孤独死を防ぐために、今からできることのイメージ画像

2018.09.25

孤独死を防ぐために、今からできること

単身世帯の高齢者が年々増加しています。2017年の国勢調査によると、一人暮らしの高齢者は386万世帯、2000年に比べ27.5%も増加していることが分かりました。東京都監察医務院が公表しているデータによると、東京23区内における一人暮らしで65歳以上の人の自宅での死亡者数は、2003年には1,451人でしたが、年々増え続け、2014年には2,891人に増加しています。内閣府の平成28年度版高齢社会白書をもとに高齢者の心理を分析し、孤独死を防ぐ方法を検討しました。

孤独を好む日本人

孤独に似た言葉に孤立と言う言葉があります。孤立は「トンネルの崩落により村が孤立した状態」と言う使われ方をするように、意図せず他から離れて繋がりや助けのないことを指します。対して孤独は仲間や身寄りがなく一人でいる状態であり、多くは自らが作り出している状況を指します。

 

作家の五木寛之さんが、近著『孤独のすすめ~人生後半の生き方』(中公新書ラクレ、2017年)の中で、『歳を重ねるごとに孤独に強くなり、孤独のすばらしさを知る。孤立を恐れず、孤独を楽しむのは、人生後半期のすごく充実した生き方のひとつだと思う』と述べています。

 

日本では、会社や学校といった組織の中で集団行動が求められるため、群れから孤立しない努力が必要ですが、定年後は所属意識が薄れ、人間関係がシンプルになります。無用な付き合いや、人の目を気にした行動ではなく、自分が求める場所に所属し、孤独を楽しむことは、決して悪いことではありません。

孤立(孤独)のリスク

ただし近年、海外では孤独や孤立が健康を脅かす主要なリスクであることを明らかにする研究結果が報告されています。米ブリガム・ヤング大学のホルト・ランスタッド教授たちは、「孤独感」「社会的孤立」「一人暮らし」が高齢者の死亡リスクを高める可能性を明らかにしました。孤独(孤立)は、肉体的・精神的に大きな影響を与える「健康問題」でもあり、自らの選択により心地よいと感じていても、長期的にはリスクがあると言われています。

 

イギリスでは、孤独委員会を発足。孤独や孤立は肥満や大量な喫煙よりも健康に与える影響が大きいとし、それらの問題を解消すべく「孤独担当大臣」の職を新設しました。孤独委員会や経済界、慈善団体と協力しながら、政府としての戦略を策定する役割が求められています。

孤立(孤独)に陥りやすい状況

総務省の調べによると「地域での付き合いの程度」について、60歳以上の高齢者で「人づきあいがある」と回答した人は、女性80.7%に対して男性73.8%となり、「まったく付き合いがない」と答えた人は、女性2.9%に対し、男性が4.1%を占めるなど、男性の方が人との交流を苦手としていることが分かりました。孤立(孤独)に陥りやすい男性は次の3つの傾向が見られます。

 

1.かつての企業戦士

日本人男性は、無償で奉仕するボランティアに消極的と言われていますが、名称を「コーディネーター」や「リーダー」にすると、高齢男性の参加率が上がると言う笑い話があるほど、定年後も肩書を求める傾向があります。現役時代と定年後のギャップを受け入れられない場合は、周囲と調和が図れず孤立してしまいます。また逆に現実を受け入れた場合でも、それを引け目に感じて引きこもってしまうこともあります。

 

2.コミュニティーが形成できない人

「ママ友」や「井戸端会議」などの言葉があるように、女性は比較的コミュニケーション能力に長けています。しかし男性は人づきあいが苦手な人が多い上に、退職や失業などにより社会的コミュニケーションへの参加を拒否することが多く、孤立を助長してしまいます。地域で孤立すると困っても助けてくれる人がいないため、死後数日経ってから発見されることも少なくありません。

 

3.病気や経済的理由により貧困に陥った人

病気で働けない、突然の倒産や定年により人生設計が狂う、年金受給年齢の引き上げなど、健康状態や経済状態が悪化した場合は社会的交流が絶たれやすくなります。定年後に熟年離婚したり、早くに伴侶を亡くして一人暮らしを強いられる場合も気分が落ち込み、社会との断絶を招きやすくなります。

 

孤独死を防ぐために、今からできること

孤独死を防ぐためには、「孤独」や「孤立」した状態を作り出さないことが一番です。そのための方法をいくつか紹介します。

ミドル 女性

 

