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2021.04.19

志村けんさんの遺品整理~終活の必要性

2020年3月29日、お笑いグループの「ザ・ドリフターズ」のメンバーとして活躍し、数多くの人気バラエティー番組に出演していたコメディアンの志村けんさんが、新型コロナウイルスによる肺炎のため亡くなりました。

志村さんの死から約1年たった2021年3月、実兄の知之さんが週刊誌の取材に応じ、最愛の弟を失った悲しみを語るとともに、現在も遺品整理が進まず苦労されていることを明かしています。

この記事では、志村けんさんの遺品整理についてのエピソードをご紹介したあと、終活の必要性と早めに取り組むことのメリットを解説します。

新型コロナで突然この世を去った志村けんさん

志村けんさんは、2020年3月17日に倦怠感の症状があったことから、自宅で療養をされていました。
その後、19日に発熱や呼吸困難の症状が出て、20日に重度の肺炎と診断されたため都内の病院に入院することになり、23日に新型コロナウイルス陽性が判明しました。
兄の友之さんのお話によると、その当時は今ほど新型コロナの恐ろしさが知られていなかったため、最初はそれほど深刻には受け止めていなかったそうです。

 

しかし、翌日の3月24日に国立国際医療研究センターに転院となり、ご家族が訪れた28日時点では意識がない状態で、人工心肺装置(ECMO)が装着されていました。その後も治療を続けていましたが、翌日、29日に亡くなられました。
症状が出てから亡くなるまではわずか13日で、突然の訃報に、日本中で驚きと悲しみが広がりました。

 

志村けんさんの兄が遺品整理に苦労しているという

志村けんさんの通夜と葬儀は親族のみで執り行われ、四十九日法要もごく身内だけでひっそり営まれました。
ただ、お別れの会については何も決まっておらず、三鷹市内にある志村さんの自宅についても、遺品整理が進まず、兄の知之さんは苦労しているそうです。

 

志村さんのご自宅に残った大量の荷物

志村さんの自宅は物が多く、レコードやDVD、洋服に関しては“途方もない量”があり、どこから手を付けてよいかわからない状態だといいます。
当初、その荷物を見て兄の知之さんは唖然としたそうです。
そして、女性セブンの取材に対して「遺産についてはまだ何も着手できていない」とも明かしています。

 

なお、志村さんは三鷹市のご自宅とは別に、静岡県熱海市と東京都港区にそれぞれマンションを所有していることがわかっていますが、これらの不動産についても、2021年4月時点では相続手続きはとられていないとのことです。

 

遺品整理が進まないもうひとつの理由

また、遺品整理や相続手続きが進まないもうひとつの理由としては、ご家族の気持ちの整理がついていないことも挙げられます。
週刊女性PRIMEの記事によると、兄の知之さんは知人に対して「今も夢に弟が出てくるんだよ。思い出さない日は1日もない」と話していたそうです。

 

大切な家族を失った悲しみは、そう簡単に癒えるものではありません。
持ち主が亡くなると、その方が使用していた生活用品や持ち物は、すべて「モノ」から「思い出の品」に変わります。
いざ遺品整理をして不要なものを処分しようと思っても、ひとつひとつの遺品を見るたびに思い出がよみがえり、なかなか捨てることはできないでしょう。

 

終活の必要性について

週刊誌のインタビュー内容から、ご遺族は志村さんの遺品整理や相続に苦労していることがうかがえます。

 

家族が亡くなると、葬儀をはじめ、遺品整理や相続手続きなど、遺族はさまざまな手続きを行います。
大量の遺品が残っていると、家族は片付けをしようと思ってもどこから手を付けて良いかわからず、困ってしまうかもしれません。
また、遺言書など、本人の意思がわかるものがない場合「お葬式はどんな形を希望しているのだろうか」「遺品の中で残しておいてほしいものはあるのだろうか」など、家族が判断に迷うことも考えられます。

 

終活をして自分の想いを周囲に示しておけば、万が一意思が伝えられない状況になった時でも、その方の方針に沿って家族が手続きを進めることができ、負担や心配事を減らすことにも繋がります。
自分のためにも、家族のためにも、終活に取り組んでおくことは大切なことだといえるでしょう。

 

終活はいつから始めるのが良い?

