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2021.03.22

コロナ禍で注目されるオンライン葬儀(リモート葬儀)とは?

新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、葬儀の様子をインターネット配信する「オンライン葬儀」というお葬式形式が注目を集めています。ただ、オンライン葬儀は近年登場した新しいサービスであることから、経験された方はまだまだ少ないのが現状です。

そういったことから「従来のお葬式との違いがわからない」「オンラインにすることでどんなメリットが得られるの?」という悩みをOne's Ending編集部ではよく耳にします。

そこでこの記事では、オンライン葬儀とはどのようなお葬式であるかを解説した上で、メリットや注意点、実施までの流れについて詳しくご紹介します。

新しい葬儀形式として注目される「オンライン葬儀(リモート葬儀)」とは?

オンライン葬儀とは、インターネットで葬儀や告別式の様子を配信する新しいお葬式の形態です。

オンライン葬儀は「インターネット葬儀」「スマート葬儀」「リモート葬儀」と呼ばれることもあり、葬儀会社によって表現は異なります。

 

配信される動画は誰でも視聴できるというわけではなく、専用のIDやパスワードが設定され、葬儀会社あるいは喪主から情報を聞いた方だけが視聴できるというシステムです。

参列者は、パソコンやスマートフォン、タブレットから動画を視聴したり、実際に中継を繋いでお悔やみの言葉を伝えたりします。

 

また、オンライン葬儀では参列者はリモートでの参列となりますが、遺族や僧侶は会場にいて、祭壇なども従来の葬儀と同様に設置されています。

 

新型コロナウイルスで注目が集まるオンライン葬儀

オンライン葬儀は、近年登場した新しい参列スタイルです。

2020年、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、全国に非常事態宣言が発令されたことをきっかけに、急速に認知度が高まりました。

 

新型コロナは、密集・密接・密閉の「三密」の条件を満たすと感染リスクが高まるとされ、特に、重症化しやすい高齢者や妊婦、基礎疾患のある方に関しては、一層の外出自粛と移動制限が求められています。

 

オンライン葬儀は、このように他府県への移動が難しい方や、重症化リスクがある方でも安心して葬儀に参加できるサービスとして注目が集まっているのです。

 

新型コロナウイルスは収束の目途が立っておらず、2021年2月現在でも、一部の都府県には緊急事態宣言が発令されている状況です。

ワクチンの接種もスタートしましたが、以前の生活に戻るには、まだまだ時間がかかることが予想されます。

高齢者も含め、多くの人が集まる葬儀においては、オンライン葬儀サービスの需要はますます高まっていくでしょう。

 

葬儀をオンライン化(リモート化)するメリット

葬儀をオンライン化することは、新型コロナウイルスの感染予防に役立つ以外にもさまざまなメリットが得られます。

具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか?詳しく見てみましょう。

 

遠方に住む親族や関係者が参列しやすい

オンライン葬儀は場所を選ばず、通信環境が整っていれば誰でも参加できます。

そのため、入院中である、遠方や海外に住んでいる、介護で自宅を離れることができないなど、これまでは葬儀に駆け付けるのが難しい事情があった方も参列が可能です。

 

また、実際に葬儀会場に出向くわけではないので、天候や交通機関遅延の影響を受けることもありません。

予想外のアクシデントが発生して葬儀に遅れてしまう心配が少ないのも、オンライン葬儀の大きなメリットといえます。

 

喪家側も参列者側も負担が軽減される

オンライン葬儀のその他のメリットは、喪家側と参列者側の双方の負担を軽減できるという点です。

オンライン葬儀サービスを利用してお葬式を行う場合、葬儀の様子を中継するだけでなく、お香典、弔電、供花の注文や決済までオンラインで手続きできる葬儀会社もあります。

 

芳名帳もネット上で閲覧できるので、従来の葬儀のように、喪家側が参列者の確認を行ったり、誰からお香典をいただいたか管理したりする手間がありません。

また、参列者側にとっても、自宅から出なくてもすべての手続きが完結できるというメリットがあります。

 

葬儀費用を抑えやすい

従来の形式でお葬式を執り行うとなると、式場利用料や搬送費、スタッフの人件費といった「葬儀一式費用」のほか、お通夜でも料理代や返礼品費用などの「飲食接待費」、僧侶を招いた場合は「お布施」など、さまざまなお金がかかります。

