2025.11.14
過去帳とは~書き方や使い方、位牌との関係を解説
過去帳は、亡くなった方の戒名(法名)や没年月日などを書き記した帳面です。宗派や地域によって扱い方は異なり、特に浄土真宗では位牌の代わりとして用いられることもあります。
この記事では、過去帳の書き方や使い方、位牌との違いや関係性についてわかりやすく解説します。
過去帳とは
過去帳(かこちょう)とは、ご先祖様の戒名(法名)や没年月日、没年齢などの情報を記録する帳面です。単なる故人の記録帳ではなく、そこにはご先祖様が歩んできた人生の足跡が記されており、自分自身のルーツを知る手がかりにもなります。浄土真宗においては位牌を作らないため、代わりに過去帳を仏壇に安置することがあります。
過去帳の素材は布張りのものが多いですが、木製や漆塗りなど素材や装飾にこだわったものもあり、表紙のデザインも多種多様です。家庭用の仏壇に収まるよう小ぶりなサイズが多く、仏壇・仏具店やインターネット通販などで購入できます。

過去帳の書き方と使い方
過去帳は誰が書いても問題なく、家族の代表者が心を込めて記したり、仏壇・仏具店や菩提寺に依頼したりする方法があります。正しい情報を丁寧に記すことで、ご先祖様への敬意を形に表すことができます。
ここでは、過去帳に記入する内容と使い方についてご紹介します。
過去帳に記入する内容
過去帳に記入する主な内容は次のとおりです。
• 没年月日(亡くなった年月日)
• 故人の戒名・法名
• 俗名(生前の名前)
• 没年齢(亡くなった年齢)
故人の戒名・法名を中心として3行で書くことが多く、1行目に没年月日、2行目に戒名(または法名)、3行目に俗名と没年齢を記入するのが基本的な書き方です。ただし、すでにご先祖様が記されている過去帳を引き継いで使う場合は、その記載形式に合わせて体裁を整えるのが望ましいでしょう。
一方、過去帳を新しく作成する場合は、宗派によって書き方が異なる点に注意が必要です。不安であれば、菩提寺などに相談しながら進めることをおすすめします。
なお、書き損じた場合は、その箇所に和紙を貼り、その上から書き直すという方法があります。書き損じが多く、修正箇所が目立つ場合には、新しい過去帳を買い直すのも一つの選択肢です。
表紙の書き方
過去帳の表紙には、以下のように記入するのが一般的です。
• ◯◯家過去帳
• ◯◯家先祖代々
• ○○家先祖代々之霊(浄土真宗以外)
家の名前を入れずに「過去帳」とだけ書いても問題ありません。
過去帳の使い方
過去帳は「過去帳見台(かこちょうけんだい)」という専用の台を用意し、その上に安置するのが一般的な使い方です。見台には角度がついているため、ページを開いても安定して立てかけることができます。過去帳を購入する際に、表紙の素材やデザインに合う見台も一緒に揃えておくとよいでしょう。
過去帳を仏壇に置く際は、ご本尊が隠れないように配置するのがマナーです。ただし、過去帳が位牌の代わりとなる浄土真宗を除いて、多くの家庭や他宗派では普段は仏壇の引き出しに保管し、命日や法要の際に故人のページを開いて見台に置くという使い方がされています。
位牌との違いと関係性
過去帳と位牌にはどちらも故人の情報が記されていますが、その役割や使い方には明確な違いがあります。
ここでは、過去帳と位牌の関係性についてご紹介します。
過去帳と位牌の違いはどこにある?
位牌とは、故人の戒名や没年月日などを記した木の札のことで、亡くなった方の魂が宿るものとされています。一方、過去帳はこれまでに亡くなったご先祖様の情報を記録するものであり、位牌とは異なり「魂が宿る」という概念はありません。位牌は毎日手を合わせる対象として象徴的な存在となりますが、過去帳はどちらかといえば記録簿のような役割を持ち、命日や年忌法要の際に確認・使用することが多いのが特徴です。
過去帳と位牌の関係性〜浄土真宗の場合
浄土真宗においては、故人はすでに阿弥陀如来のもとで仏となっていると考えられています。亡くなった時点で成仏されることから、この世に魂が帰ってくるという考え方はなく、魂が宿る場所である位牌は必要ないとされています。そのため、浄土真宗では位牌の代わりとして、ご先祖様の法名や命日などを記録した過去帳を仏壇に安置することがあります。
ただし、過去帳はあくまで記録を目的としており、位牌のように故人の魂が宿るものではないため、信仰の対象とはされません。
まとめ
過去帳とは、故人の戒名(法名)や没年月日などの情報を記録する帳面のことで、家族の歴史や自身のルーツを知る手がかりにもなるものです。書き方に厳密な決まりはなく、家族の代表者や菩提寺の住職、購入先の仏壇・仏具店など、誰が書いても良いものとされています。位牌を作らない浄土真宗では、それに代わる存在として過去帳を用いることがあります。
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