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2021.01.12 (2025.10.27 One's Ending編集部 加筆)

葬儀後のあいさつ回りとお礼のマナー

家族が亡くなると、遺族はすぐさま通夜や葬儀の手配をし、故人をお見送りします。そのあとに行わないといけないのが、お世話になった方へのあいさつ回りです。しかし「誰に挨拶回りをすればいいの?」「いつまでに挨拶回りをするの?」など、わからないことも多いのではないでしょうか?

そこで今回は、葬儀後のあいさつ回りやお礼のマナーについて解説します。
香典返しの時期やマナー、直接手渡しする際に参考になるお礼と挨拶の例も紹介するので参考にしてみてください。

葬儀後に遺族がやることは何がある?

葬儀後は、あいさつ回りのほか、お金の支払いや法事・法要の準備、事務手続き、遺品整理など、やることが数多くあります。

混乱してしまわないよう、どんなことをするのか把握したうえで、スケジュールを立てて手際よく進めましょう。

 

【葬儀後に遺族がやること一覧】
・遺骨迎え
・香典の整理
・世話役からの事務の引き継ぎ
・各所への支払い
・挨拶回り
・香典返し
・法事・法要の準備
・納骨
・遺品整理や形見分け
・名義変更などの諸手続き

 

【関連記事】葬儀が終ってから忌明けまでの流れとは?

 

今回は、上記の中からお世話になった方へのお礼として行う「あいさつ回り」について詳しく解説していきます。

 

 

葬儀後のあいさつ回りとは?

「あいさつ回り」とは、喪家が故人に代わってお世話になった方のところへ伺い、お礼や感謝の気持ちを伝えることをいいます。

喪主自身が出向くのが基本ですが、喪主が未成年であったり、事情があったりしてどうしても行けない場合は、喪主に代わって代理人があいさつ回りを行うことも可能です。

喪主1人だけでなく、遺族の代表者と2人で伺う方が丁寧な印象を与えます。

 

しかし、いくら挨拶をするのが慣例だといっても、急に訪問すると相手を困らせてしまうかもしれません。

あいさつ回りをするときは、事前に連絡をして、先方の都合を聞いてから伺うようにしましょう。

 

葬儀後のあいさつ回り・お礼のマナー

あいさつ回りに伺う際は、どんなことに気を付ければよいのでしょうか?

失礼な印象を与えないよう、基本的なマナーを知っておきましょう。

 

あいさつ回りを行う時期はいつ?

あいさつ回りは、できるだけ早く行うのがおすすめです。

葬儀の翌日もしくは翌々日に伺うのがベストですが、事情があってすぐに伺えないこともあるでしょう。

その場合は、初七日までに挨拶回りを済ませるようにします。

 

あいさつ回りが必要な相手は?

あいさつ回りをする相手は「故人の葬儀に際してお世話になった方」です。

なお、挨拶回りに出向くときは、お礼の品(手土産)は持参しなくてもよいとされています。

ただし、手土産をお渡しすること自体は失礼にあたりませんので、時と場合に応じて手土産を用意するのがよいでしょう。

ここでは、挨拶をする相手ごとの基本的なマナーをご紹介します。

 

宗教関係者

寺院や神社、教会といった宗教関係者へのお礼は、葬儀・告別式の当日に行うこともあります。

ただし、当日に謝礼を渡していなかった場合は、葬儀の翌日もしくは翌々日に挨拶を兼ねて伺い、謝礼を渡しましょう。

 

弔辞をいただいた方や葬儀の世話役、葬儀委員長

葬儀当日にお礼を伝えているかもしれませんが、改めて挨拶回りをして感謝の気持ちをお伝えします。

遠方にお住まいで直接出向くことができない場合は、電話をするか、お礼状を送るようにしましょう。

なお、世話役や葬儀委員長には、お礼の品をお渡しすることもあります。

金額の目安は、世話役が3,000~5,000円程度、世話役代表や葬儀委員長が10,000~30,000円程度です。

 