その費用の合計は、平均すると約119万円(株式会社鎌倉新書「第4回葬儀に関するアンケート調査」)にもなるそうです。

 

一方、オンライン葬儀の場合、現地に来られる方が減ることで広い式場を借りる必要性が低くなり、通夜振る舞いや精進落としの料理も注文数が少なくて済むというメリットがあります。

参列者に振る舞う飲食代は1人当たり数千円となることも多いので、従来の葬儀よりも、大幅に費用を抑えやすいでしょう。

 

ただし、オンライン葬儀であっても、喪家や僧侶は会場に出向きますし、祭壇の準備なども従来のお葬式と同様に行われます。

お葬式の内容にこだわりがあれば、ほかの葬儀形式と同じか、それ以上の費用がかかるかもしれません。

オンライン葬儀は、節約を目的として選択するものではないということを覚えておきましょう。

 

オンライン葬儀(リモート葬儀)を行う上での注意点

遠方の方でも参列しやすい、喪家側と参列者側双方の負担が軽減できるなど、メリットが多いオンライン葬儀ですが、行う際はいくつか気を付けたいことがあります。

 

ここでは、オンライン葬儀(リモート葬儀)の注意点についてご紹介します。

 

事前に関係者の理解を得ることが大切

人によっては、直接顔を合わせずオンラインでお葬式を執り行うということに対して抵抗感を抱く方もいるかもしれません。

さらに、以前より認知度が高まっているとはいっても、実際にオンライン葬儀を経験した方は少なく「内容をよく知らない」という方が多いのも事実です。

 

そのため、オンライン葬儀を希望する場合は、家族を含め、事前に関係者の理解を得ることが大切になってきます。

「オンライン葬儀を選択する理由」「どんなメリットが得られるのか」「ほかの葬儀形式と何が違うのか」の3点をしっかり話し合い、同意を得てからお葬式の準備に取り掛かるのがおすすめです。

後日お別れの会や法要で実際に集まる場を設ける予定であれば、そのことも合わせて伝えると、納得してもらいやすくなるでしょう。

 

回線状況によってはライブ配信が中断してしまう可能性も

地方にお住まいの方や、高齢者のご家庭では、通信環境が整っていない可能性もあります。

また、参列者の方が利用する通信機器のインターネット速度次第では、ライブ配信が途中で止まってしまったり、中断してしまったりするかもしれません。

 

そのため、オンライン葬儀への参列を希望する場合は、ライブ配信をスムーズに視聴できる機器や、安定した通信回線を準備してもらう必要性が出てきます。

基本的には、アップロード・ダウンロード共に20Mbps~30Mbps程度の速度があれば、スムーズに視聴できるでしょう。

 

ただし、自宅近くを頻繁に電車が走る、高い構造物があるといった場合や、その時の回線の込み具合などにより、配信が途切れてしまうこともあります。

オンライン葬儀にするか悩んでいる方は「通信機器やインターネット回線がないと参列できない」「状況によっては配信が途切れる可能性もある」という2点を念頭に置きながら、故人・遺族・参列者にとってベストな葬儀の形式を考えてみましょう。

 

オンライン葬儀の香典や服装などのマナー

オンライン葬儀に参列したことがある方はまだまだ少ないため「香典の相場は従来の葬儀と同じ?」「服装はどうすれば良い?」といった参列マナーに関するお悩みをよく耳にします。

 

そこでこの章では、オンライン葬儀の基本的なマナーをご紹介します。

 

オンライン葬儀の香典

オンライン葬儀の場合も、参列するのであれば香典を送ります。

金額の相場は、ほかの葬儀形式と同じです。

ただし、事前に香典辞退と言われている時は、無理に送らない方が良いでしょう。

〈香典の金額の相場〉
お香典の金額は、お付き合いの度合いや故人の社会的地位、地域の慣習によっても変わってきます。以下でご紹介する相場は、あくまでも参考程度にご覧ください。

 