では、終活はいつから始めるのが良いのでしょうか?
結論から言うと、終活は「いつから始める」という定義はなく、ご自身の思い立ったタイミングで始めるのが良いでしょう。
終活をする年齢については、60~70代で始める方が多いようですが、最近では「老前整理」といって、40~50代の時期から終活準備を行う方も増えています。(参考:株式会社マクロミル「終活の意識と実態調査」より)

 

終活を始めるタイミングやきっかけは人によってさまざまですが「定年退職で時間に余裕ができた」「年齢を重ね、健康に不安を感じた」「友人や家族といった身近な人の死により、終活を意識するようになった」という方が多いようです。

 

ただし、このあと詳しく解説しますが、終活ではやることがたくさんあり、体力や時間も必要になってきます。
そのため「終活をやろう」と思ったら、できるだけ早めに準備を始めるがおすすめです。
60代、70代といった年齢にとらわれず、気力・体力ともにしっかりしている、元気なうちにスタートするのがベストだといえるでしょう。

 

終活を早めに始めるメリット

終活を早めに始めることは、ご自身、家族ともにメリットがあります。
次に、自分と家族のそれぞれの立場から、終活を早めに始めるメリットについて見ていきましょう。

 

自分:余裕を持って準備ができる

終活の取り組みの中には、財産分与など手続きに時間がかかるものもありますが、早めに始めておけば、余裕を持って準備をすることができます。
また、老後の目標、医療・介護の希望など、今後の人生についてもじっくりと考えることができるため、満足のいくセカンドライフを送りやすくなることも大きなメリットです。

 

また、老人ホームやお墓を自分で決める場合、事前に見学したり下調べをしたりするのにはある程度の時間が必要になります。
計画的に老後の準備を進めるためにも、早めに終活を始めることは大切だといえるでしょう。

 

家族:遺品整理や相続手続きをスムーズに進められる

先ほど、志村けんさんは新型コロナで突然亡くなったため、ご自宅に荷物がそのまま残っており、兄の知之さんは遺品整理がなかなか進まず困っているというエピソードをご紹介しました。
しかし、早めの段階で荷物や財産の整理をしておくと、ご自身が亡きあと、家族が遺品整理をスムーズに進めることができます。

また、遺言が残されていない場合、亡くなった後に相続をめぐって家族や親族間でトラブルになるケースも少なくありません。
早めに終活をして、財産分与や相続についての意思を示しておけば、相続で揉めるのを防ぐこともできます。

 

終活では具体的にどんなことをする?

終活とは、人生の終焉を考えることを通して、自分を見つめ、今をより良く、自分らしく生きるための準備です。
今までの人生を振り返ったうえで「これからどんな人生を送りたいか」「人生の最期はどんな風に迎えたいか」などを考え、やり残したことや今後の目標、叶えたいことなどを洗い出していきます。
そうすると、それを叶えるためにどんな準備をするのかが見えてきて、終活でやることが明確になるでしょう。

 

ただ、終活ですることは人によって異なり、準備内容も多岐に渡りますので「具体的にどんなことをするのか見当がつかない」というお声をよく耳にします。
そこでこの章では、終活でやっておいた方が良い、代表的な準備をいくつかご紹介します。

 

エンディングノートの作成

終活を始めるときにまず取り組みたいのが「エンディングノート」の作成です。
エンディングノートには、自分の情報や身近な人に伝えたいメッセージなど、人生に関するさまざまな内容を書き留めておけます。
遺言書のような法的な効力はありませんが、様式はなく、書き方も自由です。
そのため、家族や周囲の人に、自分のありのままの思いや考えを伝えることができます。

 

エンディングノートに書く内容は自由ですが、以下のような項目について詳しく書いておくと、家族や周囲の人が見たときにわかりやすいでしょう。

 

〈エンディングノートに書く内容の一例〉
① 自分のこと……生年月日や血液型などの個人情報、自分史、人生の目標、家族への感謝のメッセージなど

 

