
2020.10.26 (2025.07.25 One's Ending編集部 加筆)
生前整理・実家の片付けを業者に依頼するときの選び方
子どもとの同居や認知症による福祉施設への引っ越し、長期入院などをきっかけに考えたいのが「生前整理」です。
生前整理には、自分や家族で行う方法以外に、専門の業者に依頼するという選択肢もあります。
しかし、いざ依頼してみようとインターネットで「生前整理業者」と検索すると、膨大な数がヒットし「何を基準に業者を選べばよいのだろう」とお困りの方も多いのではないでしょうか?
そこで今回の記事では、生前整理を業者に依頼するときの選び方をご紹介します。
生前整理や実家の片付けを業者に依頼するメリットについても解説しますので「自分でするか、業者に頼むか悩んでいる」という方も参考にしてみてください。
そもそも生前整理とは?
生前整理とは、ご本人の死後に遺族が相続や遺品整理で困らないよう、存命中に「財産」と「身分」に関する事柄を整理しておくことです。
特に非嫡出子がいる場合は、相続手続きが複雑になるケースが多いため、生前に整理しておくことが非常に重要です。
家の中をキレイにして家で快適に過ごせるために行う「断捨離」や「片付け」とは違い、生前整理には、家族や親族等、周りの方に負担をかけないために行うという目的があります。
以下に「生前整理」と「断捨離」の違いについてまとめました。
〈生前整理〉
・いつ?……子どもとの同居や老人ホームへの入居で引っ越しをする場合や、長期入院や余命宣告によって「死」について意識し始めたタイミングなどで行う
・誰が?……自分が、家族が、親族が
・誰のために?……自分のために、家族や親族のために
・何をする?……不用品の処分、財産目録の作成、遺言書の作成など
・目的は?……遺産相続トラブルの回避、遺品整理の負担を減らすために
〈断捨離〉
・いつ?……思い立ったとき
・誰が?……自分が、家族が、親族が
・誰のために?……自分のために
・何をする?……不用品を処分する、部屋の掃除をする
・目的は?……生活スペースの確保のために
ワンズエンディングのこちらのコラムでは「生前整理」のほか「老前整理」や「遺品整理」の定義についてもわかりやすく解説しています。
【関連記事】生前整理とは?必要性はある?進め方を徹底解説
現在の日本は超高齢化社会となり、核家族も進んでいることから、家族や親戚と離れて暮らすご年配の方が増えています。
そういった方向けに、ご本人に代わって生前整理を行う業者が存在し、多くの方が依頼されています。
自分で生前整理をしたくても「体力が低下して1人で行うのは困難」「重い物が持てない」などの事情でお困りの方は、生前整理を請け負うプロの業者に依頼するのもひとつの案と言えるでしょう。
実家の片付けや生前整理が大変な理由
いざ実家を片付けようとしても、思うように進まず悩む方が多いです。
なぜ、実家の片付けは大変なのでしょうか?
その主な理由を3つ解説します。
①親が物を捨てることに抵抗を持っている
物が少ない時代に生きた親世代は、捨てることは「もったいない」という意識を持っている方が多く、どうしても物をため込みがちです。
空き箱や紙袋など、子どもからすれば不要と感じるものを捨てようとすると、親と喧嘩になってしまい、片付けが思うように進みません。
②荷物の量が多すぎる
何十年も住んでいた実家には、家財道具、生活用品、子どもの物、趣味で使用していた物など、膨大な荷物があります。
それなりに量があっても、すべての物がきれいに整理整頓されていれば、時間はかかるものの何とか片付けられるでしょう。
しかし、「とりあえず押し入れに詰め込まれている」といった状態だと、どこから手を付けていいかわからず、自分たちだけで片付けるのはかなり大変です。
③実家のことは子どもが口出ししにくい
子どもが実家を出て離れて暮らしている場合、実家は「親の家」です。
家の中にある荷物も大半は親の物になるため、子どもに口を出されるのを嫌がる親もいるでしょう。
親が捨てようとしないからと、親の了承を得ずに勝手に荷物を処分すれば、あとで「どうして勝手に捨てたんだ」とトラブルになり、親子関係が悪化してしまうかもしれません。
このように、子どもが独立していると片付けに関して口を出しづらく、その間にも物はどんどん増えていきます。
実家の片付けについては、以下の関連記事でも解説しているので参考にしてみてください。
【関連記事】実家の片付けが進まない!片付ける順番と成功のコツ
生前整理を業者に依頼した方がよい理由とは?
