2018.10.17 (2024.02.08 One's Ending編集部 加筆)
遺品整理業者にまつわるトラブルと回避方法
日本では高齢化に伴い、遺品整理の需要が高まっています。
その需要に対応するため、全国に約1 万社余りの遺品整理事業者が存在しているといわれています。
需要を見込んで新規参入する業者は今後も増えていくことが想定されますが、業者の増加に伴い、業者間のサービスや質に差が出るなど、揉め事に発展するケースが見られるようになってきました。
そこで、遺品整理業者にまつわるトラブルのよくある事例と、トラブルを回避する方法をお伝えします。
遺品整理サービスに関する相談件数
遺品整理サービスの需要増加とともに、遺品整理に関するトラブルの相談件数も増加しています。
PIO-NET (全国消費生活情報ネットワークシステム)によると、2013年の相談件数は73件だったものの、翌年の2014年には109件に増加。
2015年90件、2016年114件、2017年105件と近年は年間相談件数100件前後で推移していました。
それ以降のデータは公表されていないようですが、状況は大きく変わらないと推測されます。
【参考】国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」
遺品整理の主なトラブル
PIO-NETに寄せられた苦情は、「契約・解約」に関する相談が 372 件(71.3%)と最も多く、「価格・料金」(36.2%)、「販売方法」(32.8%)と続きます。
このようなトラブルを回避するために、具体的な事例と対策を以下に紹介しましょう。
事例その① 高額なキャンセル料を請求された
事業者によって、キャンセル料に伴う違約金の設定は異なります。
そのため、キャンセル料の詳細について明確な説明がない場合は注意が必要です。
なかには、高額なキャンセル料を請求する業者も存在します。金額の妥当性を巡るトラブルも実際に報告されているので、注意が必要です。
こうしたトラブルを回避するためには、契約書をよく読み、キャンセル料の詳細をしっかり確認しておきましょう。
そして、不明点があれば見積もりの段階で質問し、こちらの要望もしっかり伝えておきます。すべての条件に納得した上で契約を進めることが大切です。
事例その② 作業時に予定外の料金を請求された
遺品整理では、業者が事前に見積もりを提出し、お互いが納得した上で契約するのが基本です。
しかし、見積もり以上の料金を追加請求したり、見積もり自体を提出しなかったりする悪徳な業者も存在します。
このようなトラブルを防ぐために、以下の3つのポイントに注意しましょう。
まず、業者には必ず見積もりを提出してもらうことが1点です。
次に、「どの作業にどのくらいの費用がかかるのか」を明確にしておきます。
さらに、「当日の作業の進行具合やかかる時間によって、追加料金が発生する可能性があるか」を確認することが大切です。
この3つのステップを踏むことで、後々のトラブルを回避できます。
事例その③ 遺品を不当な価格で買い取られた
遺品整理業者のなかには中古品買取業を兼ねる事業者も少なくありません。
こうした業者のなかには、依頼者が買取相場を知らないことに付け込み、価値のある品物を不当に安く買いたたいて利益を上げようとする業者も存在するので注意してください。
特に、美術品やブランド品など高価な遺品の売却には慎重さが求められます。
売却する場合、一つ目の業者で即決するのではなく、いくつかの買取業者を回り、相場を理解したうえで一番高い値を付けた買取店に売却してください。
事例その④ 貴金属や現金などを盗まれた
まれにタンスの中や本のページの間など、意外な場所に本人が保管していた現金や貴重品が遺品整理によって発見されることがあります。
ところが、悪徳な整理業者が発見した場合、依頼者に報告をせず、黙って持ち去ってしまうことがあるのです。
こうした行為は、家族の目が届かないところで行われる傾向があります。
遺品整理業者を利用する際は、業者に丸投げするのではなく、必ず作業に立ち会うようにしてください。
できるだけ業者のそばにいて、不審な行動がないか目を光らせておきましょう。
他人の財物を故意に持ち去ることは窃盗罪にあたります。
遺品も例外ではありません。
盗難が明らかな場合は警察に通報してください。
事例その⑤ 遺品や重要書類を廃棄された
廃棄されたものを取り戻すことは、とても困難です。焼却されてしまった場合などは二度と取り戻すことができません。エンディングノート等があれば、土地の権利書や証券の証書など、重要な書類が残されていないか確認しておきましょう。
