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2021.08.02

IT×お墓の新しい形〜注目が集まるお墓参りのデジタル化

コロナ禍で遠方からの帰省を控える人が多い今、ITとお墓を組み合わせた「お墓参りのデジタル化」が注目を集めています。インターネットを介しておこなう新しいお墓参りの形であり、現地まで足を運ばなくてもご先祖様の大切なお墓をお参りできるサービスです。

この記事では、現代ならではの画期的なシステム「デジタルお墓参り」について、その種類や特徴、サービスを提供する企業事例をご紹介します。

デジタル化の波はお墓参りにも〜最新のお墓参り事情

急速なIT技術の発展によりさまざまな分野にデジタル化の波が押し寄せる現代、お墓参りにおいてもデジタル化されたサービスが提供されています。
ここでは、最新のお墓参り事情とともに、注目が高まるお墓参りのデジタル化とはどのようなサービスなのかご紹介します。

現在のお墓参りに関する意識・お墓参り事情

全国石製品協同組合はコロナ禍におけるお墓参りの現状についてのアンケートを実施し、コロナ前後で人々のお墓参りに関する意識は変化していることがわかりました。
過去1年間で1回以上お墓参りへ行った人の割合について、2016年6年の調査では89.3%だったのに対し、2021年1月は63.9%とコロナ前と比べ25.4%も減少しています。
また、現在はお墓参りに行く回数がコロナ前と比べ減っていることも明らかになりました。

 

コロナ禍における外出自粛の影響でお盆や年末年始に帰省する人が減ったことで、遠方に住んでいる家族はなかなかお墓に足を運ぶことができなかったと考えられます。
また、近年多様化する価値観においてはお墓を持たない選択も増えており、時代の流れの中でお墓に関する意識は変わりつつあるようです。

 

参考:PR TIMES 『コロナ禍における「お墓参り」の現状についてアンケート調査を実施』

 

お墓参りのデジタル化とは

お墓参りのデジタル化とは、IT技術を活用した新しいお墓参りの形です。
パソコンやスマートフォンなどのデジタル端末とインターネット環境があればいつでもどこでもお参りができるため、コロナ禍で遠方への外出を控えている人、年齢や体力の面で定期的なお墓参りが難しくなってきた人にとっては、画期的なシステムといえるかもしれません。

 

通常、墓石に刻まれるのは亡くなった方の名前や戒名、享年といった情報のみですが、インターネットのお墓には故人の写真や動画、メッセージなどを記録できます。
利用方法は運営企業やサイトによって多少異なりますが、デジタルお墓参りサービスに会員登録して故人やお墓の情報を提供し、年会費や登録料の支払いをもって利用できるようになるのが一般的です。

 

デジタルお墓参りが向いている人

デジタル化されたお墓参りが向いている人は次のとおりです。

• 墓地や寺院から離れた場所に住んでいる人
• 仕事が忙しくなかなか時間がとれない人
• 屋外のお参りは体力的に厳しい人
• 家族が帰省できず人手が足りない人
• 墓じまいを考えている人
• コロナ禍で外出を控えている人

あらゆる事情で現地までお参りに行くのが難しい場合、IT技術を活用したデジタルお墓参りなら離れた場所からでもお参りできます。また、お墓の維持が難しく墓じまいを考えている方にとっても、現地での手入れが不要なデジタルお墓参りは今後のお墓の在り方を考える上で選択肢のひとつとなるでしょう。

【関連記事】 墓じまいの手順や手続きについて解説

 

デジタルお墓参りの種類・特徴

インターネットを利用するデジタルお墓参りには、実際に建っているお墓をお参りする「併存型ネット墓」、バーチャル上のお墓をお参りする「単独型ネット墓」の2種類があります。
それぞれどのような特徴があるのでしょうか。

 

併存型ネット墓

併存型ネット墓とは、実存するお墓をウェブサイト上にグラフィック表示し、インターネット経由でお参りできるようにしたお墓です。
お墓の写真や故人の情報を専用のウェブサイトに登録しておくことで、インターネットを通じていつでもお墓参りができます。
実際のお墓とお参りするお墓を分ける「両墓制」という風習は古くからあり、併存型ネット墓は参り墓の現代版とも考えられるでしょう。

