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2017.09.27

自然葬とは?散骨葬や樹木葬などの新しい葬送の形

自然葬という言葉をよく耳にするようになりました。これまでは、亡くなった後は荼毘に付され、お墓に入るのが一般的な流れでしたが、近年では自然回帰の概念や家族関係の変化、経済状況などから、自然葬を希望する人が少しずつ増えています。お墓に限定しない「自然葬」とはどういう葬送なのかを詳しくご紹介します。

 

 

自然葬とは

自然葬は遺骨をお墓に納骨せずに自然の一部に還す葬送です。海や川などの水辺や、山や野原などの大地、樹木の下、空や宇宙に散骨するなど、様々な方法があります。

「自然の一部になりたい」「大好きな海や山で眠りたい」というロマンあふれる理由から、「お墓の管理で遺族に迷惑をかけたくない」「お墓にお金をかけたくない」など、自然葬を希望する理由は人それぞれです。

 

自然葬の歴史

いつ頃から日本で自然葬が始まったのか明確な根拠はありませんが、786年~840年に存在したと言われる淳和天皇が、「骨を砕いて粉と為し、之を山中に散らすべし」と遺言したという言い伝えが残っていることから、古くからの風習として存在していたと考えられます。

 

幕府が檀家制度を創設した江戸時代中期以降から、庶民も墓を作るようになりましたが、明治時代までは自然葬も続けられていました。戦後に刑法の死体遺棄・損壊罪や墓地埋葬法などが制定されたことにより埋葬が主流になりました。

 

そして近年、自然葬が注目されるようになり、多くの業者が参入するようになりました。1991年に発足した散骨葬を扱う団体「NPO法人 葬送の自由をすすめる会」によると、同会が「自然葬」という言葉を初めて使用し、その後広まり定着していったようです。(※1)

 

自然葬を望む人が増えている理由

「自然の一部に戻りたい」「自分らしく散りたい」という考えから、自然葬を選ぶ人がいます。

芸能人では、俳優の高倉健さんや三国廉太郎さん、落語家の立川談志さん、漫才師の横山やすしさんらは、自然葬で送られました。

また、核家族化や単身世帯の増加、少子化など社会的背景も自然葬を望む要因となっています。子どもが遠方に住んでいる、継承者がいないなどの理由でお墓の管理や維持が難しいことや、お墓を建てるためには多額な金銭を必要とするなど、家族の問題や経済的負担により自然葬を希望される人が増えています。

 

自然葬を望む場合は

「一般社団法人 日本海洋散骨協会」が2015年に行った調査(※2)によると、「海洋散骨」という言葉を知っている人は、過半数を超える68%、聞いたことがある人も含めると93%と、高い認知度を誇っていることが分かりました。

 

しかし「身近で行った人を知っているか」という質問には90%の人が「知らない」と答えていることから、実施している人はまだ少数のようです。そのため、本人が希望していたとしても家族に難色を示されることがあります。また散骨してしまうと遺灰が残らないことも反対される理由の一つでしょう。

 

希望通り自然葬を行ってもらうためには、生前のうちに家族や親族、友人などにその意思を明確に伝えた上で了承をとっておくことをおすすめします。

 

そうした機会がない場合は、遺言書や尊厳死の宣言書、エンディングノートなどに記し、故人の強い希望であることを周囲に知らしめることも有効でしょう

 

自然葬の種類

自然葬には、海や山などに遺灰を撒く「散骨葬」、樹木の下に埋める「樹木葬」、成層圏から散骨する「宇宙葬」など様々な種類があり、それによってかかる費用が異なります。

それぞれの違いと費用について紹介します。

 

散骨葬

日本の海

散骨葬とは、遺骨を粉にして、海や山、川などに還す葬送のことを言います。「散骨」「海洋散骨」とも言われます。

 

