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2018.12.25

親の家を片付けるときに気を付けたい、OKワードとNGワード

「久しぶりに実家に帰ってみたら、家の中が物であふれていた」という経験はありませんか。「あんなにキレイ好きだった母親に何があったのだろう」、「もしかしたら認知症なの?」と、驚かれる人も少なくないことでしょう。整理整頓ができなくなった理由は、高齢者の身体機能に関係しています。高齢になると著しく筋力が低下するだけでなく、関節痛など曲げ伸ばしも困難になり、重いものを持ったり、低い位置から物を拾い上げる動作に大きな負担が伴うため、これまで通りの片づけが困難になります。

散らかっている家は、物につまずいて転倒する危険があるほか、亡くなった際に貴重品がどこに保管されているか分からなくなるなどの問題が発生します。しかし「片付けなさい」などと言えば親の機嫌を損ね、厄介な状況を招くことになるでしょう。実家の片づけを円滑に行うためのOKワードとNGワードをピックアップしました。ネガティブな言葉はポジティブに変えて親と一緒に楽しく片づけましょう。

親の家を片付けるメリット

笑顔の高齢夫婦

高齢者の身体状況は、両手足に重りを付けて、視野の効かないゴーグルをはめているようなもの。関節可動域に制限があり、思うように動けません。介護などのイベントで「高齢者体験スーツ」を着用する機会があれば是非試してみてください。そのような体で昔のように整理整頓することは大きな負担を伴います。決してズボラになったわけではないのです。

高齢者特有の物を大切にしすぎる「もったいない」という意識も、物を増やす原因になります。知らず知らずのうちに物があふれ、「汚屋敷」状態を作り出してしまうのです。整理整頓されていない家は、高齢者にとって危険地帯と言えます。無造作に散乱している物に足を引っかけて転倒する恐れがありますし、古い食品を食べることで健康被害を誘発します。室内に腐ったものを放置すると不衛生ですし、貴重品とそうでないものが混在していると、亡くなったときの遺品整理に時間が割かれます。親の安全な暮らしと生前整理の意味を込めて、実家の片づけは早めに行いましょう。

OKワード、NGワード例まとめ


高齢者が抱える心身の状態も理解せず、「こんなに汚い家は不衛生だ」「片付けないと危ない」と頭ごなしに叱っては話をこじらしてしまいます。「心配だよ」、「危険がないように整理しようね」など親の気持ちに寄り添う言葉を心がけてください。片付けをスムーズにする「子どもが使うOKワード、NGワード例」をまとめてみました。

OK例:「地震がきたときに崩れて危ないから、ここを片付けよう」

東日本大震災で犠牲になった人は高齢者が多く、60歳以上が65.2%を占めています。調査を行った警察庁は「自宅から逃げ遅れた高齢者が犠牲になったのではないか」と分析しています。地震の場合、家具だけでなく、家そのものが崩れる危険があります。「地震で家具の下敷きになったり、逃げ遅れないようにしましょう」と伝え、倒れそうな家具は金具などを使って壁や天井にしっかりと固定するとともに、廊下や玄関などの不要なものを整理するなど、出来るだけ早く逃げ出せるように片付けてください。

OK例:「つまづいて転ばないように、ここを整理しようね」

厚生労働の人口動態調査によると「不慮の事故」に分類される項目で、転倒事故による死亡が窒息死に次いで2番目に多く、その大半を高齢者が占めていると報告されています。歩行能力は65 歳以降で徐々に低下し、男性80歳以降、女性75歳以降になると日常生活に支障をきたすようになります。

その理由は加齢による筋力の低下、バランス能力の低下との関連がある他、脳梗塞などの脳血管障害やパーキンソン病、心臓血管障害、運動器疾患などとの関連もみられます。高齢者は骨密度が低く、一度骨折すると骨がつながりにくいことから、転倒しない対策が必要です。「転んで骨折しないように、必要な物だけ残して片付けよう」と言い、通り道になる動線の移動がスムーズに行えるようにしてください。