次に、生前整理を専門の業者に依頼するメリットについて解説します。
①部屋の片付けが早く終わる
生前整理では、家財道具の片付けだけでなく、物の仕分けや財産の整理など、やることがたくさんあります。
以下に、生前整理でやることを箇条書きでまとめました。
〈生前整理でやること一覧〉
1. 財産目録の作成
2. 物を「必要な物」と「不要な物」に仕分ける作業
3. 不用品の処分
4. 不動産の整理
5. デジタル整理
6. エンディングノートの作成
【関連記事】生前整理でやることとは?リストを使った進め方のポイント
生前整理をはじめから最後まで自分や家族だけで行うとなると、相当な時間がかかります。家の中に膨大な荷物があり、ゴミ屋敷状態であれば数か月~数年かかってしまうことも珍しくありません。
「時間がかかっても大丈夫」という方もいるかもしれませんが、中には、引っ越しの日程が決まっており、期限までに片付けを完了させないといけない方もいるでしょう。
こういったケースでも、プロの整理会社に頼めば、最短1日で作業が完了します。
荷物の量によっては数日かかることもありますが、自分たちで作業するよりもかかる時間を大幅に短縮できます。
②貴重品の捜索を頼める
生前整理で財産の整理をする際は、資産を一覧表にまとめた財産目録の作成を行うことがあります。
しかし、家の中が整理整頓できていない状態だと、どこに何があるのかわからず、資産の総額が把握できません。
プロの整理専門会社には、片付けだけでなく貴重品の捜索もお願いできます。
整理の段階で見つかった貴重品は、しっかりと保管して渡してもらえるので安心です。
なお、より確実に見つけてもらうために、あらかじめ目録をある程度作成しておくことをおすすめします。
〈財産目録に書く内容の一例〉
・健康保険や年金手帳などの書類
・生命保険や医療保険など、加入している保険の証書
・不動産関係の権利書
・預金通帳やキャッシュカード
・有価証券
・骨董品、宝石、車などの資産価値が高い物
これらの項目を目録にして、見つからないものがあれば整理会社に捜索を頼むとスムーズです。
③不用品を買い取ってもらえる場合もある
整理専門会社の中には、不用品の買い取りサービスを行っているところもあります。
捨てようとしていた荷物の中に金銭的価値が高いものがあれば、買い取ってもらって依頼にかかる費用をまかなうことが可能です。
不用品を売却する手間も省けます。
なお、ワンズライフでも買い取りは可能です。
査定のプロが品物の価値をしっかり査定します。
④家族に負担をかけずに生前整理ができる
1人で生前整理をするのが困難な場合「家族に手伝ってもらえないだろうか」と考える方も多いのではないでしょうか。
家族が近隣に住んでいれば来てもらいやすいですが、予定があって忙しいと、毎回手伝ってもらうのは難しいかもしれません。
さらに、家族が遠方に住んでいれば、実家に足を運んでもらうのはもっと難しくなります。
もし都合がついて来られたとしても、交通費がかかったり、その間に仕事を休んでもらったりと、手伝ってもらう家族にも負担をかけてしまうでしょう。
このようにご自身で生前整理をするのが難しく、さらに誰かに手伝ってもらうことができない場合は、プロの業者に依頼することで、家族へ負担をかけずに生前整理ができます。
⑤プロ目線のアドバイスを受けられる
自分で作業していると、捨てていいものと残しておくものの区別ができず、片付けがスムーズに進まないこともあります。
特に、片付け後に引っ越しを予定されている方であれば、何をどこまで捨てればよいかわからず、困ってしまう方もいるでしょう。
賃貸や公営住宅は基本的に 「原状回復」が求められているので、カーテンレールや風呂釜など、自分では不用品と思っていないものも処分しないといけない可能性があります。
このようなときでも、プロの整理会社に依頼していれば「この書類は相続に必要だから置いておいた方が良い」「残しておきたいものはこのように保管しておくのがおすすめ」といったプロ目線のアドバイスを受けることが可能です。
また、どこまで原状回復が求められるのかも一緒に確認してもらえるので「ここは公営住宅だから風呂釜の撤去が必要」「クーラーが設置されていた賃貸住宅だから置いたままで大丈夫」など、自分では気付きにくい点もアドバイスしてもらえます。
生前整理を業者に依頼!選び方のポイントは?