② 相続・財産のこと……遺言書の有無、所有している財産の一覧、生命保険や医療保険の加入状況や証券の保管場所、不動産を所有している場合は、名義変更手続きが済んでいるかどうか、評価額はいくらぐらいなのかなど

 

③ 医療・介護のこと……持病の有無やかかりつけの病院、延命治療を望むかどうか、誰に介護を頼みたいか、入りたい施設があるかなど

 

④ 葬儀のこと……宗教や宗派、希望する葬儀の形式はあるか、葬儀に呼んでほしい人の名前や連絡先など

 

⑤ お墓のこと……お墓を引き継いでもらいたい人、誰のお墓に入ることを希望しているのか(先祖のお墓か別のお墓を用意するのか)、自分の墓をすでに準備している場合はその所在地や管理費、先祖の墓に入らない場合は、墓じまいや改葬についてどう考えているのかなど

 

⑥ ペットのこと……自分に何かあった際にペットのお世話を誰に頼みたいか、ペット信託は利用しているのか、加入している保険の状況

 

エンディングノートの選び方や書き方、メリットについては、ワンズエンディングのこちらの記事で詳しく解説しています。

 

【関連記事】エンディングノートとは何?メリットやオススメの選び方と書き方を解説

 

物の整理

今後の生活で、もう使わないものや、必要性が低いと感じるものは、終活を機に思い切って処分しましょう。
そうすることで、家の中がすっきりして生活導線が短くなり、万が一災害が起こった時にも、落下物によるケガを防ぐことができます。

 

荷物の片付けをする際は、アルバムや写真もある程度整理しておくと、あとで思い出を見返しやすくなり、家族が整理をするときもスムーズです。
「自分が亡くなったら(倒れたら)処分してほしいもの」と「残してほしい物」を仕分けておき、その内容をエンディングノートに書いておくと、さらにわかりやすいでしょう。

 

物の整理のやり方については、ワンズエンディングのこちらの記事の「『生活空間の整理』の具体的な進め方」のパートで詳しく解説しています。

 

【関連記事】生前整理とは誰が誰のために何をやるのか?パート2

 

財産の整理

物の片付けとともに進めておきたいのが、財産の整理です。
まずは、現在どれぐらいの資産があるかを把握するために「財産目録」を作成してみるのが良いでしょう。
なお、遺産相続では、借金やローンの残債といった“マイナスの資産”も財産に含まれ、相続の対象となります。
そのため、財産目録を作成する際は、預貯金や不動産、骨とう品などの“プラスの資産”だけでなく、マイナスの資産についても記載し「すべての財産を相殺すると、相続財産はいくらぐらいになるのか」を分かるようにしておくことが大切です。

 

財産整理のやり方については、ワンズエンディングのこちらの記事の「『財産整理の具体的な進め方』」のパートで詳しく解説しています。

 

【関連記事】生前整理とは誰が誰のために何をやるのか?パート1

 

その他、所有している不動産が空き家になっている人は、早めに空き家整理をしておき、売却、賃貸など、今後の活用方法を考えて対策を講じておきましょう。

 

【関連記事】実家の売却を考えたとき、やっておくこと、知っておくことまとめ

 

まとめ~終活は早めに始めることが大切~

終活をするのに早すぎるということはなく、早いうちから取り組むことにより、自分の人生とゆっくり向き合うことができ、これからの人生をより有意義なものにできるなど、多くのメリットが得られます。

 

いざ終活をしてみると「手続きがまだ終わってないものがあった」「家族と話し合いもしておきたい」など、やりたいこと、やることが次々と出てくるかもしれません。
自分のため、家族のためにも「終活をやろう」と思い立ったらできるだけ早めに行動に移し、体力・気力がしっかりしているうちに準備を始めることをおすすめします。

この記事を書いた人
One's Ending編集部
関東の遺品整理専門会社(株)ワンズライフのメディア編集部です。 遺品整理、生前整理、空家整理に関することから、終活、相続税に関することまで。人生のエンディングにまつわる、役に立つ情報やメッセージをお届けしていきます。
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