしく生きるための活動でもあるのです。
映画『お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方』でも、人生のエンディングだけにスポットが当てられているのではなく、「人生百年時代と呼ばれる今をどう生きるか」が大きなテーマとなっています。
この映画にて終活セミナーに登場する一級葬祭ディレクターを演じた松下由樹さんは、セミナーシーンを演じるにあたり実際の終活セミナーをその場で見ながらレクチャーを受けたそうです。
松下さんはこの経験を撮影での印象的なエピソードとして挙げており、インタビューにて
「”終活”に対して興味深く思いましたし、知っておくことは大事なことなのかもしれないなと思ったのがすごく印象的でした」
と話しました。
また、50代の松下さんはこの映画について、
「私たちより上の世代の方にご覧いただきたいのはもちろんですが、私たちの世代にもとても現実的で大事なことのきっかけを得られる映画なんじゃないかな」
とも話しています。人生百年時代と呼ばれる世界有数の長寿国・日本において、終活の考え方は世代を問わず現代を生きる我々が知っておきたい教養になっていくのではないでしょうか。
終活には家族間のコミュニケーションが大切
映画『お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方』に登場する大原夫婦は喧嘩ばかりの日々を送っており、妻・千賀子が今後のことを前向きに考えようとしても、夫・真一はなかなかまともに取り合おうとはしません。
しかし、長女・亜矢や葬祭ディレクター・桃井など周囲を巻き込みながら、すれ違いばかりだった夫婦が少しずつ歩み寄り、互いに「終活」という共通のテーマに向き合うようになっていきます。
この映画でも描かれているように、終活を進めていくうえでは夫婦間や親子間のコミュニケーションが欠かせません。
自分が何を伝えたいのか素直に話す時間を作ること、そして自分の考えを相手に押し付けず、相手のペースを受け入れる必要があります。
終活は誰かに勧められて始めるよりも、自分の意思やタイミングで始めるのが最善です。
映画の中でも長女が親に対しまず勧めたのは終活フェアに行くことであり、終活そのものを勧めたわけではありません。
誰だって人生の終焉を考えるときには、その人なりの「ありがとう」があります。
自分の思いを生きているうちに伝えるには、家族間でのコミュニケーションを日頃から意識しておくことが大切です。
まとめ
「終活」といえば人生の終わりに向かう準備、終い支度をイメージするかもしれません。
しかし、終活に含まれる意味合いはそれだけではなく、「人生のエンディングを意識しながら、これからの人生を自分らしくよりよく生きていくための準備」という考え方も含まれています。
映画『お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方』は、「これからの人生をどう生きるかの再出発の原点」がテーマ。
人生百年時代と呼ばれる今をどう生きていくのか、百年先も楽しく生きるためには何ができるのか、世代を問わずに考えさせられる作品です。
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