OK例:「今まで大事にとってくれてありがとう。自分の部屋は自分で片付けるね」

親が亡くなった後に実家に住む予定がない場合は、そこに残されている自分の物も整理しましょう。懐かしい品々を前に思い出話をしながら親や自分の子どもと一緒に整理を行うのもいいかもしれません。状態のよい玩具など、コレクターが多いアイテムは高値を付けることがあるので、思わぬお宝が眠っているかもしれませんよ。

OK例:「床に何もないと、孫が安心して遊べるから喜ぶよ」

ハイハイをし始めたり、よちよちと歩き出す子どもは可愛いものです。しかし目を離すと別の場所にいたりするので要注意です。よちよちでも、ちょっとした段差を超えることができますが、よく転んでしまいます。よろけた赤ちゃんは手で体を支えることも、受け身をとることもできず頭から落ちてしまいます。家の中の段差や、座布団やクッション、敷ふとんの縁等で転ぶことが多いので、「赤ちゃんが元気に遊べるよう片付けましょう」と言いながら床の物をどかしておきましょう。

NG例:「こんなのいつ着るの?」

サイズが変わって着れなくなった、流行遅れ、飽きてしまったなど、クローゼットやタンスに着なくなった服をしまい込んでいる人は少なくありません。他人からすれば「気ない服を何故捨てない」と思いますが、思い入れがあったり、いつか着るかも知れないなど、捨てられない理由があります。「こんなのいつ着るの?」などと言わず、「着ない服を少し整理しましょうか」と問いかけてみてください。

NG例:「こんなのとっておいてもしょうがないでしょ」

物が少ない時代に育った高齢者は、さまざまなものを大切に保管しています。特に多いのが空き箱や包み紙、ショッピングバッグなどを「何かに使うかもしれない」と貯め込んでいる人が多いです。「こんなのとっておいてもしょうがないでしょ」などと言ってしまうと角が立ちます。「1年以上使っていないなら、捨てましょうか」と、優しく処分を促してみてください。

NG例:「こんなに食材いらないでしょう」

一人暮らし、または高齢者の夫婦世帯なのに、冷蔵庫にたくさんの食材が詰め込まれているのを見たら思わず発してしまいそうな言葉です。でも、ちょっと待ってください。それは子供や孫のために手料理をふるまうために買い揃えた物かも知れません。「この食材、どうするの」と尋ね、手料理をふるまう予定を聞いたなら「一緒に作ろうよ」「何か手伝うよ」という言葉をかけることで、笑顔が広がりますよ。

NG例:「ゴミの分別ができていないよ」

「燃えるゴミ」「燃えないゴミ」「資源ゴミ」などの大きな分け方のみならず、ゴミの捨て方には様々なルールが定められています。自治体によっては細かく分別しなくてはならず、高齢者は対応に一苦労しています。もし分別が不十分でも叱責するのではなく「一緒に分別してみよう」と、実際に行って処分方法を覚えてもらうことが大切です。

NG例:「困るのは私なんだから、片付けて」

この言葉には「遺品整理をするのは私なんだから」という意味が含まれ、高齢者の心に暗い影を落とすことします。「もうすぐ死ぬとでもいうのか」など、怒りを買ってしまえば親子関係に亀裂が入りかねません。「どこに何があるかわからないので、一緒に片付けて」と協力してもらう提案を行ってください。

親子のコミュニケーションを楽しみながら、お片付け

子どものころに住み慣れた実家も、今は親が暮らす「ひとの家」です。「汚れている」「片付けて」「やってあげる」の3つの言葉は親をカチンとさせ、「もう、アンタの家じゃないんだよ」と拒絶させる原因になります。さりげなく片付けてあげたいのなら、玄関や庭の整理から始めることをお勧めします。

親子ではあっても室内にあるものを捨てる際には、親への確認が必要です。片付けている中で、たくさんの懐かしいものが出てくると思います。「あの時買ったものだね」「懐かしいけど、もう使わないね」など、コミュニケーションを楽しみながら整理してみてください。

この記事を書いた人
One's Ending編集部
関東の遺品整理専門会社(株)ワンズライフのメディア編集部です。 遺品整理、生前整理、空家整理に関することから、終活、相続税に関することまで。人生のエンディングにまつわる、役に立つ情報やメッセージをお届けしていきます。
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