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2022.09.14

たばこのヤニは!?不動産賃貸における連帯保証人の責任範囲

賃貸物件を退去する際は、部屋の中を原状回復の状態にしておく必要があります。
長年の暮らしの中で劣化していくものは貸主(大家)側の負担となりますが、たばこのヤニで部屋中が黄色くなってしまったというような場合、退去時の原状回復費用は誰が持つことになるのでしょうか。

また、不動産賃貸の契約では、多くの場合にて連帯保証人を付けることが求められます。
連帯保証人には契約者である借主と同等の責任があり、何らかのトラブルが発生した際はその責任を負わなければなりません。

今回は、不動産賃貸における遺品整理の事例をもとに、連帯保証人が負う責任の範囲について解説します。

【事例】不動産賃貸の遺品整理〜ご依頼者様は「連帯保証人」

遺品整理・生前整理の専門業者「ワンズライフ」では、単なる片付けにとどまらず、故人様やご遺族様の想いに寄り添う作業を行なっています。
今回ご紹介するのは、賃貸物件にて長年一人暮らしをされていた方の遺品整理の事例です。
ご依頼者様は故人様のご家族で、不動産賃貸における連帯保証人でもある方でした。

 

連帯保証人は借主と同じだけの義務を負うことになるため、借主である故人様の部屋を片付ける責任も発生してしまいます。
故人様の預貯金などでその費用をまかないきれない場合、連帯保証人に費用負担が生じることになります。

 

ただし、長年にわたって人が住んでいる物件は水回りの交換が必要となることから、そこに経年劣化ではない破損や汚れがあっても不問とされることがあります。
費用負担に関しては双方の話し合いによるところも大きいため、お世話になった大家さんでも言うべきところは言って、お互いの意思の疎通を図っておいた方がよいでしょう。

 

たばこのヤニ汚れの原状回復費用は誰が負担する?

不動産賃貸においては原状回復にて返却するのが原則ですが、通常の住まい方や使い方をしていても発生する劣化(経年変化・通常損耗)に関しては貸主側の負担となります。
畳が日に焼けて黄色くなる、フローリングが色落ちする、家具の設置で床がへこむなどが代表例としてイメージしやすいでしょう。

 

一方で、経年劣化ではない痛みや汚れに関しては借主側に原状回復義務が生じ、その箇所の修繕費用を負担しなければなりません。
借主側の負担になる事例としても最もわかりやすいのが、故意・過失を問わず、元々備え付けられていた部屋の設備を壊してしまった場合です。

 

そこからすると、たばこのヤニ汚れで部屋中が黄色くなってしまった場合には、「故意に部屋を汚した」とみなされることが多いでしょう。
きれいに使っていれば大家さん側の負担で壁や天井クロスの張り替えができたところ、汚してしまったばかりに借主側の負担となり、契約時に預けた敷金が戻ってこなくなるのです。

 

今回の事例では、台所の収納スペースの床に大きな穴が開いていたり、部屋内がたばこのヤニで黄色くなっていたりと、借主と連帯保証人の責任になる可能性が高い箇所がいくつか見受けられました。
原状回復で大家さんと揉めないようにするには、あらかじめ費用負担における一般的な事例を把握した上で、双方でよく話し合うことが大切です。

 

賃貸物件の原状回復に関しては、国土交通省住宅局がガイドラインを公表しています。
たばこのヤニ汚れについても記載がありますので、本記事とあわせて参考にしてみてください。

 

原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)

 

退去時の原状回復は連帯保証人の責任範囲

不動産賃貸における連帯保証人は、退去時の原状回復費用を負担する義務があります。

 

今回の事例のように借主が亡くなっている場合は相続人がその債務を引き継ぐことになりますが、連帯保証人としての責任がなくなるわけではありません。
相続人と連帯保証人が同一人物で、債務を引き継がず相続放棄したとしても、連帯保証人が負う義務は残り続けます。
借主が亡くなったからといって、ただちに契約が解除されることはないのです。

 

契約時に敷金を渡している場合はそこから修繕に必要な費用が引かれますが、敷金よりも原状回復費用の金額が大きくなると、はみ出した分は連帯保証人が負担しなければなりません。
敷金ゼロの物件で借主負担の原状回復が発生した場合は、その費用全額を連帯保証人が支払うことになります。

 

まとめ

不動産賃貸においては退去時に原状回復する決まりがあり、経年変化や通常損耗以外の損耗・毀損に関しては借主側の負担となります。
たばこのヤニ汚れは「故意に部屋を汚した」と判断される可能性が高く、国土交通省住宅局のガイドラインにも、損耗・毀損の事例区分の一例としてたばこのヤニや臭いに関する記述があります。

 

借主が亡くなっている場合は連帯保証人がその義務を負うことになり、敷金の金額を上回った原状回復費用は連帯保証人が支払わなければなりません。
ただし、原状回復の範囲や費用に関しては貸主側・借主側の話し合いによるところも大きいため、大家さんとの意思の疎通を図っておくことが大切です。

 

この記事を書いた人
One's Ending編集部
関東の遺品整理専門会社(株)ワンズライフのメディア編集部です。 遺品整理、生前整理、空家整理に関することから、終活、相続税に関することまで。人生のエンディングにまつわる、役に立つ情報やメッセージをお届けしていきます。
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