・両親…30,000〜100,000円
・祖父母…10,000〜50,000円
・兄弟・姉妹…30,000〜50,000円
・叔父・叔母…10,000〜30,000円
・その他の親類…3,000〜30,000円
・甥・姪…10,000〜50,000円
・友人・知人…5,000〜10,000円
・勤務先の上司…5,000~10,000円
・勤務先の同僚…5,000円程度
・勤務先の部下…5,000~10,000円

 

オンライン葬儀では、多くの葬儀社で香典のキャッシュレス決済サービスを導入しています。

専用のページで名前や住所、送りたい金額など必要事項を記入すると、喪主に香典が届く仕組みです。

 

オンライン葬儀での服装

直接式場に行かないとしても、喪服を着て参列するのがおすすめです。

オンライン葬儀では、参列者が配信される映像を視聴する形のお葬式もあれば、リアルタイムで中継を繋いで、ご遺族や親族の方と会話をしながら式が進行されることもあります。

 

中継であれば参列者の服装は映像に映し出されるので、冠婚葬祭のマナーに準じた服装をした方が良いでしょう。

たとえ参列者側の姿が見えなかったとしても、故人を偲ぶ気持ちやご遺族への配慮として、失礼のない服装で参加することが望ましいといえます。

 

なお、喪家は会場で参列するため、一般的な葬儀と同じく喪服を着用するのがマナーです。

 

オンライン葬儀の弔電や供花・供物

オンライン葬儀でも、喪主から辞退をお願いされていなければ、弔電や供花・供物を送ることができます。

忌み言葉を使用しない、宗教・宗派に配慮するなど、マナーに関しては従来の葬儀と変わりません。

 

香典と同じくインターネット上でキャッシュレス決済が可能になっていることが多く、専用のページから注文できます。

 

オンライン葬儀サービスの利用方法と実施までの流れ

ここでは、オンライン葬儀サービスの利用方法や、当日の流れについてご紹介します。

 

【利用方法】葬儀社への相談・依頼

オンライン葬儀を希望する場合は、葬儀会社との打ち合わせの際にその旨を伝えます。

葬儀会社によってはオンライン葬儀自体を取り扱っていないことや、利用したいサービスを提供していない可能性もありますので、まずは対応してもらえるかどうかを聞いてみましょう。

 

なお、危篤状態であるときは、この時点で関係者や葬儀会社へ連絡をすることもあります。

その際、オンライン葬儀が可能かどうか葬儀会社に尋ねてみるのも良いでしょう。

 

ご臨終からお通夜までの流れは、従来の葬儀と同様に進めていきます。

 

【関連記事】葬儀や納骨の手配と基本的な流れとは

 

オンライン葬儀の実施の流れ

訃報のオンライン配信に対応している葬儀会社であれば、インターネットで葬儀の連絡が可能です。

対応していない場合は、従来の葬儀の時と同じく、電話やハガキで訃報を伝えます。

 

お通夜

お通夜は、家族葬や一般葬の時と同様の流れで執り行われます。

 

〈お通夜の流れ〉
一同着席→開式→僧侶入場→読経→焼香→法話→僧侶退場→喪主の挨拶→閉式

 

オンライン葬儀のお通夜は遺族と身内の方のみ以外の方は会場に出向かないことから、受付は設けないことが多いようです。

お通夜の参列者は、香典をオンラインで送り、読経の様子をライブ配信で視聴します。

 

葬儀・告別式

オンライン葬儀であっても、葬儀・告別式の基本的な内容は同じです。

 

〈葬儀・告別式の流れ〉
一同着席→僧侶入場→開式→読経→弔電・弔辞→読経→焼香→僧侶退場→閉式

 

閉式後は、出棺、火葬の流れで進行します。

 

参列者は、葬儀・告別式が始まるまでにパソコンやスマートフォンの設定を済ませておき、ライブ配信が開始されたら、葬儀社の案内に従って弔問します。

なお、お通夜の時と同様、葬儀や告別式でも受付は設けないことが多くなっています。

 

オンライン葬儀のあとにやること

葬儀が終わっても、お世話になった方への挨拶回りや病院への医療費の支払い、各種手続きなど、遺族にはやることがたくさん残っています。

 

〈葬儀後に遺族がやること一覧〉
・挨拶回り
・病院への医療費の支払い
・名義変更手続き
・初七日、四十九日、初盆といった法要の準備
・香典返し、お礼状の準備

 

【関連記事】葬儀後にやることとは?リストを作成して計画的に!

