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2017.09.04 (2022.07.12 One's Ending編集部 加筆)

葬儀や納骨の手配と基本的な流れとは

急に身近な方の訃報を受けたとき、どんなに気丈な方でも、気が動転して頭が真っ白になるものです。
しかし、近しい家族が亡くなったときほど、悲しみに浸ることができません。
身内が亡くなったあとは、すぐに葬儀の準備を始めなければならないからです。
そうはいっても、葬儀の準備を何から始めたらよいのかわからないという方が大多数でしょう。
そこで、今回はご臨終から葬儀、納骨までの流れをわかりやすく解説します。
葬儀については地域や宗旨宗派、遺族の意向によってさまざまな営み方がありますが、ここでは一般的な例をご紹介しましょう。

ご臨終から葬儀までの流れと日程

ご家族や身近な方が亡くなってから葬儀や火葬までの時間は約3日間。
時間的な余裕がないなかでさまざまな手続きや段取りを進めなければいけないので、事前にやるべきことの手順や日程を知っておくとよいでしょう。

亡くなった時間によって日程は異なりますが、日本の法律では感染症などが原因でのご臨終を除いて、亡くなったあと24時間以内に火葬をすることはできません。(※)
このため、およその流れは以下の通りです。

1日目:ご臨終~葬儀の打ち合わせ

ご家族や身近な方がご臨終された当日は、医師から死亡診断書を受け取り、葬儀の打ち合わせをします。
葬儀全般を依頼する葬儀社を早い段階で決めれば、ご遺体の搬送や納棺もすべてお任せ可能です。
ご家族や親族、ご友人にもご臨終の旨を連絡し、遠方に住んでいる親族にはお通夜や葬儀に間に合うように来訪してもらいましょう。

 

また、故人のご臨終に立ち会っていた遺族も、葬儀の打ち合わせの合間に自分自身の準備をします。葬儀に参列するための喪服を持参したり、喪主は挨拶文を考えたりしましょう。

 

お通夜の際は、喪主も一般の参列者も服装はブラックスーツなど略式喪服で構いません。しかし、葬儀では喪主や遺族はいわゆる喪服を着用するのが無難です。お通夜までの時間に準備しておきましょう。

 

2日目:お通夜を営む

故人が午前中の早い時間帯に亡くなったときは、お通夜をご臨終当日に営む場合もあります。
しかし、一般的にはご臨終の翌日がお通夜の日です。
お通夜の際、遺族には参列者への挨拶、通夜振る舞い、読経してもらう僧侶への心づけなど、さまざまな役割があります。
お通夜や通夜振る舞いのあと、故人と最期の夜を過ごす「寝ずの番」を行うのが一般的です。

 

3日目:告別式~火葬式

お通夜の翌日の午前中に、葬儀・告別式が営まれます。
告別式が終わると出棺し、そのまま斎場へ移動。近親者や親族のみが斎場へ同行し、火葬式が行われます。
遠方から集まった親族が多い場合には、火葬式のあと初七日法要を行うケースもあります。

※出典:厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号)

 

身近な方が亡くなったらすぐに行う手続き

身近な方が亡くなったとき、すぐに行うべきことがあります。
亡くなった場所や状況によって手順が異なりますので、落ち着いて対応しましょう。

 

空に召されるイメージ

 

死亡診断書をもらう

死亡診断書は医師によって作成してもらう書類です。
ご遺体を安置場所に搬送させる際に必要となります。故人が亡くなった場所によって作成の手順が異なりますので注意しましょう。

病院や介護施設

病院や介護施設内でご臨終の場合、担当医によって死亡診断書が作成されます。
遺族からとくに申し出がなくても、作成されるものだと考えてよいでしょう。

自宅や外出先

自宅や外出先で急死された場合には、事故死などの懸念があるため、警察による検死が必要です。
ご家族が自宅で急に亡くなったら焦ってしまうものですが、慌ててご遺体を動かさず、警察に連絡しましょう。
監察医によって「死体検案書」が作成されます。 

在宅療養中の場合

在宅で療養中だった場合、急変したら早めにかかりつけ医を呼びましょう。
もしくは、救急車で搬送してもらいます。在宅療養中に自宅で亡くなった場合には、かかりつけ医が死亡診断書を作成します。

 

葬儀社を決定する

亡くなった場所がどこであっても、早めに葬儀社を決めなければなりません。
とくに希望がない場合、大きな病院では提携している葬儀屋があり、すぐに駆け付けてくれます。
また、故人が終活の一環で葬儀社と契約したり葬儀保険に入っていたりすることもありますので、注意しましょう。

 

葬儀社との生前契約では、故人が葬儀料金を先払いしているため、遺族の経済的な負担が少なく済みます。
葬儀保険も、亡くなったあとに葬儀費用に充てるためのものです。
今後終活をするうえで葬儀保険の加入を検討している方は、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

【関連記事】終活時に検討したい葬儀保険について解説

 

