2018.10.10 (2022.01.18 One's Ending編集部 加筆)
デジタル終活の進め方!スマホやパソコンの整理方法
今やパソコンやスマホは、日本人の生活に欠かせない必須アイテムになっています。
インターネット上で買い物も支払いもできるほか、外国為替証拠金(FX)や仮想通貨など、投資や金銭の取引も行うことができる便利な道具です。
しかし、それらは画面の中だけでやり取りされるため、何を行っているか家族に知らせていなければ、その存在に気づかれることがなく、死後に大変な損害が発生する場合があります。
遺族に迷惑をかけないためにも、生前からデジタル終活を始めましょう。
この記事では、デジタル終活の進め方と、スマホやパソコンの整理方法などを詳しくご紹介いたします。
デジタル終活とは
デジタル終活とは、パソコン・スマホなど電子機器のなかやインターネット上にあるデータを、自身の死後を想定して整理することです。
一般的な終活は高齢者が行うイメージが強いかもしれませんが、デジタル終活はデジタルデータやインターネットを活用するすべての世代におすすめしたい活動です。
持ち主が亡くなったあとも残り続けるデジタルデータはデジタル遺品と呼ばれ、遺族を困らせる一因となっています。
「日本デジタル終活協会」という団体が設立されているほどなのです。
デジタル終活の対象になるもの
スマホでインターネットを使っているけれど、何を終活したらよいのかわからないという方も多いでしょう。
デジタル終活の対象は主に次の2種類に分けられます。
パソコンやスマホ内に保存したデータ
パソコンやスマホ内には公的なものからプライベートな情報までさまざまなデータが詰まっています。
具体的には次のものが該当します。
・写真や動画
・送受信したメール
・日記
・資料
・アドレス帳
パソコンやスマホに保存したデータのなかには、会社関係者に引き継ぐ必要のある情報、家族に残しておきたいメッセージや写真などもあるでしょう。
反対に、人には見せられない秘密もあるはずです。
家族や知人に言えない趣味や他人への悪口・誹謗中傷、不倫相手とのやり取りなどが挙げられます。
オンライン上のデータやサービス
パソコンやスマホなどの端末以外にも、オンライン上にさまざまなデータを持っている方も多いのではないでしょうか?
以下のものが挙げられます。
・SNS(Twitter・Facebook・Instagram・ブログなど)
・クラウドストレージ(Dropbox・Evernoteなど)
・ウェブメール(Gmail・Yahoo!メールなど)
・ネットショッピング
・オンライン口座(銀行・株・FX・仮想通貨など)
・サブスクリプションサービス(Netflix・Amazonプライムなど)
パソコンやスマホ内のデータは比較的簡単に見つけられるものですが、オンライン上のデータは利用していることを知らなければ見つけられません。
また、アクセスするにはIDやパスワードが必要です。
なぜデジタル終活が必要なのか
なぜデジタル終活は必要なのでしょうか?
もし、デジタル終活をしないままあなたが亡くなってしまったら、以下のことが起こる可能性があります。
金銭的な損失
定期購読しているサービスやアプリは、一度契約すると解約しない限り毎月引き落としが続きます。
あなたが亡くなったあとも、銀行口座やカードから一定額の引き落としが続く可能性があるのです。
また、投資などを行っている場合は、株価の暴落などによって親族が損害を負うこともあります。
相続トラブル
インターネット上の銀行口座や株取引などによって、相続トラブルが起きることがあります。
家族が口座の存在を知らなければ、あなたの資産は誰にも相続されません。
もし、相続完了後に口座があることが判明した場合にも、親族間に無用な軋轢を残す可能性があるでしょう。
生前の秘密がばれる
人は誰でも他人に隠しておきたいことの1つや2つを持っているものです。
あなたが残したパソコンやスマホから、今まで内緒にしていた事柄が家族や親しい友人にばれることを不安に感じる方もいるのではないでしょうか?
アカウント情報の漏洩
「もし自分が死んだら、Twitterやブログ、FacebookなどのSNSはどうなってしまうのだろう?」と考えたことはありませんか?