➀挨拶をする

挨拶はコミュニケーションの基本です。ご近所はもちろん、いつも散歩中にすれ違う人や、商店の方とも挨拶をかわしましょう。相手に興味を持つことで、自分の意識も変わりますし、病気などで動けなくなった場合でも気にかけてくれる人がいることで、早期に発見されることが期待できます。

 

➁趣味を持つ

趣味は心を豊かにしてくれます。人づきあいが苦手な人も「趣味」という共通のワードを持つことで会話が弾み、サークルなどのコミュニティーへの参加に繋げることができます。

 

➂SNSを上手に活用

高齢者の26.0%がパソコンやスマートフォンで情報を得るなど、今や生活の中にICT が浸透しています。特にSNSは情報を収集できるだけでなく、遠く離れた人や、日常的に出会うことがない人との会話を楽しむことができるため、世代を問わず広がりを見せています。

 

SNSは孤独や孤立を防止する一方で、SNSを通してでなければ人と接することができないと言う新たな「孤独」を招く要因にもなりました。また依存性が高く、返答が気になったり、誹謗中傷を受けたりするなど、ストレスを引き起こすこともあります。SNSは節度を持って適度に利用してください。

 

➃家族、親戚と連絡をとる

内閣府の調査によると、65歳以上の一人暮らし高齢者のうち、男性41.0%・女性58.2%が、「病気などの時に、子に看護や世話を頼みたい」と希望していると報告しています。「子供の世話にはならない」と突っぱねたところで、やはり頼りになるのは子供たちです。家族がいる方は、日頃より定期的に定期的な連絡をとる習慣を付けておきましょう。

 

企業が行っている安否確認サービス

一人暮らしの増加に伴い、複合サービスによる見守り・安否確認、センサー・機器による見守り・安否確認、オート電話・メールによる見守り・安否確認など、様々な高齢者向けサービスが提供されています。災害時に役立ちますし、いろいろな事情があって家族を頼れない人も、利用を検討してみるのもいいでしょう。

 

また電気ポットやエアコンなど、しばらく利用がないことを検知して家族などに報告する遠隔機能付家電も売り出されています。

 

➄家の中を整理しておく

家の片づけは面倒なものですが、放っておくと家じゅうが物で散乱する「ゴミ屋敷」状態になります。そのような状態では人を招けなくなったり、外出までおっくうになるなど、いいことは何もなく、さらにモノやゴミが溜まってしまうという悪循環に陥ってしまいます。ゴミ屋敷にしてしまうのは男性に多いと思われがちですが、実は物を捨てられない女性の方が、整理整頓が苦手と言われています。高齢者になると訪問介護や訪問看護を利用するなど、他人が家に入ることが多くなります。また突然の死などにより誰かに遺品整理を委ねるケースも現れます。万が一の時に自分も周囲も困らないように家の中の整理や身辺整理をしておきましょう。 

 

人との交流で救える命がある

単身世帯の高齢者の4割の人が、孤立死(孤独死)を身近な問題と感じているにも関わらず、UR住宅約75万戸において、65歳以上の単身居住者が、孤独死と思われる死を遂げた件数は、140件(2014年度)となっています。その中には、誰かと繋がりを持っていれば落とさなくて済む命も含まれていたと思います。

 

人には必ず死が訪れますが、誰にも看取られず、死んでいることすら気づかれない終焉は寂しすぎます。日頃から周りに関心を持ち、さまざまな年代の人たちや価値観を持つ人たちとのコミュニケーションスキルを身につけることを心がけてください。

 

この記事を書いた人
One's Ending編集部
関東の遺品整理専門会社(株)ワンズライフのメディア編集部です。 遺品整理、生前整理、空家整理に関することから、終活、相続税に関することまで。人生のエンディングにまつわる、役に立つ情報やメッセージをお届けしていきます。
ワンズライフ公式サイトはこちら 無料見積もりはこちら

ワンズライフのサービス

  • 遺品整理
  • 生前整理
  • 空家整理
  • 無料見積り
  • 取材・講演会お問い合わせはこちら

SNSで記事更新や最新情報をチェック!

お役立ち情報を配信 人気記事をもれなくチェック

ワンズライフのサービス

  • 遺品整理
  • 生前整理
  • 空家整理
  • 無料見積り