ご近所の方

自宅で葬儀を行った場合は、人や車の出入りが激しくなるなど、ご近所の方にも迷惑をかけている可能性があります。

そのため、お詫びを兼ねて挨拶回りに伺いましょう。

近所の方には今後も何かとお世話になることも多いため、手土産を持参することも多いようです。

金額の目安は、2,000~3,000円程度となっています。

 

故人の勤務先

故人が会社に勤めていた場合は、勤務先に伺って挨拶をします。

当日は、お礼を述べたあとに故人の机やロッカーを整理しましょう。

勤務先に関しては、四十九日法要の後に香典返しをお渡しするため、手土産を準備する必要はありません。

 

ご自身の勤務先

ご自身が会社勤めをされている場合、勤務先の方が葬儀に駆けつけてくれることもあります。

また、忌引き休暇を取得している間は同僚や上司に迷惑をかけてしまっているため、出社後に挨拶回りを行いましょう。

はじめに直属の上司のところへ伺い、次に、同僚、部下の順で挨拶をします。

手土産は必ずしも必要なわけではありませんが、挨拶の際には菓子折りを持参する方が多いようです。

金額は2,000~3,000円程度が目安で、全員で分けられる個包装の菓子折りを用意するとよいでしょう。

 

あいさつ回りの時の服装は?

あいさつ回りの時の服装は、相手が目上の方でなければ平服で大丈夫です。

目上の方を訪ねる場合は、喪主は喪服を着ていきましょう。

カバンや靴、アクセサリーは華美なデザインを避け、光沢のあるものは避けます。

 

あいさつ回りのお礼の言葉を紹介

葬儀後のあいさつ回りの言葉は、お世話になったことへの感謝の気持ちを簡潔にまとめて伝えます。

以下に、あいさつ回りのお礼の言葉を相手別にまとめました。

 

宗教者へのお礼の言葉

「先日はご多忙の中、丁寧なおつとめを賜り本当にありがとうございました。おかげ様で、葬儀いっさいを滞りなく済ませることができました。心ばかりの品ではございますが、お納めいただけますと幸いです。今後とも、よろしくお願いいたします」

 

目上の方へのお礼の言葉

「お忙しい中ご会葬くださいまして本当にありがとうございました。○○様にお越しいただき、故人もさぞ喜んでいることと存じます」

 

世話役やご近所へのお礼の言葉

「葬儀では大変お世話になり、ありがとうございました。おかげ様で無事に葬儀を済ませることができました。遺族一同、感謝しております。今後とも、変わらぬお付き合いをよろしくお願いいたします」

 

香典返しのマナー

香典とは本来、葬儀にかかる費用を相互で補い合い、遺族の経済的負担を軽減するためのものでした。
本来は返礼をする必要はありませんが、現代では、忌明けの挨拶状に添えて品物を贈るのが一般的となっています。

最近は、通夜や告別式の当日に式場で会葬礼状と品物をお渡しする「即日返し(当日返し)」を行う方も多いようです。
ここでは香典返しを贈る時期や金額の相場、適した贈り物について詳しく解説します。

 

香典返しを贈る時期はいつ?

仏式の場合、基本的に忌明け頃もしくは四十九日当日から1ヶ月以内のタイミングで贈ります。
もしも香典返しのタイミングに間に合わなかったときは、ご挨拶が遅れてしまったことをお詫びする文言を添え、品物をお渡ししましょう。

香典返しに添える「忌明けの挨拶状」と、通夜や葬儀に参列してくださった方へお渡しする「会葬礼状」は別のものです。
香典返しや忌明けの挨拶状は多少遅くなっても構わないとされていますが、会葬礼状はなるべく早めに出すことをおすすめします。

 

・仏式……忌明け頃もしくは四十九日当日から1ヶ月以内
・神式……三十日祭か五十日祭頃
・キリスト教(プロテスタント)……1ヶ月後の昇天記念日のあと
・キリスト教(カトリック)……追悼のミサのあと

 

香典返しの金額の相場は?

香典返しは「半返し」といって、いただいた金額の半額程度の品物をお渡しするのがマナーです。
供花やお供え物など、現金以外の形でご厚志をいただいたときも、想定される金額の半額程度でお返しを準備します。

 

高額な香典をいただいた方へのお返しの相場は?