安置場所にご遺体を搬送する

葬儀社が決まったら、ご遺体を安置場所に搬送します。
安置場所は斎場や自宅などが一般的ですが、空き状況や季節によって決めましょう。
病院でご臨終されたとき、ご遺体は霊安室に移されますが、2時間ほどで搬送しなければなりません。
この時点で葬儀社が決まっていない場合には、ご遺体の搬送のみを病院が提携している葬儀屋に依頼し、改めて葬儀社を検討することもできます。

霊柩車

葬儀までに行うことや打ち合わせで決めること

ご遺体を安置場所に搬送し、お通夜が始まるまでに行うことを解説しましょう。
この時間帯に、訃報を受けた家族や親族が集まってきて、故人を囲みます。
遺族間や葬儀社との打ち合わせにあてる重要な時間帯です。

役所関係の手続き

短い時間内で行わなければならない、役所関係の手続きは以下の2つです。
・死亡届を市町村役場の窓口に提出する
(提出は死亡地・本籍地・住所地の役所に限る)
・死体火葬許可申請書を提出し、死体火葬許可証を交付してもらう

 

死亡診断書や死体検案書を持参すると、死亡届を提出できます。
また、死亡届と一緒に死体火葬許可申請書を出しましょう。死体火葬許可証がなければ火葬ができません。
役所への手続きは、葬儀社のスタッフが代理で行えるものですので、お任せしましょう。

 

葬儀に関する打ち合わせ

ご臨終後すぐに、どのような葬儀にするのかを打ち合わせる必要があります。
故人や遺族の希望を考慮して、みんなが納得する葬儀を営めるようにしましょう。

親族間で決めること

故人がご臨終したあと、残された家族は悲しみのなかにいますが、すぐに葬儀について検討し始めなければいけません。
葬儀に関して、親族間で決めることは以下の通りです。

 

・誰が喪主を務めるのか
・葬儀の案内を送る範囲を決め、参列者の人数を把握
・葬儀の宗教形式・宗派の確認
・宗教者を手配する必要があるか(故人の菩提寺がある場合は要確認)
・葬儀の規模やサービス内容、金額などのすり合わせ
・祭壇・仕出し・宿泊の規模や人数など
・御遺影の写真選定
・葬儀を手伝ってくれる方や挨拶してくれる方への依頼

 

葬儀の詳細は葬儀社のスタッフとの打ち合わせで決めますが、親族間では大まかにどのような葬儀を執り行うのかを検討しましょう。
一般の葬儀なのか、家族葬なのか。
参列者の人数はどの程度になるかなどについて、親族間で話し合っておきましょう。

葬儀社と打ち合わせること

葬儀社と打ち合わせることは以下の通りです。
・葬儀の日程と場所を決定する(希望の場所があれば空きを確認してもらう)
・葬儀社のサービス内容や料金を聞き、葬儀のタイプを決定する
・火葬場の空きを確認してもらう
・お棺・祭壇・供花・香典返しの品物などを選択する

 

葬儀社との打ち合わせは主に喪主が行います。
しかし、喪主というのは、さまざまな連絡や手配に忙しく、すべてを任せるには負担が大きい役割です。
冷静に対応し、相談できる方が一緒に進めることをおすすめします。

 

お通夜・葬儀・納骨までの流れ

菊の花と数珠

 

故人が亡くなった当日、もしくは翌日の夜にはお通夜が営まれます。
お通夜・葬儀(告別式)・納骨の流れを解説しましょう。

 

お通夜

故人とお別れをする一連の儀式のなかで、最初に行われるのがお通夜です。
お通夜とは、もともと家族や親しい友人が集まって、葬儀の前に最期の夜を過ごすもの。
夜通しで故人と過ごすことから、「通夜」と呼ばれたのです。

 

しかし、現代では葬儀の前夜に行われるお別れの儀式のことを「お通夜」と呼ぶのが一般的。
現代のお通夜は1~3時間程度で終わることから、「半通夜」とも呼ばれます。

 

仏教式でお通夜を行う場合、僧侶による読経や焼香などがあります。
喪主や遺族は、僧侶への車代や弔辞の依頼などを事前準備することが必要です。
また、お通夜のあとに参列者を招いて行う食事会「通夜振る舞い」を行う際は、食事や飲み物も手配しましょう。

 

通夜

葬儀・告別式

葬儀や告別式は、お通夜の翌日に営まれるのが一般的。
葬儀と告別式は、どちらも故人にお別れをする儀式です。
葬儀はあの世へ故人を送り出す宗教儀式で、告別式は宗教色の薄い社会的なお別れの儀式といえます。 

お葬式

葬儀・告別式の流れ

宗旨宗派や宗教色のあるなしに関わらず、弔辞やお別れの言葉などがあります。
そして、葬儀・告別式が終わると出棺し、火葬場へ移動となります。
葬儀・告別式を行う会場と火葬場は離れていることが多いため、参列者の人数を確認のうえ、タクシーやマイクロバスなどを手配しておきましょう。