また業者が必要なものと不必要なものを区別することは困難です。必ず依頼者に確認することを徹底するほか、重要な遺品が処分されていないか、逐次作業の状況を確認しましょう。
事例その⑥ 遺品を不法投棄された
悪徳なに整理を依頼して、遺品を不法投棄されるトラブルが報告されています。
業者が回収した遺品は、自治体の規則に従って適切に処分されなくてはなりません。
許可を受けていない業者に依頼すると、正規の処分ができないため、山林などに投棄することがあります。
この場合、もちろん罰せられるのは業者であり、依頼者に罪が及ぶことはありません。
とはいえ、家族の遺品が不法投棄されるのは感情的に受け入れがたいものです。
遺品整理業者を選ぶ際は、正規の処理が行なえるを取得していることを必ず確認してください。
トラブルがおきてしまったときの対処方法
遺品整理業者にまつわるトラブルは、業者の増加とともに年々増えています。
そのため、全国の消費生活センターでも、強く注意喚起を行わっているのです。
もしトラブルに巻き込まれた場合は、相手が遺品整理資格を持つ業者なら「遺品整理士認定協会」に、それ以外の業者に関しては「国民生活センター」や「消費者庁」、「消費者生活相談室」などに相談してください。
また、弁護士、行政書士も相談を受け付けています。
悪質なトラブルで法的措置が必要な場合は、法律の専門家に相談しましょう。
一般社団法人 遺品整理士認定協会
遺品整理業の社会的役割を認識し、事業者数の増加に伴うモラル低下を是正することを目的として設立された団体です。
業界健全化のために、遺品整理士養成講座や認定試験を実施しています。
独立行政法人 国民生活センター
国民生活センターは、国民生活の安定と向上を目的に設立された国の独立行政法人です。
おもに国民生活に関する情報の提供や調査研究を行うとともに、重要消費者紛争については法による解決のための手続きを実施しています。
消費者庁
内閣府の外局です。
消費者が安心・安全に消費生活を営むことができるよう、消費者の利益の擁護や増進をおもな任務としています。
消費者相談
経済産業省が設置する相談窓口です。
法律や製品、サービス、および消費者取引に関する消費者からの相談を受け付けています。
原則電話での受付ですが、それが困難な場合、個別の相談にも対応しています。
【関連記事】遺品整理業者って、不用品回収や便利屋とどう違うの?
【関連記事】遺品整理は自分でする?業者に依頼?体験談から考えるオススメのやり方
遺品整理業者の選び方
遺品整理業者は全国に多数あり、何を基準に選べばよいか迷ってしまう方も少なくありません。
信頼できる業者を選ぶには、以下に挙げるポイントを参考にしてください。
遺品整理士の資格を持つスタッフがいる
一般社団法人遺品整理士認定協会では、「遺品整理士」という資格を認定しています。
これは民間の資格であり、必ずしもこの資格が遺品整理業に求められるわけではありません。
しかし、遺品整理士資格を持つスタッフが在籍する遺品整理業者の方が、そうでない業者より、遺品整理に関する正しい知識と技術を持っている可能性は極めて高いので安心できる業者だといえるでしょう。
優良企業の認定を受けている
遺品整理士認定協会では、適切な業務と優れたサービスを提供する業者を「優良企業」として認定しています。
業者選びの際はこの認定に注目してください。
優良企業認定業者は同協会の基準をクリアした業者なので、悪徳業者にまつわるようなトラブルのリスクは極めて低いといえます。
見積もり
良心的で信頼できる業者は、契約前に詳細な見積もりを出してくれます。
無料で現地を訪問し、料金がいくらになるのか、その内訳や詳しい理由まで丁寧に説明してくれます。
もちろん、後から追加費用を請求されたりといった心配はありません。
後々のトラブルを避けるためにも、最初に明瞭な見積もりを提示してくれる業者を選びましょう。
【関連記事】遺品整理を業者に頼むメリット7つ。デメリットや業者の選び方も紹介
遺品整理にはよい業者選びが不可欠
遺品整理業界はまだ法整備が十分に進んでいないため、遺品整理業者は玉石混淆な状況です。
トラブルに遭わないためには、まずよい業者選びが大切。
遺品整理士の在籍や優良企業としての認定などをポイントに、遺品整理の実績を積んだ信頼できる業者を選びましょう。
当社ワンズライフは、故人様を尊重し、ご依頼者様の気持ちに寄り添う遺品整理をモットーとしています。
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