 

この他にも、故人が生前住んでいた自宅に遺品が残っている場合は「遺品整理」を行う必要性が出てきます。

遺品整理とは、亡くなった方の遺品を遺族や身内の方が整理する作業のことです。

 

病院への医療費支払いや名義変更手続きなどは期限が設けられているため、葬儀が終わると優先的にとりかかる必要がありますが、遺品整理には「いつやるべき」という明確な時期が決まっていません。

そのため、手続きがひととおり済んだ後で、四十九日法要が終わってから、数か月経って気持ちの整理がついてからなど、遺品整理を開始するタイミングは遺族によってさまざまです。

 

ただし、故人が賃貸住宅に住んでいて退去期限が決まっている場合や、相続の手続きや準確定申告の期限が迫っているといった事情がある時は、早めの時期から遺品整理を開始することもあるようです。

 

新型コロナの影響で遺品整理がスムーズに進まないケースも

故人の荷物の量によっては、遺族だけで遺品整理を進めるのが難しいこともあります。

そういった時は、納骨式や法要で親族が集まった際に手分けして片付けを行うか、仕事が休みの日などに遺族が少しずつ整理を進めるなどすれば、荷物の量が多くても遺品整理を行うことができます。

 

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大によって「三密」を避けた行動の推奨や外出自粛が要請されたことにより、感染リスクを考えて帰省を控える方が増え、納骨式や法要も延期されるケースも発生しました。

 

そうなると、親族で集まる機会が減り、遺品整理がスムーズに進まないかもしれません。

さらに、亡くなった方が新型コロナに感染していた、もしくは感染の可能性があった場合は、感染リスクがあることから、ご遺族の方がお部屋に立ち入って整理を行うということも難しくなっています。

 

遺品整理は整理専門会社に相談するという方法もある

このように「遺品の量が多いが親族で集まることができない」「外出自粛によって帰省できない」「感染リスクがあるため部屋に立ち入れない」など、遺族だけで遺品整理をするのが難しい事情がある時は、“整理専門会社”に依頼するのもひとつの方法です。

整理専門会社は、遺品の仕分け、貴重品の捜索、不要品の買い取り、お部屋の清掃といった遺品整理に関わる作業をすべて代行してくれます。

 

また、整理専門会社によっては、孤独死の現場、ゴミ屋敷などの整理を請け負っていることもあります。

そういった企業は、コロナ禍以前から除菌・消毒作業、二次感染予防にしっかりと取り組んでいるため、新型コロナウイルスの感染対策についても徹底されていることがほとんどです。

 

もちろん、遺品整理のワンズライフでも、スタッフの検温、消毒、マスク着用といった新型コロナウイルス対策を徹底した上で作業にあたっております。

遺品整理についてお悩みのことや気になることがあれば、当社ホームページのお問い合わせフォームもしくはフリーダイヤルより、お気軽にご連絡ください。

お問い合わせの際は、遺品整理を熟知したスタッフが対応し、お客様の立場になって、親切、丁寧にご相談に応じます。

 

まとめ

オンライン葬儀は、インターネット環境さえあれば、どこにいてもお葬式に参列できる便利なサービスです。

新型コロナウイルスの感染予防のほか、入院中の方、妊娠中の方、遠方や海外にお住まいの方など、これまでは葬儀に参列するのが難しかった方が参列しやすくなり、式場に出向かなくても故人と最後のお別れができる「新しいお葬式の形」として注目を集めています。

 

一方で、直接顔を合わせずオンラインで葬儀に参列することに対して抵抗感を抱く方も少なからずいます。

オンライン葬儀を行う際は、家族や関係者と十分に話し合った上で、故人と遺族にとってのベストな形を考えてみましょう。

 

この記事を書いた人
One's Ending編集部
関東の遺品整理専門会社(株)ワンズライフのメディア編集部です。 遺品整理、生前整理、空家整理に関することから、終活、相続税に関することまで。人生のエンディングにまつわる、役に立つ情報やメッセージをお届けしていきます。
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