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2018.01.18 (2022.11.04 One's Ending編集部 加筆)

遺品整理を自分で行うときに、注意することまとめ

ご家族が亡くなったとき、葬儀が終わって少しほっとしたあとに、考えなければならないのが遺品整理です。
故人の遺品をずっと持っておきたいと思う方は多いかもしれませんが、いつかは片付ける必要があります。
少子高齢化が進み、遺品整理を専門業者に依頼する方は増えていますが、自分たち家族の手で遺品整理をしたいという方もいらっしゃるはずです。
そこで、自分で遺品整理をするときの準備や注意点、手順を詳しく解説します。

遺品整理を行う前に注意すること

遺品整理を行う前に、必ず確認しておきたいことがあります。相続問題や家族間のトラブルを避けるためにも、次の3つのポイントに注意しましょう。

 

注意点1:遺言書の有無を確認すること

遺言書

注意点の1つ目は、遺言書の有無を確認することです。
遺言書とは、故人が自身の財産の継承について最終的な意思を残したもの。
遺言書には法的効力があるため、遺言書がある場合には、その内容に従った方法で相続をしなければなりません。

 

家族のどなたかが故人から遺言書の存在について聞いている可能性もありますし、エンディングノートや手帳などに遺言書の保管場所が記載されていることもあるでしょう。
遺言書があるかどうかわからない場合には、遺言書が置かれていそうな場所を探します。
遺言書が発見される場所として多いのは、仏壇や故人が愛用している書類棚、金庫などです。
遺言書に封がある場合は、家庭裁判所での検認が必要です。見つかったからといって、すぐに開封してはいけません。

 

自宅以外に遺言書が保管されている場所として、公証役場が挙げられます。
公証役場で作成された遺言書は、そのまま公証役場で保管されるからです。
公正証書遺言の場合は、作成時に証人が必要なので、故人が亡くなったときに遺言書の存在を知らせてくれるのが一般的ですが、念のため公証役場に確認してみましょう。

 

注意点2:一人で勝手に始めないこと

注意点の2つ目は、遺品整理を一人で勝手に始めないことです。
「親族が集まって遺品整理をする時間がないから、自分一人で片付けよう」と、張り切って遺品整理をしてしまう方もいますが、勝手に遺品整理をすることは家族間のトラブルの元になる可能性もあります。
実際に、自分は不用品と思って処分した遺品でも、ほかの家族は形見として手元に残しておきたいものだったということがあるのです。
遺品はすべて相続財産なので、その処遇については相続人である家族の了承が必要と考えましょう。
このため、遺品整理はなるべく親族が集まる四十九日の法要やお盆などに行うのがおすすめです。

 

注意点3:相続放棄の可能性がある場合にはより注意が必要

相続というとプラスの財産のことばかりを考えがちですが、故人が多くの負債を残していた場合、相続放棄という選択を検討する可能性もあります。
相続財産がどの程度あるのかというのは、現金や預貯金、不動産などの資産と、借金や債務などの負債をすべて洗い出さなければ判明しません。

 

負債が多く、相続放棄したほうがよいと判断した場合には、相続開始日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。
また、遺品の形見分けや売却などを行うと、相続放棄ができません。
このため、遺品整理をする前に、相続財産がどの程度あるのかを確認し、相続放棄をしない場合のみ遺品整理を始めましょう。

 

遺品整理前の準備

遺品整理を行うことになったとき、急に始めるのではなく、入念に準備をしておくことをおすすめします。
準備や計画をすることで、無理なく遺品整理を進められるでしょう。

遺品整理の準備

大まかなスケジュールを立てる

遺品整理を始める前に、大まかなスケジュールを立てることが大切です。
故人が賃貸住宅に住んでいた場合には、退去したい日の前に遺品整理を終わらせる必要があります。
持ち家だった場合も、リフォームなどを検討しているなら、早めに遺品整理をしなければなりません。

 

遺品整理を終わらせる期限が決まっていない場合には、次のことを念頭にスケジュールを立てましょう。

・遺品整理をいつ、何日間行うのか
・誰が遺品整理に参加するのか
・ごみの収集日はいつなのか
・遺品のなかに処分や片付けが難しいものはないか
・遺品整理にどのくらい費用がかかりそうか

 

スケジュールを立てるなかで、自分たちだけで遺品整理が難しいと感じるところがある場合には、遺品整理業者に依頼することを検討しましょう。
遺品整理業者を検討する際は、ぜひこちらの記事を参考にしてください。

【関連記事】遺品整理は自分でする?業者に依頼?体験談から考えるオススメのやり方

 

役割分担を決める

遺品整理の日程や参加者が決まったら、事前に役割分担を決めます。
遺品整理参加者が得意な作業や扱いたい遺品によって、分担を決めるとよいでしょう。
たとえば、故人が女性の場合には、同じ女性のほうが洋服やアクセサリーなどの遺品整理を上手に行えるかもしれません。
また、大きな自動車を運転できる方がいるなら、不用品の処分をお願いするのもよいでしょう。

 

不用品の処分方法を検討する

遺品整理では多くの不用品を処分することになります。
自治体で収集するような一般のごみであれば、収集日に処分すればよいのですが、簡単に捨てられないものも多くあります。
たとえば、「家電リサイクル法」で定められたエアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機といった4品目は、専門業者に回収を依頼しなければなりません。(※)

