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2023.10.13

美術品や骨董品の相続税~評価方法や相続対策を解説

高価な美術品や骨董品を所有している場合、自分が亡くなった後の相続について考えておく必要があります。
特に人気のある物や希少性の高い物は購入時よりも値上がりすることが多く、思っていたよりも相続税が高くなってしまったというケースも少なくありません。
残された家族に負担をかけないためにも、生前のうちに美術品や骨董品の相続対策を講じておくことが大切です。

今回は、美術品・骨董品の相続を取り上げ、知っておきたい評価方法や相続対策についてわかりやすく解説します。

美術品は相続税の対象となる

相続税とは、故人の財産を相続する人にかかる税金のことです。
課税対象となる財産には、現金や預貯金、株式・債権などの有価証券、土地・建物などの不動産のほか、故人が所有していた美術品や骨董品も含まれます。

 

美術品や骨董品はその価値がわかりづらく、実際に鑑定してみると想像以上の評価額がついたということもあり得ます。
相続財産に含まれる美術品の評価額は、高額であればあるほど相続人が支払う相続税に大きな影響が及びます。
まずは美術品がどのような方法で評価されるのか理解し、自分が亡くなった後の対応についても早いうちから考えておくことをおすすめします。

 

美術品の評価方法

美術品や骨董品などの動的な相続財産については、相続税法第22条「評価の原則」に基づき、相続が開始された日の「時価」により評価されます。
物理的な価値だけでなく、人気や希少性などの付加価値もあわせて評価することがポイントです。

 

美術品や骨董品の時価を判断する基準としては以下の4つが挙げられます。

 

①専門家による鑑定価格
②買取業者による査定価格
③販売価格(同じ物が販売されている場合)
④購入時の価格(最近購入した場合)

 

販売価格や購入時の価格を基準にすれば、相続人自身が評価を行うことも可能です。
しかし、自己判断による評価は客観性に乏しく、税務署によっては専門家が発行する鑑定書や証明書がなければ正式に認めないというケースもあります。
そもそも高価な美術品・骨董品になると同等の物が市場に出回っていないことも多く、素人がその価値を適切に判断するのは難しいといえます。

 

買取業者に査定依頼するにしても、美術品や骨董品以外にも幅広い品を扱う業者では市場の付加価値をつけてもらえない可能性があります。
やはり美術品であればそれを専門に行う鑑定業者に依頼するのが最も確実な方法と考えられます。

 

美術品の相続対策

美術品や骨董品の相続対策には以下のような方法があります。

 

美術品の専門家に鑑定してもらう

美術品や骨董品は「時価」による評価となり、この評価額は税務署ではなく所有者側で算出する必要があります。
同等品が売られている場合は販売価格、購入したばかりの物であれば購入価格を基準とすることもできますが、できれば美術品・骨董品の鑑定が専門の鑑定士などに依頼するのがおすすめです。
専門の鑑定業者は常に美術品に関わる最新情報を集めているため、根拠のある市場価格をもとに精度の高い算定を行うことができるからです。
美術品の所有者(被相続人)も、生前のうちに現時点での評価額を把握しておくとよいでしょう。

 

美術館への寄贈を検討する

2018年の税制改正により、「特定の美術品に係る相続税の納税猶予制度」が新たに設けられました。
これは、重要文化財や登録有形文化財などの指定を受けている特定美術品について、被相続人が生前のうちに美術館に寄託している場合に、その美術品に課される相続税額の8割が猶予される制度です。
被相続人の死亡後、それを受け継ぐ相続人が寄託を続ける場合に適用されます。
手続きは大変ですが、特定美術品を所有している場合には相続税を大幅に節税できるため、該当する方は早めに税理士に相談することをおすすめします。

 

客観的な証拠を残しておく

美術品・骨董品の所有においては、購入時の領収書や売却時の見積書、各種契約書などを客観的な証拠として残しておくことも重要です。
将来的に相続や贈与となった場合に、これらの書類は美術品の価値を示す根拠として活用することになるからです。
相続人に負担をかけないためにも、美術品・骨董品に関連する書類はまとめて保管し、エンディングノートなどにも記載しておくとよいでしょう。

 

まとめ

故人が所有していた美術品や骨董品を相続する場合には相続税がかかります。
これらは相続開始日の時価によって評価する旨が法律で規定されており、主な判断基準として「鑑定価格」「査定価格」「販売価格」「購入時の価格」の4つが挙げられます。
精度の高い時価評価額を算出するためには、美術品・骨董品を専門に扱う鑑定業者に依頼することをおすすめします。

 

遺品整理の専門会社「ワンズライフ」では、すべての遺品を目視して一つ一つ手で仕分けており、重要と思われる品を見つけた場合には作業終了時に要否をご確認いただいています。
相続に関する書類がなかなか見つからないという場合も、目視と仕分けを徹底することでほとんど発見できるものです。

 

遺品整理や生前整理をお考えの方は、ワンズライフまでお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人
One's Ending編集部
関東の遺品整理専門会社(株)ワンズライフのメディア編集部です。 遺品整理、生前整理、空家整理に関することから、終活、相続税に関することまで。人生のエンディングにまつわる、役に立つ情報やメッセージをお届けしていきます。
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