親族や故人と親しい方から高額な香典をいただいたときは、3分の1から4分の1程度の品物をお返しします。

また、即日返しの相場は2,000~3,000円程度ですが、高額な香典をくださる方がいると、即日返しの金額が半額に満たないこともあるでしょう。
そういった場合は、即日返しで不足した金額分の品物を準備し、忌明け後に改めてお渡ししましょう。

 

香典返しに適した贈り物・適さない贈り物

香典返しは弔事ですから「長く残らないもの」がよいとされています。
以下に、香典返しのギフトに適した品物と、適さない品物をまとめました。

 

【OK】香典返しのギフトに適した品物
・消え物……食べてなくなる消耗品は、ほかの人に不幸が及ぶのを消滅させるという意味を含んでいる。海苔、調味料、お茶やコーヒーなどの飲み物、お菓子(和菓子、洋菓子どちらでもOK)が定番。
・白い物……仏式では、仏の世界に白装束で旅立つことから、白い物を香典返しに贈ることも。シーツ、ハンカチ、タオルが定番。
・洗い流す物……不幸を洗い流すという意味合いから、香典返しの品物によく選ばれる。洗剤やせっけんが定番。

 

【NG】香典返しのギフトに適さない品物
・慶事に贈る物……結婚式や祝賀パーティーといった慶事の引き出物に選ばれるものは、弔事では贈らないほうがよいとされている。かつお節、昆布、お酒は避けた方が無難。
・四つ足生臭もの……四つ足の動物の肉や魚類は、宗教上の理由や地域の風習によってタブーとされていることが多いので、やめておいた方がよい。

 

最近はカタログギフトをお返しに選ぶ方も多い

香典返しのギフトに悩んだ際は、カタログギフトにするのもひとつの方法です。
肉や魚といったタブーな品物も、カタログギフトの中から選んでいただくのであればマナー違反にならないとされ、香典返しのギフトとして人気があります。

カタログギフトは、贈る側が価格やコースを決められるため、いただいた香典の金額に合ったカタログを選ぶことが可能です。
また、受け取った側はカタログの中から好きな商品を注文できることから、贈る相手を選ばないというメリットもあります。

 

香典返しの掛け紙のマナー&表書きの書き方

香典返しでは「のし紙」ではなく「掛け紙」と呼ばれるもので品物を包みます。
もともと、のし紙はお祝い事や記念品を贈るときに用いられるものですので、弔事の際には使用しないのがマナーです。
そのため、香典返しの贈り物は掛け紙といって、水引だけが印刷された紙を使います。

水引の色は、宗教や宗派、地域によっても異なりますが、藍銀、白黒、黄白から選ぶのが一般的です。
表書きは「志」が宗教を問わず使えます。
その他、関西では「忌明け」や「満中陰志」「満中陰」を使用することもあるようです。
水引の下には「○○家」と喪家の姓を書きます。

 

香典返しを贈る時のお礼・挨拶の言葉の例を紹介

遠方にお住まいの方には香典返しを配送することもありますが、できれば手渡しして、直接感謝の気持ちをお伝えしたいものです。
ここでは、香典返しを直接手渡しする際に参考になるお礼と挨拶の言葉の例を紹介します。

 

目上の方

「葬儀に際しましては、ご臨席とご厚志のお心遣いをありがとうございました。おかげ様で無事に○○(続柄)を見送ることができ、四十九日法要も滞りなくすませることができました。ささやかながら供養のしるしをお持ちしましたので、お納めください。今後ともどうぞよろしくお願いいたします」

まずは、参列いただいたこと、香典をいただいたことに対するお礼を述べます。
次に、香典返しの品をお持ちしたことを伝え、今後に向けてのご挨拶をするという流れです。
要点を押さえ、簡潔な言葉でまとめるようにしましょう。

 

職場の方

「葬儀の際はご臨席とお心遣いをいただき、ありがとうございました。おかげ様で無事〇〇(続柄)の葬儀を終えることができました。突然お休みをいただき、大変ご迷惑をおかけしたしました。本日から仕事に復帰しますので、どうぞよろしくお願いいたします」