生前整理を請け負う会社は、全国に数多く存在します。
長年暮らしてきた大切な家や家財の整理ですから、実績があり、信頼できる優良な会社にお願いしたいものです。
何を基準に選べばよいか悩んだときは、これからご紹介する4つのポイントを判断基準にしてみてください。
①生前整理や遺品整理に関する資格を持っているか
業者を選ぶときは、生前整理や遺品整理に関する資格を持ったスタッフが在籍しているか確認してみましょう。
遺品整理に関わる多くのスタッフが保有しているのが、一般社団法人遺品整理士認定協会が認定している「遺品整理士」という資格です。
「なぜ生前整理なのに遺品整理の資格?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
理由は、遺品整理士の資格保有者は、リサイクル品の取り扱い方法や廃棄物の処理法等の法律に関する正しい知識を持っている、作業の流れを把握している、ご自宅の整理を依頼される方への心構えを学んでいるなど、生前整理業にも精通していることが多いからです。
なお、生前整理に関連した資格には、生前整理認定作業士や生前整理アドバイザー、生前整理診断士などがあります。
気になる会社を見つけたら、在籍するスタッフがどういった資格を保有しているかホームページで情報を確認してみるのもおすすめです。
②相続や各種手続きに関する専門家を紹介してもらえるか
生前整理では、荷物の片付け以外に、土地や不動産の売却手続きや遺言書の作成が必要となることもあります。
整理会社を選ぶときは、司法書士や弁護士などの専門家、不動産会社などと提携しており、手続きに関する相談サービスが利用できるか確認しておくことも大切です。
「とりあえず引っ越しだけして家のことは後でしよう」と空き家のまま放置しておくと、固定資産税や管理費やかかるだけでなく、劣化による倒壊や不法投棄のリスクが高まります。
さらに、遺言状などの相続に関する手続きをしないままご自身に万が一のことがあれば遺族が手続きをしないといけなくなったり、故人の遺産分割で家族間のトラブルが起こったりしてしまうかもしれません。
このような問題を回避するためにも、片付けだけでなく、生前整理に関するあらゆる相談を受け付けている会社を選ぶのがおすすめです。
なお、ワンズライフは、相続問題に詳しい士業の先生方、不動産会社と業務提携しておりますので、安心してご依頼いただけます。
③実際に部屋を見てから見積りを作成してくれるか
業者を選ぶ際は、無料で訪問見積もりを行っているかどうかを確認することも重要です。
生前整理にかかる料金は一律ではなく、荷物の量、お部屋の大きさ、作業にかかる日数など、あらゆる要素で変動します。
そのため、実際の部屋の状態を見てみないと、正確な料金はわかりません。
電話やメールの問い合わせだけで見積もり書を作ってもらうと、作業後に「荷物の量が多かった」「予定より時間がかかった」などの理由で、追加料金を請求されて相場以上の費用がかかることもあります。
安価な料金設定だけですぐに決めてしまわず、訪問見積もりをして、項目ごとの詳細な金額を提示してくれる会社を選びましょう。
また、訪問見積もりには、事前に担当者と会って話ができるというメリットもあります。
ホームページに写真が掲載されていても、接客対応までは判断できませんし、作業当日までどんなスタッフが来るのかわからないのは不安です。
訪問見積もりを通して担当者と会うことで、安心して任せられる業者かどうか確認できます。
④依頼者の気持ちに寄り添った提案をしてくれるか
生前整理のあとも引き続きその家に住み続ける場合、大きな家具や不用品を整理することで、住環境が以前と大きく変わることがあります。
単に物を減らして部屋の清掃をするだけでなく、その後の生活のしやすさを考えながら、依頼者の要望に沿った提案ができる会社を選ぶことも重要です。
災害が起こったときに逃げやすい家具の配置や、腰をかがめるのが難しい方には楽な姿勢で取れる場所に物をしまうなど、依頼者の気持ちに寄り添って作業を進めてくれる会社だと安心して任せられます。
依頼者のことを第一に考え業務に取り組む会社かどうかは、メールや電話の対応からある程度判断が可能です。
言葉遣いが丁寧で、質問に対して、わかるまできちんと説明してくれるのであれば、当日の作業も真摯に取り組んでもらえる可能性が高いでしょう。
費用の相場は?【プロに依頼した場合】
料金設定は、整理会社によってさまざまです。
家の間取りや荷物の量、必要な作業スタッフなど、現場の状況によって変わります。
正しい料金を知るには、事前に相見積もりを取って、現場を見て詳細な見積もり表を作成してもらうのがおすすめです。
今回ご紹介しているのは遺品整理ワンズライフのホームページに掲載している料金表ですが、費用は必ずしも下記の表の通りとは限りません。
荷物の量が多い場合は、片付けるお部屋の数が少なくてもスタッフの人数が必要となるため、料金も変わってきます。
その他にも、住宅の階層や車両までの距離など、お住まいの環境によっても料金は変動しますので、あくまでも目安として、参考程度にご覧ください。
間取り | スタッフの人数 | 費用の目安 |
1K | 1名 | 38,500円~ |
1DK | 2名 | 66,000円~ |
1LDK | 3名 | 88,000円~ |
2DK | 3名 | 132,000円~ |
2LDK | 4名 | 165,000円~ |
3LDK | 5名 | 220,000円~ |
4LDK | 6名 |
286,000円~ |
片付け以外に、パソコンやスマートフォンのデータ移行、パスワードの調査など「デジタル資産」に関する作業を依頼すると、別途で費用がかかることもあります。
【関連記事】デジタル遺品とは?パソコンやスマホに残るデータの遺品整理・生前整理
まとめ
「高齢になり、体力が低下して重い物が持てない」「家族に手伝ってもらうことができない」「どこから片づければ良いのかわからない」など、ご自身で生前整理を行うのが難しいときは、プロの整理会社に依頼するのもひとつの手です。
ただ、生前整理を請け負う企業は膨大にあり、中には、依頼者の気持ちよりも作業効率を重視するところも存在します。
生前整理を専門業者に任せる際は、依頼者の思いを受け止めながら、プロとしての提案や相談、アドバイスなども含め、総体的なサービスを提供できる誠実な企業を選びましょう。
「気になる企業があるけれど、安心して任せられる企業かどうかわからない」という方は、今回ご紹介した選び方の4つのポイントをひとつの判断基準にしてみてはいかがでしょうか。
ワンズライフでは、一人ひとりの気持ちに寄り添いながら、慎重かつ丁寧に整理を行います。
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