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2025.06.16

最近増加している「改葬」とは~お墓の引っ越しの手続きなどをご紹介

厚生労働省の「衛生行政報告例」によると、2023年度の改葬件数は全国で16万6886件に上り、前年から2年連続で過去最多を更新しました。近年増加している改葬とは、どのような手続きで、どのような事情のもとで進められているのでしょうか。

この記事では、改葬が増えている背景や墓じまいとの違い、改葬手続きの流れについてわかりやすく解説します。

 

改葬とは

改葬とは、すでに埋葬している遺骨を取り出し、別の墓地や納骨施設へ移すことをいいます。遺骨の移動には法律上の手続きを伴い、自治体から「改葬許可証」の交付を受ける必要があります。宗教儀礼や感情面への配慮も求められるため、改葬を進めるうえでは丁寧な準備と説明が重要です。

 

改葬が増えている背景

改葬が増加している背景には、少子高齢化や核家族化といった現代の社会構造があります。お墓を継ぐ人がいない、遠方に住んでいてなかなか足を運べないなどの理由から、従来の形でのお墓の維持が難しくなるケースが増えているのです。さらに、新型コロナの影響で実家やお墓参りに行けない状況が長引いたことや、永代供養や納骨堂、樹木葬など供養の方法に多様な選択肢があることも、改葬を検討する人が増えている要因と考えられます。

墓じまいとの違い

墓じまいとは、これまでのお墓を撤去・処分して更地に戻し、墓地を永代的に使用できる権利(永代使用権)を管理者に返還することです。一方、改葬とは元の墓地から遺骨を取り出し、新たな供養先に安置することをいいます。

つまり、墓じまいは「お墓を処分・撤去すること」、改葬は「遺骨を別のお墓に移すこと」を指します。墓じまいの後には新たな供養の場を決める必要があることから、「墓じまい=改葬」という形で同じ意味合いで使われるケースも多いですが、本来は異なる意味を持っています。

 

改葬の手続きと進め方のポイント

改葬を行う際は、遺骨の移動に関する法的手続きや関係者との話し合いなどの対応が必要です。
ここでは、改葬をスムーズに進めるために知っておきたい手続きの流れやポイントを紹介します。

 

改葬を行う前の準備

円滑な改葬を行うためには事前準備が欠かせません。
親族や菩提寺との関係性を大切にしながら進めることが大切です。

改葬を行う前の主な準備事項は次のとおりです。

• 家族・親族との合意形成
• 現在の墓地管理者や寺院への相談
• 改葬先の検討

 

改葬に関して個人の一存で決めることは、後々深刻な感情的対立を招くおそれがあります。
感情面にも配慮し、誰に何をどのように伝えるかを事前に考えておきましょう。

改葬の必要書類と手続きの流れ

改葬を行うには、現在遺骨を埋葬している自治体に申請し「改葬許可証」を取得する必要があります。
この許可証をもって、遺骨を改葬先へ移動・納骨することができるようになります。

 

主な必要書類
• 受入証明書
• 埋葬証明書
• 改葬許可申請書

 

改葬手続きの流れ
1. 現在の墓地管理者に埋葬証明書を発行してもらう
2. 改葬先を決定し、受入証明書を発行してもらう
3. 必要書類をそろえ、役所に改葬許可申請書を提出する
4. 改葬許可証を受け取る

 

改葬の必要書類や手続きの流れは自治体によって異なります。
実際に改葬を行う際には必ず各自治体のホームページなどでご確認ください。

 

 

 

よくある改葬トラブルと防止策

改葬を進めるなかで起こりやすいトラブルと、未然に防ぐためのポイントを紹介します。

 

トラブル例①親族間の意見対立

改葬に関するトラブルのなかでも多く見られるのが、親族間の意見の食い違いです。特に、事前に相談なく進めてしまうと、「勝手に決められた」「意見を聞いてもらえなかった」と反発を招き、家族関係の悪化・疎遠化や供養をめぐる対立などのトラブルに発展するおそれがあります。

このようなトラブルを防ぐためには、できるだけ早い段階で親族間の話し合いの場を設けることが大切です。それぞれの立場や思いに耳を傾けながら意見をまとめ、合意した内容を書面で残しておくとよいでしょう。

トラブル例②改葬先での不満

改葬後に「思ったより費用がかさんだ」「管理が行き届いていない」など、改葬先に対する不満が生じるケースもあります。

こうした事態を避けるためには、複数社から見積りを取り、料金の相場をあらかじめ把握しておくことが大切です。また、実際に現地を見学し、複数の候補を比較検討することで、納得のいく改葬先を選択できるようになります。

 

まとめ

少子高齢化や核家族化を背景に、お墓の引っ越しを行う人が増えています。改葬を行うには「改葬許可証」の発行手続きが必要となるほか、親族との話し合いや合意形成、現在の墓地管理者への相談などの配慮も求められます。事前準備を怠らず、早い段階で関係者への説明・相談をしておくことが、後々のトラブルを回避することにつながります。

ワンズライフでは、業界でも先がけとなる優れたサービス品質をモットーに、故人様・ご依頼者様に寄り添った遺品整理・生前整理のみを行っております。遺品整理や生前整理をご検討されている方は、ワンズライフまでお気軽にお問い合わせください。

 

この記事を書いた人
One's Ending編集部
関東の遺品整理専門会社(株)ワンズライフのメディア編集部です。 遺品整理、生前整理、空家整理に関することから、終活、相続税に関することまで。人生のエンディングにまつわる、役に立つ情報やメッセージをお届けしていきます。
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