 

単独型ネット墓

単独型ネット墓とは、インターネット上のみに存在するバーチャル墓です。
お墓が実在する併存型とは異なり、単独型では現実世界にお墓が存在しません。
そのため、お墓を持たない選択をしている人やすでに墓じまいをしている人など、実在するお墓を持っていなくてもインターネットを通じてお参りすることが可能です。
お墓そのものが実存しない単独型ネット墓は、これまでにないまったく新しいお墓参りのシステムといえるでしょう。

 

カード式の納骨堂も出現

お墓参りのデジタル化はお墓そのものに限らず、ご遺骨を収蔵する納骨堂にも見られます。
お墓の維持に悩みを抱える人が多い今、ICカードをかざせば目の前にお墓が出てくる最新型の納骨堂が人気を集めているのです。

 

カード式の納骨堂は、読み取り板にICカードをかざすと扉が開き、遺骨が入った箱(厨子)が自動的に運ばれてくる仕組みです。
個室のように区切られた空間になっているため、まわりの人を気にせずにゆっくりとお参りできます。
液晶画面が設置された納骨堂では、故人との思い出の写真や動画を流しながらのお参りも可能です。

 

涼しい室内で腰をかがめることなくお参りできるため、体力的にお墓参りが辛くなってきたお年寄りの方も手軽に利用できるサービスです。
また、カード式の納骨堂は夕方遅くまで開いているところが多く、仕事帰りに立ち寄ってお参りする方も多いようです。

 

IT×お墓参りサービスを提供する企業事例

デジタル化されたお墓参りには、具体的にどのようなサービスがあるのでしょうか。
ここでは、IT技術とお墓を融合させた新たなサービスを提供する企業事例をご紹介します。

エスアイマネジメント株式会社:デジタル参拝

システム開発やコンサルティングをおこなうエスアイマネジメント株式会社では、墓所・納骨堂向けの参拝システム「デジタル参拝」を提供しています。
豊富なバリエーションから墓所のイメージに合わせた墓標や家紋を選ぶことができ、デジタルならではの幅広い表現が可能です。
また、参拝するには契約者に渡されるカードが必要なため、セキュリティの面でも安心して利用できます。

 

スマートシニア株式会社:お墓QRコード・ウェブ墓のセット提供

ソフトウェア開発・販売をおこなうスマートシニア株式会社では、お墓QRコードとウェブ墓(追悼サイト)をセットで提供しています。
お墓QRコードとは墓石に印刷されたQRコードで、スマートフォンやタブレットで読み込むとご先祖様や亡くなった方の写真・動画を閲覧できます。
このサービスを利用するとお墓ごとに使える独自のQRコードが作成され、追悼サイトのウェブ墓とリンクすることが可能です。

 

なお、QRコードから追悼サイトを閲覧するには招待者の承認が必要です。
QRコードを読み取るだけでは閲覧できないよう、プライバシーが重視された仕様になっています。

 

まとめ

何らかの事情で定期的なお墓参りやお墓の維持が難しい場合、IT技術を活用したデジタルお墓参りが新たな選択肢のひとつになるかもしれません。
お墓参りをデジタル化すれば、現地まで足を運ばずとも自宅から参拝することが可能です。
お墓に故人の写真や動画、メッセージを記録できるのはデジタルならでは。たくさんの思い出に包まれながら、大切な故人をお参りすることができるでしょう。

 

お墓参りをする上では、お墓の形よりも故人を偲ぶ気持ちが大切です。
いつでも気軽に利用できるデジタルお墓参りは、お参りの新たな形として今後さらに浸透していくのではないでしょうか。

この記事を書いた人
One's Ending編集部
関東の遺品整理専門会社(株)ワンズライフのメディア編集部です。 遺品整理、生前整理、空家整理に関することから、終活、相続税に関することまで。人生のエンディングにまつわる、役に立つ情報やメッセージをお届けしていきます。
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