※出典:経済産業省「家電4品目の『正しい処分』早わかり!その家電きちんと捨てないと…

 

また、家族は使わないけれど、捨てるにはもったいないと思われる高価なものは、人に譲ったりリサイクルショップに買取してもらったりできる可能性があります。
不用品の処分にはたくさんの方法があるので、事前に検討しておくとよいでしょう。
そして、困ったときは、不用品回収業者や遺品のリサイクルや買取もできる遺品整理業者に相談してみるのをおすすめします。

【関連記事】業者に頼んだ遺品整理で整理した遺品はどうなる?整理後の遺品の行方

 

遺品整理当日までに準備しておくもの

遺品整理の当日までに準備しておくとよいものをご紹介します。
当日足りなくならないように、多めに用意しておくのがおすすめです。

・滑り止め付きの軍手(人数分)
・動きやすく汚れてもよい洋服
・マスク
・スリッパや厚手の靴下など
・地域指定のごみ袋(可燃ごみ・不燃ごみ・リサイクル用などを用途別に多めに)
・ダンボール箱
・ガムテープ
・紐(本や新聞、書類などを束ねるのに使う)
・ハサミ
・油性ペン
・清掃用具(掃除機・雑巾・フローリングワイパーなど)

 

遺品整理当日の注意点と手順

遺品整理当日の注意点や流れをご紹介します。

遺品整理当日の注意点

遺品整理は、精神的にも肉体的にもかなり疲れるものです。
遺品整理を行う前の日はよく睡眠をとり、体調を整えておきましょう。
また、重いものを持ち上げたり、階段の上り下りを繰り返したりと、日常生活ではなかなか行わない作業も、遺品整理には含まれます。
とくに、高齢者の方は休憩を挟みながら、無理しないように作業をしましょう。
暑い季節に遺品整理を行う際は、適宜水分補給をして、熱中症に気をつけることが大切です。

 

遺品整理の手順1:貴重品や残すものを見つけて分けておく

相続の手続きに必要な貴重品や家族にとって大切なものを見つけたら、ほかの遺品と分けておきましょう。
誤って処分したり汚したりを防ぐために、作業している方全員がわかるように、小さいものは箱に入れて保管するのがおすすめです。
大きなものには、目印を付けておくとよいでしょう。

 

残しておくものの具体例は、以下の通りです。
・現金
・預金通帳
・有価証券(株券、小切手、債権など)
・印鑑
・保険の契約書類
・不動産権利書
・貴金属、骨董品、掛け軸、絵画など
・公共料金の領収書(解約手続きなどに必要)
・家族写真など
・故人の思い出の品

 

遺品整理の手順2:明らかな不用品は仕分けをしてごみ袋に入れていく

明らかな不用品は、どんどんごみ袋に入れていきましょう。
明らかな不用品とは、具体的には次のようなものです。

 

・期限切れの食品
・故人が服用していた薬
・シミや破れのある衣類や寝具など
・故人が普段使いしていた日用品など

 

遺品整理の手順3:不用品を処分する

不用品を適正に処分していきます。
一般のごみは地域の収集日に合わせて、収集場所に出します。
大量にごみが出る場合、自動車で運ぶことができるなら、自治体のごみ処理場に直接持ち込みをするのもよいでしょう。
また、人に譲ったり買取をしてもらったりと、遺品はなるべくリサイクルできるとよいですね。
愛用品の譲り先について、故人がエンディングノートに希望を記入していることもあるので、エンディングノートが見つかった場合には参考にしましょう。

遺品整理の手順4:故人の愛用品などを形見分けする

故人の愛用品などを、生前親しくしていた友人や親族などに形見分けをします。
形見分けの品は、高価ではないもので故人を偲べるものを選びましょう。
高価なものを形見分けすると、贈与税が発生する可能性があります。

 

まとめ

自分で遺品整理を行う際の手順や注意点をご紹介しました。
解説した通り、遺品整理は行うべきことが多く、体力の負担が大きい作業です。
また、故人の思い出の品を片付けることで、家族がいなくなったことを強く感じて受け入れがたい気持ちになるケースもあります。
一気に遺品整理を済ませようとはせず、少しずつ気持ちの整理をつけながら遺品整理を行いましょう。

 

【関連記事】「遺品整理がつらい、できない…」を乗り越える方法とは?グリーフケアとの関係

 

また、遺品整理の負担が大きいと感じたら、遺品整理業者の手を借りることも1つの解決策でしょう。
遺品整理のプロは、貴重品の捜索も上手ですし、遺品を丁寧に扱います。
不用品の買取を行っている業者に依頼すれば、予想もしなかったものが高値で売れて、結果的に遺品整理が安く済ませられる可能性もあるのです。
遺品整理を自分で行っていてつらくなったら、ぜひ遺品整理業者に問い合わせをしてみましょう。

 

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この記事を書いた人
One's Ending編集部
関東の遺品整理専門会社(株)ワンズライフのメディア編集部です。 遺品整理、生前整理、空家整理に関することから、終活、相続税に関することまで。人生のエンディングにまつわる、役に立つ情報やメッセージをお届けしていきます。
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