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2018.07.05 (2023.11.30 One's Ending編集部 加筆)

「遺品整理がつらい、できない…」を乗り越える方法とは?グリーフケアとの関係

「死別」は、大切な人との永遠の別れ。
最初に訪れるショック期では、その事実を受け入れることができず呆然とすることしかできません。
茫然自失のなか葬儀やさまざまな手続きを終える頃、二度と再会することができない悲しみに襲われ、心が激しく揺さぶられます。
しかし、お部屋の清掃や整理などの大変な作業も待ち構えているため、いつまでも下を向いているわけにはいきません。

今回の記事では、「どうやって悲しみを乗り越え、遺品整理を前向きに開始できるのか」を悩んでいる方のために、具体的な乗り越え方をご紹介いたします。
グリーフケアとの関係についても、詳しくご紹介します。
遺品整理のことをすべて一人で抱え込むことなく、私たちとともに考えてみましょう。

遺品整理がつらい理由

遺品には「死後に残した品物。形見の品」という意味があります。
故人のもう見ることができない笑顔、肌のぬくもり、優しい心遣い。
遺品を見るたびに懐かしさと寂しさが交差し、整理すること自体をつらくさせてしまうのです。

 

気持ちの整理がつかない

持ち主が亡くなると、日常生活で愛用していた品々は、「モノ」から「思い出の品」に変わります。
特に突然大切な人を失った場合は、一緒に行ったコンサートチケットの半券や、食事をしたときのレシートさえも、同じときを過ごした証であり、捨てることなどできません。
悲しみが大きいうちは、遺品整理よりも気持ちの整理が必要となるのです。

 

何を残し、何を捨てていいかわからない

衣類や日用品は残すべきか、不動産や貴金属などは誰がどう処分すべきか。
故人の思い出の品を整理するのは、とても難しいものです。
財産とみなされるものは、捨てるか捨てないか親族間で意見が分かれやすく、相続トラブルの原因になることも。
しっかりと話し合いを行い、できるだけ生前の間に確認しておきましょう。

 

遠方に住んでいるためなかなか行けない

厚生労働省の「令和3年(2021年)版 国民生活基礎調査の概況」によると、65歳以上の高齢世帯のうち49.3%が一人暮らし、46.5%が夫婦のみの世帯です。
子どもが独立すると、夫婦もしくは一人で暮らしている高齢者が多いことがわかります。

 

参照:厚生労働省「2021年 国民生活基礎調査の概況

 

都市部の人口集中から勘案するに、進学や就職のため都会に出て働き、故郷に両親を残している人は多いのかもしれません。
離れて暮らしている子どもが遠方の実家に長期間帰って遺品整理をするのは、物理的にも大変です。
何度も往復すると、交通費も大きな負担になりかねません。

 

整理する物が多い

「物が多すぎて、遺品整理が全く進まない」という話をよく耳にします。不要品を捨てるだけでも気力や労力が必要です。
また、ゴミ出しのルールの難しさも、遺品整理が進まない原因になります。
家具や家電などの大型ゴミの処分は手続きが必要です。
可燃ゴミ・不燃ゴミ・リサイクル品といった分別が複雑だったり決められた日にしか捨てられなかったりと、遺品を処分するのも一苦労でしょう。

 

遺品整理のつらさを乗り越えるためには

大切な人が亡くなった悲しみは、簡単に癒えるものではありません。
しかし、目の前の現実を受け止め、自分たちの生活を再出発させなければ、前に進むこともできないのです。
「遺品整理は故人の供養である」と考え、思い切って整理することを考えてみましょう。

 

とことん悲しみに浸る

何かで悲しみを紛らわしても、ふとした瞬間に思い出し、どうしてもつらい気分になることがあります。
いっそ気が済むまで思い出に浸り、涙が枯れるまで泣きつくしてみませんか。
思いを吐き出すことで気持ちが切り替えられるようになり、故人が悲しみ続けることを望んでいないことに気づくことができれば、先に進む勇気が湧いてくるはずです。 

 

近年では、早く悲しみから立ち直れるよう、心に寄り添う支援をする「グリーフケア」を行っている人がいます。
「一般社団法人 日本グリーフケア協会」では、グリーフケアを学ぶことで、大切な人を病気や事故、天災で失った経験を持つ方を支援しています。

 

【関連記事】グリーフケアとは~身近な人を失った悲しみを乗り越える方法~

 

法事のタイミングで行う

いつまでも一人で亡き人を思い続けることは、精神的によくありません。
親族が集まる49日、一周忌、3回忌などに、遺品整理をしてはいかがでしょうか。
時間の経過が心を穏やかにし、みんなで思い出話をしながら片付けをしてみると、寂しさもまぎれるかもしれません。

 

