遺品整理をしていて扱いに困る遺品って何だと思いますか?もちろん現場ではいろいろな物がその方の人生を象徴していますので、これをそのままゴミにしてしまうのはどうなんだろう…そんな物の一つが写真やアルバムなんです。まず、その量と長い年月の埃などの扱いに戸惑うご遺族様も多いですね。と言っても故人の年代によって写真やアルバムの量は違います。
たとえば故人がデジタル世代かアナログ世代かというのも遺品の中に写真やアルバムがどのくらいあるかに大きく違いが出て来ます。もちろん80代でもパソコンやスマートフォンを日常的に使いこなしている方がいるかと思えば、どうもメールやSNSは苦手という20代もいますから、一概にひとくくりで判断するのはどうかと思いますが、まだほとんどのご家庭では写真は紙ですしアルバムも何冊かお持ちだと思います。
ここに世界経済や日本社会の動向も関係してくると、例えば消費が美徳として奨励された時代に生きた世代や逆に断捨離(ダンシャリ)やシンプルライフを生き方として選ぶのがあたりまえの世代でも違ってきます。
断捨離(ダンシャリ)とは、ヨーガの行法である断行(だんぎょう)・捨行(しゃぎょう)・離行(りぎょう)を応用し不要な物を断ち、捨てることで、物への執着から離れ、自身で作り出している重荷からの解放を図り、身軽で快適な生活と人生を手に入れることが目的である。 (Wikipediaより)
つまり物をこれでもかと買う人と、これでもかと捨てる?人、その中間をいったり来たりの人がいるということです。私などは完全に中間をいったり来たりですね。
遺品整理をご依頼いただいたお客様から良く聞かれるのは、最初は自分たち兄弟姉妹でやろう思っていてたのだけど、手をつけたらとんでも無い量で疲れてしまった、最初から誰かに頼めば良かったという感想です。
自分の写真やアルバムを整理するのもままならない忙しい毎日の私たちです。いくら遺品とは言え、人生の記録の写真やアルバムを遺品として整理する時は相当骨が折れる作業だと思っていたほうが良いでしょう。もちろん故人を偲ぶ大切な時間になることは間違いないです。
私たちのような整理専門の業者が遺品整理に入らせていただく場合は、ご遺族の希望も千差万別ですから、あらかじめご遺族からご希望をお聞きし、まずは大まかに写真やアルバムを仕分けます。その上で残しておきたいものを選抜していただくときもあれば、ご遺族と一緒に目を通させていただきながら取っておくもの搬出するものに仕分けるときもあります。
この写真さがしていたんです!懐かしいな、そんな笑顔がご遺族から出てくることもあります。また、ふと手をとめて涙ぐむ場面に遭遇することも多々あります。そんな時には思わずこちらまで目頭が熱くなりますね。
あと20年もすると写真は全てメモリースティックやクラウド上のストレージサービスに入っている、そんな遺品整理の現場も増えてくるのかもしれません。