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2021.07.26

相続税の延滞税~計算方法や納付期限について解説

相続税が定められた期限までに納付されない場合には「延滞税」というペナルティが課せられます。

延滞税はどのようなときに課税されるのでしょうか。知っておきたい相続の税金知識として、延滞税の基本や計算方法、相続税の納付期限についてご紹介します。

相続税における延滞税とは納付遅延へのペナルティ

相続税における滞納税は、定められた期限(法廷申告期限)を過ぎてから相続税を納付したときのペナルティです。
国税庁が発表した「令和元年度租税滞納状況」によると、令和元年度に新規発生した相続税の滞納御額は275億円で、滞納整理中の総額は572億円となっています。
ルールを守って相続税の納付をすれば、支払う税金は相続税だけですが、忙しいからと相続税の納税を後回しにし、定められた期限を過ぎてしまうと、ペナルティとして延滞税がプラスされてしまいます。

相続税の申告と支払いは期限内に終わらせなければならない

相続税の申告は「被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10カ月以内」という手続き期限が定められています。
たとえば、亡くなったのが2月5日だとすれば、相続税の手続き期限は同年の12月5日です。
だし、12月5日(手続き期限の最終日)が土日祝日の場合は、これらの日の翌日が手続き期限となります。

被相続人が亡くなったことを知ったのが遅かった場合

相続税の手続き期限のポイントは「亡くなったことを知った日から」という文言が使われているところです。
相続ケースの中にはすぐに被相続人の死を把握できないケースもあります。

 

たとえば、生まれてから一度も会ったことがなく、連絡すら取り合ったことのない伯父がいたとして、この伯父の相続人に甥がなった場合、甥が伯父の死や自分が相続人であることすら知らずに期限を過ぎてしまうかもしれません。
このようなさまざまなケースに配慮するため「亡くなったことを知った日から」という文言が使われています。

相続税で延滞税が発生した場合、延滞税申告は必要なのか

相続税は、申告の際に税額を計算し、相続税の資料を添付しますが、相続税が定められた期限までに納付されずに「延滞税」がかかった場合、延滞税も相続人が自分で計算しなければならないのでしょうか。

結論から言うと、延滞税は相続人が自分で計算する必要はありません。
定められた期限までに納付されない場合には、原則として法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて、利息に相当する延滞税が自動的に課されます。

延滞税を自分で計算してあらためて申告手続きをする必要はなく、税務署で計算を行い、延滞税の支払い義務者に請求します。
相続税は申告が必要ですが、延滞税については申告不要となります。

相続税で延滞税が課されたときの計算方法と税率

相続税の延滞税は、納付する日までの日数に応じて、税額が多くなります。
遅延が1カ月の場合と3年の場合では、基本的に3年遅刻したときの方が税額は大きくなります。

 

延滞税の税率と計算方法について基本的な事項を順番に見ていきましょう。

相続税で延滞税が課されるときの税率

相続税の延滞に対するペナルティである延滞税は、年によって税率が変動するという特徴があります。
金融機関からお金を借りたときに金利が変動するケースを想像するとわかりやすいのではないでしょうか。

 

令和3年(2021年)の延滞税の税率は、法定納期限から納付するまでの日数によって2種類定められています。

 

【納期限の翌日から2月を経過する日まで】
「年7.3%」と「特例基準割合+1%」のいずれか低い割合

 

【納期限の翌日から2月を経過する日の翌日以後】
「年14.6%」と「特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合

相続税で延滞税が課されるときの計算方法

延滞税の税率は、2カ月以内の部分については2カ月以内の税率を使い、2カ月を超えた部分については2カ月超の税率を使って計算し、ふたつの計算結果を合わせます。

 

たとえば800万円の相続税を期限までに納付しなかった場合は、800万円に対して延滞税が課されます。
800万円のうち400万円を期限までに納付した場合は、未納の400万円に対して延滞税が課されます。

 

相続税の延滞税は税率と相続税の遅滞分(期限までに納付しなかった分)、そして遅滞の期間を使って算出します。

相続税を延滞してしまった場合に注意すること

相続税や延滞税などの税金は、計算や手続きに専門知識を要します。
そのため相続税や延滞税の課税時にわからないことも出てくるかもしれません。
相続税を延滞してしまった場合に注意することを3つご紹介します。

相続税の延滞税について分からないことは税理士や税務署に確認する

相続税や延滞税の手続きや納付について、わからないことがあれば自分で判断せず、税金の専門家に相談することが重要です。
不安なことやわからないことがあれば自分で判断せず、税務署や税理士などの専門家に確認をしてください。

 

また、納税資金の調達が間に合わない場合など、相続税を分割で支払う「延納制度」や「物納」などの方法もありますので、まずは税理士や税務署に相談してみましょう。

相続税の延滞をした場合、どんどん金額が膨らむため早めに納付する

相続税が定められた期限までに納付されずに、延滞税が課せられて、さらに延滞税を納付しなかった場合、さらに延滞税がかかることはありませんが、相続税の納付がされなければ、その分だけ延滞税が累積でどんどん増えてしまうため、早めに納付しましょう。

新型コロナなどを理由に相続税期限の延長をした場合の延滞税に注意

新型コロナの感染拡大により、相続税手続きの期限延長措置が行われています。
新型コロナなどを理由に手続き期限延長をした場合は、期限が伸びるため、即座に延滞税が発生するわけではありません。

 

新型コロナなどによる相続税の手続き期限延長や期限延長時の延滞税の計算については、税務署や税理士に確認を取りましょう。

まとめ

相続税の納付が遅れると、延滞税がどんどん増えてしまいます。
延滞に気づいたときは、早めに税務署や税理士に確認して、納付を行いましょう

この記事を書いた人
One's Ending編集部
関東の遺品整理専門会社(株)ワンズライフのメディア編集部です。 遺品整理、生前整理、空家整理に関することから、終活、相続税に関することまで。人生のエンディングにまつわる、役に立つ情報やメッセージをお届けしていきます。
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