遺品整理に対する意識を変える

「遺品」=「生前の記憶」と考えると、なかなか処分は進みません。
ここはひとつ「モノ」として割り切ってみてはいかがでしょうか。
思い出はいつまでも心の中にあります。
また、遺品をしっかり整理することは、故人への供養になると考え方を変えてみましょう。
使えそうなものはリサイクルショップなどに買取をお願いし、お金に換えるのも良いでしょう。
お墓や仏壇、お花などの購入費用に充てれば、故人に対して十分な供養になります。

 

遺品整理業者に依頼する

どうしても感情が絡んで遺品整理ができない場合は、専門業者に依頼してみるのはいかがでしょうか。
第三者と一緒に行うことで寂しさがまぎれますし、何を残して何を捨てるべきかアドバイスをもらえるのもメリットです。
また、お仕事で忙しい方や遠方で同席する時間が取れない方のために、遠隔で作業の様子を確認できるサービスを行っている業者もあります。

 

遺品整理のつらさを乗り越えた人の体験談

ここで、同じように遺品整理のつらさを乗り越えた方のエピソードをご紹介します。

 

父が亡くなった5年後、母が亡くなりました。初めて遺品整理を二人同時に行なったときは泣きました。
特に母の持ち物は多く、大切にしていたジュエリーやバッグなど思い出のあるものが多数ありました。
アルバム写真は楽しかった思い出が蘇りました。
それと同時にもっと親孝行しておけば良かったという気持ちにもなり、とても辛かったです。
遺品整理は自分の気持ちを整理するうえでも必要なことだと思いました。
両親の形見になりそうなものは引き取りました。
整理後はスッキリとした気持ちになり、1つ悲しみを乗り越えられた気がしました。(神奈川県/40代女性)

 

母親の多くの遺品のなかからどれを残すか選ぶときに、好きだったものや、よく使っていたものとかを見ていたら、生前の元気だったころの姿が脳裏に浮かんできてつらかったです。
ただ、そういう感情も母のことを思っての気持ちであることと、一時的なものでずっとは続かないだろうと思っていました。
無理につらい気持ちを消すことは考えず、感情を素直に受け止めるようにしていたら、気がつくとつらい気持ちも薄れていました。(京都府/30代女性)

 

祖母の遺品整理を母と一緒にしていたとき、裁縫が得意な祖母が私や母あてに製作していたであろう、ブラウスや布バッグを見つけました。
まだ完成していなかったらしく、所々縫えていない箇所があり、まち針も刺さったまま。私や母は裁縫が得意ではないため、もうこの服やバッグが完成することはないんだと思うと、胸が詰まる気持ちでした。
結局、それらの作品は母が引き取りました。
いつか下手くそでも残りの未完成部分を完成させて祖母の仏壇に供えて、「頑張ったんだよ」と祖母に見せてあげようと思っているそうです。(京都府/30代女性)

 

半年前に祖母が他界し、その住まいを整理していた際、自分の子供の頃や一緒に過ごしたときの写真、遊び道具がたくさん出てきました。
このときは祖母の愛情をものすごく感じ、しばらくの間何もできなくなってしまいました。
その日は結局何もできず、数日後に改めて整理をしに行き、できるところから整理を始めました。
結局のところ、写真や遊具についてはその後もなかなか整理ができませんでしたが、最終的には写真はすべて、遊具は一部を自宅に引き取り、思い出を持ち帰った形にしました。(東京都/30代男性)

 

母が亡くなってから、もう3年の月日が流れました。
母が着ていた服や大切にしていたものなど思い出や記憶がなくなってしまうような気がして、なかなか遺品整理ができませんでした。
思い出は写真で残したり、使えるものは兄弟で分けたりしました。
結果的には、遺品整理をしてよかったなと思っています。(東京都/40代女性)

 

みなさんのエピソードには、「愛しい人が亡くなり、心を引き裂かれるような喪失感を味わったものの、遺品整理をすることで気持ちも整理され、楽しい思い出が残ってゆく」という共通点が見られました。

 

まとめ

遺品には故人の思い出が刻まれているため、なかなか処分に踏み切ることが難しいものだと感じます。
しかし、前を向いて生きていくためには、事実を受け入れることが非常に大切です。
遺品整理は故人への供養と考え、思い出は心に残し、不要なものは捨てていく。
思い切って遺品整理に着手しましょう。
家がゴミ屋敷状態で手に負えない場合には、専門の遺品整理業者など、第三者やプロに対応してもらうことも、あなたの助けとなってくれるかもしれません。
何か悩み事がある場合には、あらかじめ相談しておくのがおすすめです。
また、遺品整理の大変さを知ったら、自分の大切な人が同じような負担をかけたくないと思うかもしれません。
元気なうちから少しずつ生前整理を行うことも、大切な人への愛情といえるでしょう。

 

 

この記事を書いた人
One's Ending編集部
関東の遺品整理専門会社(株)ワンズライフのメディア編集部です。 遺品整理、生前整理、空家整理に関することから、終活、相続税に関することまで。人生のエンディングにまつわる、役に立つ情報やメッセージをお届けしていきます。
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