散骨葬を行うためには、遺体遺棄と間違われないよう遺骨を2mm以下のパウダー状に砕かなくてはなりません。遺族で粉骨するとお金はかかりませんが、精神的にも肉体的にもキツイ作業になるため、業者に依頼します。委託代金は1万円台~3万円台と業者によって開きがあります。料金のみならず内容を聞いてから選びましょう。

 

粉骨した後はどこかに散骨しなければなりませんが、どこに散骨するのか、またそこに遺族も立ち合うのかによって料金が異なります。自宅の敷地内であればお金はかりませんし、遺族によって山や川などに散骨する場合も、交通費程度の負担で済みます。しかし海洋などの特殊な場所の場合、業者を手配しなくてはならず、それなりの出費を伴います。

たとえば国内で海洋散骨をする場合、他者と合同で行う「合同海洋散骨」の相場が約10万円前後に対し、遺族が船をチャーターした場合、料金は30万円~50万円ほどに跳ね上がります。

 

法律上の問題は?

散骨は、死体等遺棄罪(刑法190条)と墓地・埋葬等に関する法律(墓埋法)に触れるのかという問題があります。

しかし死体等遺棄罪は、死体などをそのまま放置したり、捨てたりすることを罰する法律であり、粉砕した遺骨がこれにあたるとは考えにくく、墓地・埋葬等に関する法律についても、墓地・埋葬等の扱いについて定めた法律のため、散骨の禁止には触れていません。

葬送のための祭祀として節度をもって行われる限り、法律上は問題ないと考えられています。

 

樹木葬

百日紅

樹木葬とは、木を墓標の代わりにする葬送です。

土の中に遺灰を埋め、そこに木を植える方法と、木の根元に遺骨を撒く方法があります。

寺院や墓苑で永代供養をしてくれるところが多いため、管理や継承者を必要としないことから、単身者などにはおすすめです。

また、「家」単位ではなく「個人」のお墓なので、家族以外の人や、ペットと一緒に入りたいという希望をかなえてくれる墓苑もあるようです。

 

近年では公営の樹林墓地が誕生していますが高い倍率を誇り、人々の関心が高いことが分かります。費用は公営霊園で約4〜70万円、民営霊園で約30〜100万円ほどで、墓地の運営母体、立地などにより大きく異なります。いずれにしても、墓石を建てるよりは割安なことも人気の一つです。

 

墓標にする木は、指定されることも、選べる場合もあり、墓苑によって異なります。一番人気なのは桜で、他にはハナミズキや百日紅(さるすべり)、椿、ユキヤナギなど、様々な種類の木が使われています。

当然ですが埋葬後に遺骨は取り出すことはできないので、その点はあらかじめ理解しておく必要があります。

 

宇宙葬

星空

まだあまり知られていないので初めて知った方も多いのではないでしょうか。宇宙空間に遺灰を散布する豪快な葬送です。

バルーンを成層圏に飛ばし、破裂させることで散骨する方法と、ロケットなどで遺灰を宇宙空間まで運び、永遠に漂わせる方法があります。費用はバルーン方式で約25万円、ロケット方式で約50万円です。ロケット方式の実施は外国で行われるため、見送りを希望する場合は、別途渡航費用が必要になります。

 

これから自然葬は増えていくことが予想される

家族葬や密葬など、近年では葬儀のあり方がシンプルになりつつあります。

ライフスタイルの変化や少子化などにより、お墓の継承や永代供養が困難なことや、死生観の多様化などにより、今後も自然葬は増えていくと思われます。

「大切な家族には負担ではなく、思い出だけを残す」。そのような考えが一般的になる日が来るのかもしれませんね。

 

出典:

※1「NPO法人 葬送の自由をすすめる会」ホームページ

※2 海洋散骨に関するアンケート 調査報告書 

この記事を書いた人
One's Ending編集部
関東の遺品整理専門会社(株)ワンズライフのメディア編集部です。 遺品整理、生前整理、空家整理に関することから、終活、相続税に関することまで。人生のエンディングにまつわる、役に立つ情報やメッセージをお届けしていきます。
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