2021.01.04
葬儀後にやるべき諸手続きについて解説
人が亡くなると、故人の名義になっているものは、すべて名義変更手続きをしないといけません。
その中には期限が決められているものも多く、葬儀後すぐに役所へ出向かないといけないこともあります。
ここでは、葬儀後に必要となる手続きを時期別にまとめました。
【関連記事】葬儀や納骨の手配と基本的な流れとは
【臨終~葬儀前後】すぐにやるべき手続き
亡くなってからすぐに行う手続きには、以下のようなものがあります。
死亡診断書
死亡診断書は、臨終に立ち会った医師、あるいは遺体を検死した医師が書き、遺族に渡す書類です。
後日、保険金や遺族年金の請求時にも必要となりますので、その際は、同じ医師に依頼すれば再度書いてもらうことが可能です。
事故や突然死、災害死などの場合は、警察医によって検死が行われ「死体検案書」が作成されます。
〈期限〉死亡を知った日から7日以内
死亡届
死亡届と左右で1枚になったものが「死亡届」です。
死亡届には、故人の住所や氏名だけでんなく、届出人の情報も記載します。
届け出の際は、届出人の印鑑が必要ですので、忘れずに用意しておきましょう。
なお、葬儀社に依頼して、届け出を代行してもらうこともできます。
〈期限〉死亡を知った日から7日以内
死体火葬許可申請証
死亡届と一緒に提出するのが「死体火葬許可申請証」です。
この申請書に必要な事項を記入し、内容に問題がなければ「死体火葬許可証」が交付されます。
この許可証がないと火葬ができないため、火葬当日は必ず持参しましょう。
葬儀社のスタッフにあらかじめ預けておくことも多いようです。
なお、火葬許可証は、納骨の際にも必要です。
〈期限〉期限はないが、死亡届と同時に提出するため7日以内に手続きを済ませる
【死亡後14日以内】できるだけ早く行う手続き
次に、亡くなってから14日以内に行う手続きについて解説します。
手続き以外にもやることが数多くあるため、14日以内といわず、できるだけ早めに済ませることをおすすめします。
年金に関する手続き
故人が亡くなると、年金受給停止の手続きが必要です。
故人が厚生年金に加入していたときは、勤務先または管轄の社会保険事務所に問い合わせましょう。
国民年金の受給者は、居住地自治体の年金課に、年金証書の返還と未受給年金の請求を行います。
なお、国民年金の脂肪一時金の請求期限は、死亡後2年以内です。
〈期限〉厚生年金の場合は10日以内、国民年金であれば14日以内
健康保険・介護保険に関する手続き
亡くなった方が国民健康保険に加入していたときは、国民健康保険資格喪失届を提出します。
75歳以上の方は後期高齢者医療となっているため、75歳未満の方と保険証が異なりますが、手続きの方法は同じです。
社会保険に加入していた方は、勤務先を管轄する社会保険事務所に連絡しましょう。
介護保険は、加入している健康保険の種類にかかわらず、市区町村の役場で「介護保険資格取得・移動・喪失届」を提出します。
〈期限〉死亡後14日以内
住民票の抹消届
住民票は、死亡届の提出によって自動的に削除されるため、特別な手続きが不要なケースがほとんどです。
心配な方は、お住まいの市町村役場の窓口の問い合わせておくと良いでしょう。
〈期限〉死亡後14日以内
世帯主の変更届
故人が世帯主であった場合は、世帯主変更届の提出が必要です。
住民票の抹消届と同時に行えば、一度で手続きが完了します。
〈期限〉死亡後14日以内
【死亡後1~10ヶ月以内】その他の手続き
最後に、亡くなってから1~10ヶ月以内に行う手続きについて解説します。
相続税の申告
預貯金、不動産、株式、生命保険、自動車などの資産は、その名義人が亡くなると、まず相続人全員の共有財産となります。
その後、誰が相続するかを話し合い、決定したらすみやかに名義変更を行います。
その際、相続または遺贈によって獲得した財産が基礎控除額を上回ると、相続税の申告をしないといけません。
基礎控除額は一律で金額が決まっているわけではないため、各自で計算する必要があります。
※基礎控除額の計算方法について→国税庁
〈期限〉相続人が相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内
所得税準確定申告
故人が自営業を行っていたり、年収2,000万円以上の給与所得者だったりしたときは、所得税の申告と納税が必要です。
〈期限〉相続人が相続の開始を知った日の翌日から4カ月以内
生命保険金の請求
故人が生命保険に加入していた場合は、保険会社に契約要項変更の旨を伝え、保険金の支払い請求をします。
請求期限は、亡くなってから3年以内となっていることがほとんどです。
早ければ、請求から5営業日程度で保険金が支払われます。
〈期限〉支払事項が生じた日の翌日から3年以内
まとめ
葬儀後は心身ともに疲れ切っているため、順序良く物事を進めたり、テキパキと動いたりするのが難しい状況です。
まずは、今回解説した葬儀後に行うべき手続きについての知識を身につけ、“いつまでに何をするのか”を事前に把握しておくことが重要です。そうすることで「手続きの期限に間に合わない」「やるべきことが終わらない」と慌てずに済むでしょう。
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