目上の方へのご挨拶と同じく、はじめに参列していただいたことと、香典をいただいたことへのお礼を述べましょう。
次に会社を休んで迷惑をかけたことへのお詫びと感謝の気持ちを伝え、今後に向けての挨拶で締めくくります。

 

あいさつ回りの前に遺品整理を早めに行うべきか

故人が亡くなった後にすることのひとつに「遺品整理」があります。

遺品整理とは、故人の遺品を遺族が整理する作業のことです。

あいさつ回りのように「いつまでにするもの」と期限が決まっているわけではないため、葬儀後しばらくして、遺族の気持ちが落ち着いてから取り掛かっても問題ありません。

遺品の量が多く人手が必要なときは、親族が集まる四十九日の法要に合わせて遺品整理を行うこともあります。

 

【関連記事】遺品整理はいつから始める?失敗しないコツをご紹介

 

ただし、故人の自宅に借り物があった場合は、すみやかにお返ししないといけません。

もし故人に借り物があったことを知らず、そのままあいさつ回りに伺うと、先方が「貸していた物はどうなっているのだろうか」と不安に思うことでしょう。

返却期日を決めていた物を返さないまま時間が経ってしまうと、トラブルに発展する可能性もゼロではありません。

 

そのため、生前整理をせずに突然亡くなってしまったときや、家族が遺品の内容を把握できていないなど、事情によっては早めに遺品整理を始めた方がよいケースもあります。

 

遺品整理会社に依頼するという選択肢も

そうはいっても、葬儀後はやることが数多くある上に、遺族は心身ともに疲れ切っていますから、すぐに遺品整理に取り掛かるのは難しいでしょう。

ワンルームならまだしも、故人が一軒家に住んでいれば遺品の量は膨大ですので、それなりに時間がかかります。

 

もちろん大切な家族の遺品ですから、遺族がひとつひとつ確認して処分する物、形見分けするものを仕分けていきたいところですが、あいさつ回りやほかの手続きと並行して作業を進めるのはかなり大変です。

 

そういったときに頼りになるのが、遺族に代わって遺品整理を代行してくれる「遺品整理会社」です。

手際よく作業を進めてくれるため、遺品の片付けが1日~数日以内に完了します。

 

また、多くの遺品整理会社には、遺品の取り扱いや、業務を遂行する上での心構え、廃棄品に関する法令の知識を身につけた「遺品整理士」の資格を持ったスタッフが在籍しています。

 

遺品整理士は、単に家を片付けてきれいにするのではなく、遺品を“故人の生きた証”として遺族の気持ちに寄り添って業務にあたるため「故人の物を雑に扱われるかもしれない」という心配も不要です。

 

多くの整理会社は遺品の捜索も行ってくれるので、通帳や書類の捜索はもちろん「借りた物があるはずだが見つからない」といったときにも頼りになります。

 

まとめ

葬儀後はやることが多く大変ですが、お世話になった方へのあいさつ回りはできるだけ早く行うことが大切です。

香典返しは忌明けに行うことが多いとはいえ、品物や挨拶状の準備には時間がかかります。

諸々の手続きと並行しながら、余裕をもって準備を行いましょう。

今回は一般的な仏式のマナーをご紹介しましたが、弔事の慣習は地域や宗教によって異なります。

不明な点があれば、親族やご近所の方、葬儀社に相談するのがおすすめです。

 

近年は核家族化や少子高齢化が進み、昔のように親族でやることを分担したり、遺品整理を行ったりするのが難しいケースが増えてきました。

そういった葬儀後の負担を軽減するために登場したのが遺品整理サービスです。

 

「葬儀後にやることが多く困っている」「心身ともに疲れきっていて家の片付けまでできない」という方は、一度遺品整理サービスの利用も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

もしもそのような状況でお困りでしたら、ワンズライフへお気軽にご相談ください。

経験豊富なスタッフが、丁寧かつ迅速に対応いたします。

この記事を書いた人
One's Ending編集部
関東の遺品整理専門会社(株)ワンズライフのメディア編集部です。 遺品整理、生前整理、空家整理に関することから、終活、相続税に関することまで。人生のエンディングにまつわる、役に立つ情報やメッセージをお届けしていきます。
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