結論からいえば、更新が途絶えても運営会社が独自の判断で消去することはなく、永遠にアップロードされ続けます。
そのため、亡くなった後に残されたままのアカウントが乗っ取られたり犯罪に利用されたりする恐れもあるのです。
デジタル終活の進め方
デジタル終活の必要性はわかっていても、何から始めたらよいのかがわからないという方も多いのではないでしょうか?
そこで、デジタル終活の進め方を解説します。
1.リスト化する
自分の利用しているインターネットサービスや所有しているデジタルデータを、すべて把握しているという方は少数派かもしれません。
まずは自分が持っていたり使っていたりするデジタルデータを棚卸して、すべて書き出していきましょう。
デジタルデータを書き出す際は、次の項目も一緒に記入しておくと便利です。
・内容
・保管場所
・重要度
・IDやパスワード
2.データやサービスの取捨選択
リストアップしたデータやサービスをチェックして、要るものと削除するものに分けます。
登録をしたもののほとんど使っていないオンラインサービスなどは、思いきって解約することをおすすめします。
投稿していないSNSやブログなども、アカウントを削除しましょう。
パソコンやスマホ内のデータについても、不要なものは削除します。
必要ないものを削除や解約したあと、残ったデータを次のポイントで分けましょう。
・家族に残したいもの
・隠したいもの
たとえば、オンライン上の金融取引など、お金に関する情報は家族に知らせる必要があります。
反対に、死後に明るみになって問題になりそうなデータは、確実に隠したり削除したりしておきましょう。
3.IDとパスワードの管理
残しておくと決めたデータやサービスは、IDとパスワードをしっかり管理しましょう。
万が一のときに家族がすぐにアクセスできるように、終活ノート(エンディングノート)に一覧表を作って記入しておくのがおすすめです。
端末のロックを解除できるパスワード
パソコンがパスワードで開く設定になっている場合には、パスワードをエンディングノートなどにメモしておきましょう。
ロックの解除で問題になるのは、スマホの指紋認証や顔認証です。
指紋や顔認証だと本人以外がロック解除できないため、セキュリティ解除用のパスワードなどを設定してきましょう。
オンラインサービスのIDやパスワード
オンラインサービスのIDやパスワードは、サービス名や料金、支払いのタイミングなどと一緒にエンディングノートに記載します。
合わせて、ネットバンキングや外国為替証拠金(FX)、仮想通貨の具体的な解約方法を書き出しておくと、もしものときに家族が困らないでしょう。
4.知られたくないものの隠し方
死後に絶対見られたくないが、今すぐに削除できないものはどのように隠したらよいのでしょうか?
いくら巧妙に隠しても何かのきっかけで発見されてしまう可能性があることを前提に、上手な隠し方をご紹介します。
家族が欲しい情報と隠したい情報の保存場所を分けておく
あなたが亡くなったあと、家族がすぐに欲しいと考える情報とはどんなものでしょうか?
葬儀のために以下の情報を探すはずです。
・お金(葬儀代のため)
・写真(遺影のため)
・友人や同僚の連絡先など(逝去や葬儀の案内をするため)
これらの情報がすべて揃えば、それ以上の情報を集めようとはしないと考えて、家族のためのデータと隠すデータの場所を分けます。たとえば、家族向けはスマホに、隠すものはパソコンにと、保存場所を変えて秘密を見つけにくくする方法です。
強力なロックをかけておく
パソコンのドライブを暗号化したり、強力なセキュリティ対策をしたりするのも、秘密の隠し方として有効です。
ただし、死後に家族がどのような行動を取るのかについては予想がつきません。
100%隠すのは難しいでしょう。
まとめ
パソコンやスマホのデータは、本の山のように増えてもかさばらないため、いつの間にか膨大な量になっていることがあります。
自分でも把握できないほどのデジタルデータに囲まれているケースもあるので、すぐにでもデジタル終活を始めましょう。
年に1度を目安に、誰が見てもわかるように情報の整理することをおすすめします。
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