葬儀・告別式のあとは火葬

火葬場には家族や親しい友人が赴き、火葬に立ち会います。
1~2時間後火葬が終わるまでの間は、お菓子を食べたりお茶を飲んだりしながら参列者同士で故人を偲ぶ時間です。
喪主や遺族はお菓子や軽食などを準備しておきましょう。

 

火葬が終了したら骨上げ・拾骨のあと、火葬場から埋葬のために必要な埋葬許可証を発行してもらいます。
その後、「還骨法要」という読経をしてもらい、参列者は焼香をします。これで一連の葬儀が終了です。

骨上げ・骨拾い

葬儀が終了すると、遺族に少し落ち着ける時間がやってきます。

その後も役所関係や相続の手続きなどはありますが、ご臨終から葬儀まで精神的にも肉体的にも疲れているはずですので、ゆっくりする時間をとりましょう。
葬儀が終わってから四十九日法要までに行うことは、以下の記事で詳しく解説しています。

 

【関連記事】葬儀が終わってから忌明けまでの流れとは?

 

納骨

納骨とは、骨壺に納めたお骨をお墓や納骨堂に納めることです。
納骨の際には「納骨式」を行い、仏教の場合には僧侶に読経してもらいます。
納骨式は身内だけで行い、式のあと会食を行うのが一般的。
納骨までの期日に法的な規定はありませんが、四十九日の法要と「精進落とし」の会食に合わせて行うことが多いようです。
また、火葬を終えた当日に納骨することもあります。
新しくお墓を建てる場合には、納骨まで骨壺は自宅で保管しておいて構いません。
一周忌やお彼岸などの法要に合わせて、遺族の都合のよいタイミングで納骨しましょう。

 

骨壺

 

葬儀における注意点

慌ただしく準備を進めなければいけない葬儀ですが、注意したいことがあります。

 

故人の預貯金口座は勝手に引き出さない

故人の死亡が確認されると、相続の手続きが完了するまで預貯金口座は凍結されます。
勝手に引き出せる状態にあると、相続人同士が揉める恐れがあるからです。

 

しかし、凍結されるのは、あくまでも金融機関に本人死亡のお知らせを提出してからとなっています。
つまり、本人の口座から現金を引き出し、葬儀費用に充てることは可能です。
その場合には、ほかの相続人の了解をとり、揉め事のもとを作らないようにしましょう。
ATMなどの利用明細や引き出した現金、葬儀費用などを細かくメモに残しておくのをおすすめします。

 

参列者の記録をつけておこう

お通夜や葬儀では、参列者に受付で芳名帳への記入をしてもらいます。
住所や氏名が書かれた芳名帳は、とても大切な参列者の記録です。
葬儀が終わったあと、記憶が鮮やかなうちに、参列者と交わした会話なども記録しておくと、今後もなにかと役立つものになるでしょう。

 

遺族も知らなかった故人の友人やお世話になった方の連絡先がわかるからです。
また、特別な供物をいただいた場合にも、その旨を書き込むとよいでしょう。
葬儀後にお礼をしたり、次の法要の案内を送ったりする際に役立ちます。

 

参列者に対しては、葬儀の受付で香典返しを渡すのが一般的です。
しかし、葬儀に際し特別にお世話になった方には葬儀後にお礼をすることもあります。
葬儀後のお礼についてのマナーは次の記事に詳しく書いていますので、ご参考にしてください。

 

【関連記事】葬儀後のあいさつ回りとお礼のマナー

 

香典返し

葬儀後から納骨までの期間に行う手続き

故人が亡くなってから14日以内までに行う手続きは以下のものです。
葬儀後落ち着いてから、忘れずに行いましょう。

 

・年金受給停止の手続き
・世帯主の変更届・住民票の抹消
・健康保険資格喪失届
・介護保険資格喪失届

 

おわりに~葬儀は遺族の寂しさを和らげてくれる~

実際に経験した人なら理解できると思いますが、葬儀はかなり慌ただしく、親族は短時間で多くのことをこなさなくてはなりません。
葬儀までの流れや進め方がわからないとなおさら混乱してしまうので、ぜひ今回の記事を参考にしてください。

 

葬儀には故人を偲んで多くの方が集まってきます。
なかなか会う機会のなかった方と再会したり、家族も知らない故人の一面を見出せたりと、貴重な時間を過ごせるのです。
慌ただしすぎて、ゆっくりと故人とお別れできないと感じる遺族もいらっしゃるでしょうが、葬儀の忙しさによって寂しさが和らぐという考えもあります。

 

現在は従来の形式だけでなく、家族だけで行う「家族葬」やお通夜を行わない「一日葬」など、さまざまな形の葬儀があります。
故人の希望や家族の意向を考えながら、納得できる葬儀を執り行うために生前にエンディングノートに書いておいたり、ご家族で話し合っておくことをおすすめします。

 

 

この記事を書いた人
One's Ending編集部
関東の遺品整理専門会社(株)ワンズライフのメディア編集部です。 遺品整理、生前整理、空家整理に関することから、終活、相続税に関することまで。人生のエンディングにまつわる、役に立つ情報やメッセージをお届けしていきます。
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